アレグラやアレジオンなどはOTC薬(市販薬)にもなっていて、ドラッグストアでも ..
当院でよく処方する抗アレルギー薬にはアレグラ、クラリチン、アレロック、エバステル、ジルテック、ザイザルなどがあります。 また、喘息などの症状が出る場合もあり、そのような非常に症状の強い患者様にはセレスタミンやリンデロンなどのステロイド薬を短期間のみ頓用で使用してもらうこともあります。
実際に花粉症である私が、薬を飲んだ印象をあげてみました。
セレスタミン配合錠の基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
セレスタミンは第一世代の抗ヒスタミン薬とステロイドの配合薬です(クロルフェラニンマレイン2mg(ポララミン)+ベタメタゾン0.25mg(リンデロン))。セレスタミン1錠にはプレドニン2.5mg相当のステロイドが含まれています。ステロイドは強力な抗炎症作用を有しており、様々な疾患の治療で使用されている重要な薬ですが、長期服用をすることで様々な合併症リスクが上昇するため、適切に内服する必要があります。
ーステロイドの合併症ー
□ 骨粗しょう症
□ 消化管出血
□ 白内障・緑内障 等
このような合併症リスクと、もともとの病気の治療効果を天秤にかけて慎重に投与すべき薬です。鼻炎の症状が強い場合に短期間で使用する分には良い薬ですが、長期間服用した場合には副作用のデメリットの方が大きいと考えられます。
図1に主な抗ヒスタミン薬のを示します。第1世代が50%以上の脳内H1受容体を遮断するのに対して、20%未満で非鎮静性とされます。赤い四角で囲ったものは第2世代と呼ばれるもので、すべて非鎮静性です。アレグラやアレジオンなどはOTC薬(市販薬)にもなっていて、ドラッグストアでも簡単に手に入るのでなじみが深いのではないでしょうか。
それでも症状が治まらない場合には違うタイプの骨格を持つデザレックスなどを併用してみると良いでしょう。 ..
花粉症の方にとっては憂鬱な季節となりました。2~5月にくしゃみ・鼻水や目の痒みで来院される方はほぼスギ花粉症であり、一部はヒノキの影響も加わって6月にかけても症状が続きます。当院では以前から軽度~中等度の症状の方には、眠気の少ないフェキソフェナジン(商品名アレグラ)を、天気によって症状が強くなる時にはステロイドが少量配合されたセレスタミン(商品名)を併用する方法をおすすめしていました。フェキソフェナジンでは効果がないという方には、やや眠気が強くなりますがオロパタジン(商品名アレロック)やタリオン(商品名)をお出しすることもありました。希望者には抗アレルギー作用がより強く逆に眠気もおきにくいザイザルを処方しますが、ジェネリックがないので値段が高いのが難点です。ピラノアやデザレックスなどの1日1回投与ですむ新しい薬も発売されています。目の痒みが強い場合には点眼薬も処方します。基本的には抗ヒスタミン薬の入ったザジテン点眼薬やリボスチン点眼薬・リザベン点眼薬を使いますが、小児では目にしみるという場合があり、小児にはケミカルメディエーター遊離抑制薬のインタール点眼薬またはパタノール点眼薬をお出しします。コンタクトを使っている方にはアレジオン点眼薬がおすすめです。内服で眠気が強い方はステロイド点鼻薬がおすすめであり、フルナーゼ点鼻液とアラミスト点鼻液が一般的ですし、フルナーゼには小児用もあります。鼻閉症状が強い方にはナゾネックス点鼻液が最も効果が高いようです。点鼻液が液垂れをおこして顔のお化粧がとれてしまうことを気にされる女性では、ご希望があればパウダースプレーの点鼻薬をお出しします。妊娠中の方では基本的には局所的作用のみの点眼薬・点鼻薬を使うことが中心となりますが、症状が強い場合に内服として小青竜湯という漢方も処方します。眠気が強くなるため内服薬を嫌い、点眼薬・点鼻薬の煩雑さを避けるために、注射を強く希望される方には、ステロイド薬の筋肉注射を臀部に行っています。また即効性はないのですが、花粉症の体質を変えるアレルゲン免疫療法も行っています。これはスギ花粉のエキスを毎日舌下する「舌下免疫療法」と言い、花粉症のシーズンに合わせて前年の秋から内服を開始します。今年のシーズンには間に合いませんが、来年は是非楽になりたいという方には今年の秋からの治療開始をおすすめします。花粉症の症状は花粉飛散が終われば症状もおさまってしまう一時期のものであり、花粉症としての診断的な苦労は何もありません。しかし、ダニ・イネ・動物上皮や、卵・果物などの食物にアレルギー反応をおこすような方では、ご希望があればスギの項目以外に、心配と思われる項目を加えて採血してアレルギーの原因を特定することは可能です。花粉症の治療だけでなく、診断についても細かいご希望があればご相談下さい。
例えば、グループ Aのアレグラが効かなかったのであれば、同じグループAのタリオンやビラノアに変えるよりも、グループ Bのルパフィンやグループ Cのザイザルなどに変更する方がより効果の違いを感じることができる可能性があります。
このような悪化時はステロイド剤の点眼を一時併用すると早く楽になります。 ..
)。 アレルゲンが鼻の粘膜につくと、ヒスタミン、ロイコトリエンといった物質がでてきて症状を引き起こします。ヒスタミンがくしゃみ鼻水、ロイコトリエンが鼻づまりに関係しているといわれています。(ヒスタミンとロイコトリエンは、治療の話のときにまたでてきますので、頭の片隅においといてください。)
くしゃみ、鼻水(水様性鼻汁。いわゆる水っぱな。)、鼻づまり(鼻閉)アレルギー性鼻炎では黄色い鼻水(膿性鼻汁)は出ません。膿性鼻汁は鼻かぜ(急性鼻炎)や、副鼻腔炎の症状です。 鼻:下鼻甲介が腫れたり、白くブヨブヨになったりしています。何にアレルギーがあるかを調べるためには、アレルギー検査が必要です。当院では「ドロップスクリーン」を導入しています。指先からとった1滴の血液で、41種類がわかるアレルギー検査です。30分で結果がでます。こんな感じで検査結果がでてきます。 大人の方には、普通の採血での検査をおすすめしています。何が違うかといいますと、・非特異的IgEといって、今どのくらいのアレルギー反応が自分の中で起こっているかの目安になる数値がわかります。・View39 ドロップスクリーンとほぼ同じ39種類の検査ができます。・白血球中の好酸球の%がわかります。これは、過敏性の指標になります。上記のいろいろな抗原にかぎらず、温度・気圧・ちょっとした刺激にも反応しやすいかどうかがわかります。好酸球が5%以上ある方は、過敏になっていると考えていいです。 飲み薬と点鼻薬があります。ヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬、ロイコトリエンを抑える抗ロイコトリエン薬、そして漢方薬があります。一番使われるタイプのお薬です。 1日2回のお薬 1日1回のお薬 この他にもいろいろ種類があります。一般的に効果が強いと言われる薬、眠気が強いといわれる薬がありますが、効果には個人差があります。効果が強いといわれる薬でもその人にはあまり効かなかったり、眠気が少ないと言われる薬でもその人には眠たかったり。その逆もあります。抗ヒスタミン薬はいろいろ種類があるので、自分に合う薬を一緒に見つけましょう。 鼻づまりの症状が強い人に使います。単剤で使うこともありますが、抗ヒスタミン薬で効果がイマイチな場合に併用することもあります。シングレアとキプレスは販売会社が違うだけで、同じ薬です。 鼻水グッジュグジュになってしまった時。こういう時に、他の飲み薬はなかなかすぐに効いてはくれません。小青竜湯はとりあえず許容範囲内に症状を抑えてくれます(私の使用経験から)。天然のエフェドリン(後述参照)がはいっています。 妊娠中にも頓服程度なら飲めます。アレグラの成分と、エフェドリンの成分が入った薬です。エフェドリンは血管をキュッと細くする効果があるので、鼻づまりを改善させてくれます。鼻閉にはとてもよい薬なのですが、血管をキュッとし続けるのは鼻以外にはよくないかもしれないので、長期の処方はできないことになっています。ひどい高血圧、緑内障、ひどい前立腺肥大症の場合には使えません。 ポララミンという昔ながらの抗ヒスタミン薬と、少量のステロイドが入った薬です。ステロイドが入っているので、鼻の炎症をよく抑えてくれますが、長期での処方はできません。また、眠気が出る人もいます。他の薬では焼け石に水のような状態になってしまったときに、一時的に使ったり、症状がヒドイ時だけ頓服で使ったりします。 ドラッグストアで売っているのはこのタイプです。これをシュシュっとやるとすぐに鼻づまりが改善します。即効性があってついつい手放せなくなってしまうのですが、ずっと使い続けているとだんだん効かなくなり、余計に鼻づまりがひどくなってしまいます。連用は避けたいです。使い方としては、風邪をひいて鼻づまりがヒドイ時に一時的に使うのがいいと思います。耳鼻科で主に処方するのはこちらのタイプです。ステロイドというと嫌煙されてしまうのですが、鼻だけに効いてくれてほとんど全身には吸収されないので、いわゆるステロイドの副作用はありません。即効性はないのですが、毎日使っていると1週間くらいで効果がでてきます。鼻がすでにグジュグジュな状態で使うと、点鼻をしてもすぐに鼻水と一緒にでてしまったり、点鼻が刺激でくしゃみがでてしまったりしますが、それでも毎日使い続けていると効果が出てきますので、諦めずに使ってください。そして、調子が良くなってもやめないでください(これ大事!)。調子が良い時もつけ続けると、調子が悪くなりにくくなります。季節性アレルギー性鼻炎の時はシーズン中ずっと、通年性の場合には一年中ずっと、です。飲み薬だけでは効果がイマイチな人に点鼻薬を追加するとよいですし、ステロイド点鼻薬単独でも結構効果がありますよ! アレルゲンを毎日ちょっとずつ取り込んで、体を慣らしてしまおうという治療です。スギ用(シダキュア)、ダニ用(ミティキュア)があります。1日1回、舌の下に薬を置いて、1分経ったら飲み込みます。毎日、5年を目安に続けます。これをやるにはアレルギー検査をして、スギやダニにアレルギーがあることを確認しなければいけません。(シダキュアはスギ以外、ミティキュアはダニ以外には一切効果がありません。)ひどい副作用の報告はありませんが、初めて薬を飲むときは、念のため飲んだ後30分間院内にいていただきます。下鼻甲介の粘膜を焼く治療です。鼻づまりが改善し、くしゃみ鼻水も出にくくなります。効果はだいたい1年くらい持ちますが、個人差があります。やる前には麻酔のついた細いガーゼを鼻にいれて、鼻の粘膜を麻酔してからやります。(注射の麻酔ではありません。)しっかり麻酔を効かせてやれば、そんなに痛くはない治療です。家に帰った後は少し痛むことがありますが、痛み止めを処方しますので大丈夫です。やった後1週間程度は下鼻甲介にかさぶたがついて、一時的に鼻づまりが酷くなることがあります。1週間後に外来に来てもらって、カサブタのお掃除をします。 トリクロール酢酸による焼灼術 現在、当院でも施行しています高周波治療レーザー治療(今後導入予定) 鼻がグジュグジュになってから治療を開始しても「焼け石に水」、なかなか効果がでません。昨年あまり効果がなかった場合、薬が効かなかったと決めつけず、次は早めに治療を始めてみましょう。1月中旬から2月上旬に治療を始めるのがオススメです。症状が出たときだけ飲んで、症状がおさまるのであれば、毎日飲む必要はありません。症状がイマイチおさまらないなら毎日飲んでください。花粉症に対しては、1月下旬から4月上旬まで毎日飲んでいた方が、コントロールはいいかと思います。ヒノキもある人は、GW明けまでです。 症状がでてからだと薬が効きにくいです。外出する予定がわかっているのなら、その前日(あるいは2~3日前)から薬を飲みましょう。 やめてみて、症状がまだ出るようならもうちょっと続ける、といった感じです。通年性のアレルギー性鼻炎の方は、アレルギーの薬を飲んだからといってアレルギーの体質が治るわけではありません。薬をやめたらまた症状がぶり返しますので、飲み続けなければいけません。ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の場合には、舌下免疫治療(別途参照)があります。夏以外は、薬をずっと飲んでいた方が調子がいい人も多いかと思います。季節の変わり目、温度変化があるときは症状が出やすく、よく秋の花粉症かと思って来院される方の多くは、ダニアレルギーがひどくなっている症状が多いです。