量が 40mg/kg/日である一方で、海外では幅広い疾患及び菌種に対してより高用量(最大量と
なお、重度のペニシリンアレルギーがある場合は、マクロライド系薬やリンコマイシン系薬が選択肢となります。しかしながら、A群溶血性レンサ球菌(GAS)に推奨されている抗菌薬のほぼ全てが限定出荷となっている状況です。
各学会の指針では、GAS による急性咽頭炎の場合の用量はアモキシシリン 1 回 ..
急性扁桃炎・咽頭炎診療においては、「細菌感染とウイルス感染を鑑別し、抗菌薬治療の対象は細菌性炎症、とりわけ A群溶血性レンサ球菌(Group A Streptococcus pyogenes/GAS)とする」とされており、扁桃周囲膿瘍などの化膿性合併症のリスク低減やリウマチ熱の予防などを目的に抗菌薬治療が行われます。
A:昔は子どもの心臓病で最も多かったのがリウマチ熱、リウマチ性弁膜症でした。
アメリカのデータでは、20世紀初頭は10万人あたり年間200人の発生頻度だったのが、1940年代には10万人あたり50人に、現在では10万人あたり0.5人まで減っています。日本小児循環器学会の集計では2014年にリウマチ熱を発症した子どもは、全国で7人でした。リウマチ熱、リウマチ性弁膜症が激減した理由として、二つの要因が考えられています。
まず第一に、そもそもリウマチ熱を起こしやすい血清型の溶連菌が減ったことがあります。溶連菌による急性咽頭炎は今でも子どもによくみられますが、溶連菌の中にもリウマチ熱を起こしやすい型とそうでないものがあります。不衛生な環境で子どもたちが密集して生活していると溶連菌感染が広がっていきます。生活環境がよくなって感染の連鎖が絶たれたことにより、リウマチ熱を起こしやすい血清型の溶連菌が先進国からほぼ消えてしまったと考えられます。溶連菌による急性咽頭炎自体は自然に治ります。もはやリウマチ熱を心配する必要がないのであれば、日本においては、溶連菌感染症を一人残らず見つけて全例に抗菌薬を投与する、という意義はあまりないと言えるでしょう。
第二の要因として、急性咽頭炎に対して抗菌薬による治療が行われるようになったということも関係しているでしょう。いずれにせよ、日本を含む先進国では、リウマチ熱、リウマチ性弁膜症は非常にまれな病気になりました。溶連菌による急性咽頭炎にかかっても、抗菌薬による治療がなされれば、まず心配はいりません。血液検査で血清抗体(ASO, ASKなど)が上昇していることだけを根拠に、リウマチ熱と診断するのは適切ではありません。
にもあるように、中耳炎、副鼻腔炎や肺炎では、高用量のアモキシシリンを使用することがありま.
溶連菌とは、β溶血する連鎖球菌の総称です。中でもA群溶血性レンサ球菌(GAS)は強い毒素を産生し、急性扁桃炎・咽頭炎、丹毒、蜂窩織炎、壊死性軟部組織感染症などさまざまな感染症の起炎菌です。小児の咽頭炎でよく見られることが知られており、抗菌薬治療の適応となります。今回は、溶連菌感染症による急性咽頭炎の抗菌薬の選択について、推奨薬剤や代替薬を整理して紹介します。
・ファロム(ペネム系抗菌剤)
:重症(院内)感染のときの第一選択薬(上述「難治性細菌への抗菌剤」「切り札、伝家の宝刀的な薬」)。当院では、まず使う場面がありません。 (伝家の宝刀は抜かない、のがよいと考えます)
Q5 溶連菌性咽頭炎、急性⿐副⿐腔炎などの急性気道感染症や急性中⽿炎 ..
そのほかに連鎖球菌感染性小児自己免疫神経精神障害:PANDAS(Pediatric Autoimmune Neuropsychiatric Disorders Associated with Streptococcal infection)というのがあります。溶連菌感染症との関連性が証明されたわけではありませんが、感染後に急性に発症する強迫性障害の症状やチックなどの症状を認めます。
もう一つは溶連菌感染後反応性関節炎:PSReA((post-streptococcal reactive arthritis)です。リュウマチ熱に似た関節の症状を呈しますが、後遺症は残らず治癒します。
細菌は人間の都合に合わせてくれません。細菌は「この子は保育園に行ってるから手加減してやろう」なんていうことはなく、「どうにかして生き延びよう」とするものです。抗菌剤は適切な量を適切な回数使うことも大事なことです。
第2回 小児へのアモキシシリン 分2 10日間の処方 (後編)【適正使用に貢献したい 抗菌薬の処方解析】 ..
A:リウマチ熱とは、溶連菌による急性咽頭炎の2~3週間後に、関節痛や心炎、舞踏病を起こす病気です。溶連菌の感染を繰り返して心炎がくすぶり続けると、10年以上たってからリウマチ性弁膜症になります。これを防ぐため、リウマチ熱にかかったら、10年以上の長期にわたって抗菌薬を飲み続けなくてはなりません。舞踏病とは、不随意運動といって手足が勝手にピクついたりして不器用になります。落ち着きがなくなったり、学校の成績が急に下がったりすることで気づかれることもあります。不思議な症状ですが、鎮静薬(フェノバルビタールなど)で症状を抑え、時間がたてば自然によくなります。
溶連菌による急性咽頭炎にかかっても、発症から9日以内に抗菌薬で治療すれば、リウマチ熱は防げます。急性咽頭炎がよくなっても抗菌薬を一定期間飲み続けてもらうのは、リウマチ熱を予防するのが目的なのです。
A:異なる種類の溶連菌に繰り返し感染している場合と、溶連菌の保菌者がウイルス感染を繰り返している場合の2通りが考えられます。無症状にもかかわらず溶連菌がのどに住み着いていることがあり、このような人を保菌者といいます。保菌者が、ウイルス性の咽頭炎を起こしたとき、検査では溶連菌が検出されるので、一見、溶連菌による咽頭炎にみえてしまいます。区別するためには、(1) 溶連菌による咽頭炎であれば、抗菌薬の内服から24時間以内に症状が改善すること、(2) 無症状時にものどから溶連菌が検出されること、(3) 周囲の流行状況、から総合的に判断します。
なお、無症状の保菌者は、他の人へ感染させる危険は低く、また本人に合併症を起こすこともありません。無症状の保菌者への治療は不要です。
アモキシシリン(AMPC) 高用量:(60~)90㎎/kg/日 分2~3 5~10日間 内服量が多くなるので飲ませ方に工夫が必要になります
代表的なものに急性糸球体腎炎(溶連菌感染後糸球体腎炎)とリュウマチ熱があります。
✦溶連菌:第一選択はサワシリンだが、小児呼吸器感染症診療ガイドライン 2017 ではセフェム系 ..
A:溶連菌感染は複数回かかることがあります。ヒトに感染して病気を起こすA群溶血性連鎖球菌は、菌の表面にあるM蛋白の種類によって220以上もの血清型に分類されます。溶連菌に1回かかっても、M蛋白が異なる溶連菌には免疫ができません。子どものうちに複数回の溶連菌感染を起こすことはありえます。ただ大人になると、流行しやすいタイプの溶連菌にはたいてい免疫ができてしまうので、溶連菌感染症にかかりにくくなります。
なお、M蛋白の種類に応じて、リウマチ熱を起こしやすいかどうか、急性糸球体腎炎を起こしやすいかどうかが決まります。地域で子どもの急性糸球体腎炎が流行している場合は、溶連菌感染後には特に注意が必要です。
[PDF] 溶連菌の感染症が増加中!抗菌薬は適切な使用方法を守って
例えば、喉の急性細菌性咽頭炎(ほとんど溶連菌が原因)と急性細菌性中耳炎(主に肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因)は、どちらも抗菌剤アモキシシリン(当院はワイドシリン)が第一選択薬です。効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。
・アモキシシリン/クラブラン酸 1回250mg1日3回+アモキシシリン1回250mg1日3回
臓器ごとに、その抗菌剤が届きやすい臓器と届きにくい臓器があり、届きにくい臓器が目標の場合、内服量を増やす必要があります。
・ホスホマイシン1回1000mg 1日3回 (ESBL産生菌を考慮する場合)
ことがあります。特に5~12歳くらいに多くみられます。咽頭炎の1~2週間後、膿痂疹なら3~6週間後に、突然、血尿や高血圧、むくみが出て発症します。尿検査をしてはじめて血尿が判明する程度の軽症のこともあれば、目で見て分かるほど尿が赤くなったり、高血圧のせいで頭痛やけいれんを起こすこともあります。ただ、ほとんどの場合、入院して安静にしてもらい、塩分や水分を制限するなどの治療をきちんとすれば、なおります。以前は、溶連菌感染症の2~4週間後に尿検査をすることもありましたが、とされています。
アモキシシリンで治療する。治療の目的は、症状の緩和(1-2日間罹病期間が ..
とびひは、黄色ブドウ球菌でも起こります。黄色ブドウ球菌は、溶連菌と違って、抗菌薬が効きにくい耐性菌が多いです。治りが悪い場合は、黄色ブドウ球菌も考えて、抗菌薬を変更します。
現在、アモキシシリン(AMPC)は、本邦で承認されている小児の最大投与
・ピボキシル基を有する抗菌剤(セフカペンピボキシル(フロモックス)、セフジトレンピボキシル(メイアクト)、セフテラムピボキシル(トミロン)、テビペネムピボキシルなど)
:低カルニチン血症(小児で低血糖、痙攣、脳症を起こす)の副作用あり。テビペネムピボキシル(オラペネム)は7日間までの処方制限あり
抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
先ほども書きましたが、治療の目的はリュウマチ熱の予防です。
3歳以下の子どもはリュウマチ熱になることはまずありませんので、溶連菌を疑って咽頭の検査をしたり、抗生剤を投与することは原則必要ありません。
効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。
日本では第三世代のセフェム系抗生剤の5日投与という方法をされている先生もいますが、まだ国際的には認められているものではないと思いますし、個人的な意見としては第三世代のセフェム系を安易に使用しない方が良いと思っています。この抗生剤にはまだリュウマチ熱を予防できるというエビデンスがないこと、また抗生剤に含まれるピボキシル基の副作用で低カルニチン血症があるためです。カルニチン欠乏症は、筋肉症状(筋肉痛、ミオパチー、筋肉壊死など)、低血糖、脂肪肝などの脂肪蓄積、脳症、高アンモニア血症(肝性脳症)、心筋症・心不全などを引き起こします。 重篤な欠乏症では不可逆的な脳・臓器障害を来すことが多く、低血糖による昏睡などで死に至ることもあります。
アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3〜4回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 ..
溶連菌が皮膚に感染すると、伝染性膿痂疹(とびひ)になります。最初は周囲の赤みを伴う水ぶくれで、水ぶくれがにごった膿となり、厚いかさぶたでおおわれます。溶連菌は、虫刺されや引っかき傷から入り込みます。感染した場所をかきむしると、どんどん感染が広がっていくことから、「とびひ」とも呼ばれます。汗をかいて肌が荒れやすい夏に流行します。
・ アモキシシリンの投与量は添付文書で「1 回 250mg を 1 日 3~4 回 ..
特に急性糸球体腎炎は溶連菌感染から1~3週間後に発症し、むくみなどの症状を引き起こしますが、まれに重症化や慢性化する場合もあります。したがって
【感染症内科医監修】ペニシリン系抗生物質の一覧解説<早見表つき
溶連菌感染症の合併症として、急性糸球体腎炎やリウマチ熱があります。
Streptococcus pyogenes(A 群β‐溶血性レンサ球菌:GAS) が検出された場合
・咽頭炎
:溶連菌しかありません。第一選択薬はアモキシシリン(ペニシリン系抗菌剤)
[PDF] 2.高齢者における抗菌薬の考え方,使い方 経口薬編
咽頭炎は、治療をしなくても、3~5日間で治ってしまいます。抗菌薬の飲み薬を使うことで、早く良くなり、また他人にうつす危険性も減らせます。薬を飲み始めて1日で熱が下がりますが、中断せずにペニシリンアレルギーがある場合は、クラリス(15 mg/kg/day, 10日間)やジスロマック(10 mg/kg/day, 3日間)を使います。抗菌薬を飲み始めて24時間たてば、他人にうつす危険はなくなります。