の最高血漿中濃度を示した後、漸減した2)。 16.1.2 連続塗布時
緩和ケアにおいて、鎮痛薬の効果が乏しい疼痛や呼吸困難、悪心・嘔吐、倦怠感、食欲低下、腫瘍熱等による苦痛がある場合、ステロイドの投与を検討する。ステロイドは、腫瘍周辺の炎症や浮腫を減少することにより、腫瘍による圧迫や浸潤を緩和し、局所症状を改善する効果が期待できる。また、局所におけるサイトカインの産生を抑制し、がん悪液質症候群に伴う全身倦怠感や食欲不振を改善する。
(使用薬剤)浮腫の原因となるミネラルコルチコイド作用が少なく、作用時間が長いデキサメタゾン
やベタメタゾンが推奨される(表)。効果がない場合、または、せん妄などの強い副作用が出た場
合は、中止や減量を考慮する(3週間以上使用している場合は、原則、漸減しながら中止する)。
Title, デキサメタゾンの間欠的漸減投与とパクリタキセルへの変更後にニューモシスチス肺炎が疑われた1例
1日0.5~2mgから開始し、開始後3~7日目に効果を判定する。
(効果がある場合)
・ 副作用に注意しながら継続する。
・ 効果を維持できる最小量まで漸減する。減量の際は、3~7日毎に0.5~1mg
ずつ1日用量を漸減する。
(効果がない場合)
・ 中止する。
・ 副作用に注意しながら効果が出るまで漸増する。増量の際は、3~7日毎に
0.5~1mgずつ1日用量を漸増する。1日4mg程度を継続使用用量の上限の
目安とする。
➢ デキサメタゾン・ベタメタゾン:4~8mg点滴。以降4~8mgを6時間おきに点滴
症候性慢性硬膜下血腫の成人患者において、デキサメタゾンによる治療はプラセボと比較して、6ヵ月後の良好なアウトカムには結び付かず有害事象も多かった。ただし、被験者のほとんどが入院中に血腫除去術を受けており、再手術に関する評価についてはデキサメタゾン群で少ないことが示された。英国・ケンブリッジ大学のPeter J. Hutchinson氏らが、英国の23施設で実施した無作為化試験「Dexamethasone for Adult Patients with a Symptomatic Chronic Subdural Haematoma trial:Dex-CSDH試験」の結果を報告した。慢性硬膜下血腫は、とくに高齢者に多い神経疾患・障害である。慢性硬膜下血腫患者のアウトカムに対するデキサメタゾンの有効性は、これまで十分な検討がなされていなかった。NEJM誌オンライン版2020年12月16日号掲載の報告。
研究グループは、18歳以上の慢性硬膜下血腫患者を、デキサメタゾン群またはプラセボ群のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付け、2週間経口投与した。デキサメタゾン群では、1~3日目に8mg、4~6日目に6mg、7~9日目に4mg、10~12日目に2mgをそれぞれ1日2回、13~14日目に2mgを1日1回経口投与し、経口投与ができない場合は経鼻胃管内投与した。
外科的血腫除去術は、主治医の判断により実施された。
主要評価項目は無作為化後6ヵ月時の修正Rankinスケール(mRS)スコア(0~6、0:症状なし、6:死亡)で、0~3をアウトカム良好と定義し、修正intention-to-treat解析を行った。
2015年8月~2019年11月の期間に、748例が無作為化され治療を開始した(デキサメタゾン群375例、プラセボ群373例)。患者の平均年齢は74歳で、94%が入院中に血腫除去術を受けた。入院時のmRSスコアが1~3の患者の割合は、両群とも60%であった。
同意撤回または追跡調査から脱落した患者を除外した修正intention-to-treat解析の結果、解析対象680例において、mRSスコア0~3のアウトカム良好の患者の割合は、デキサメタゾン群83.9%(286/341例)、プラセボ群90.3%(306/339例)であった(群間差:-6.4ポイント、95%信頼区間[CI]:-11.4~-1.4、p=0.01)。データが入手できた患者において、血腫再発に対する再手術は、デキサメタゾン群で349例中6例(1.7%)、プラセボ群で350例中25例(7.1%)に実施された。有害事象は、デキサメタゾン群のほうがプラセボ群と比較してより多く発生した(10.9% vs.3.2%、オッズ比:3.4、95%CI:1.81~6.85)。
なお、著者は、ほとんどの患者が入院中に血腫除去術を受けていること、6ヵ月時点での追跡調査脱落率は9%であること、デキサメタゾンの副作用の特性、また患者や医療者が割り付けを認識していた可能性があることなどを研究の限界として挙げている。
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譫妄などの離脱徴候を生じうるため,1~2 週間ごとに投与量を1/2~1/4 量減らすなどの緩徐な漸減を行う. ..
PubMedで検索した文献をクラウドに保存するサービス。保存した文献にはPC、スマートフォン、タブレットからでもアクセス可能。
倦怠感、食思不振の原因となっている病態を除外してください。
・貧血
・感染症
・高カルシウム血症
・低ナトリウム血症
・黄疸・肝障害
・口腔内カンジダ症・口内炎(口腔チームに依頼してください)
・脳転移など
が見逃されやすいが治療しうる病態です。
味覚障害があれば、ビタミンB群、亜鉛補給も行ってください。
化学療法のdelayed emasisが疑われる場合は、標準的な制吐対策をしてください。
対症療法としては以下のものがあります。
2) デキサメタゾン10mg 未満(又は同等品)の静脈内投与への漸減に際しては、減量を行うごとに、連続する3回のパチシラン
60%以上の患者で有意な食欲増加作用がありますが、効果はで2~6週間しか持続しません。
1カ月以上の投与になる場合、消化性潰瘍、血糖異常、ムーンフェイス、精神症状(不眠、せん妄、抑うつ)、カンジダ性口内炎、結核などのステロイドによる合併症を生じるリスクは上がるので、利益が不利益を上回ると評価される場合、選択できる方法と考えられます。
2013年に、倦怠感を主要評価項目としたステロイドの比較試験の結果が発表されました。
進行がん患者84名に対して、デキサメタゾン8mgとプラセボを14日間内服する比較試験が行われ、デキサメタゾン群では15日目の倦怠感の尺度が有意に改善しました。
ある程度の量,つまり通常の病態であったら 4~8mg/日から開始し(脊髄
これらの複雑な病態に対し、単純化した治療方針を語ることは難しいですが、COVID-19重症化に合わせてレムデシビル+バリシチニブ+ヘパリンCaは開始されていることを前提として、ステロイドは重症例ではデキサメタゾン6mg経口やデキサメタゾン6.6 mg静注では力不足なので、本エキスパートオピニオンメンバーの中で出た意見としてはメチルプレドニゾロン(mPSL) 40mg 一日2回×7日間ののちに発症14日を超えるまで時間をかけてmPSLを漸減中止(最後は2~3日おきに半量に減らして長引かせず終了)する方法から、最重症例では最大でmPSL 500mg 一日2回×3日間のパルス療法後にmPSL 1mg/kg/dayで合計4~7日間投与し、その後は半量として1週間、さらに4-5日おきに10mgずつ減量し中止とする投与法が提案されました。
麻痺や脳転移等の緊急対応が必要な場合は 12~16mg/日から開始すること
この過程で本質問でいう広範な肺の器質化、線維化が制御できず酸素化が再増悪する症例は、ステロイド再増量(mPSL 40mg 一日2回くらいまでの増量でしのげる症例が多い一方で、重症例や治療抵抗する場合にはステロイドパルス療法をこのタイミングで入れることもいといません)で回復する症例が多い印象があります。しかし、ステロイド増量にあまり反応せず広範囲な器質化・線維化を残して含気が減少したまま病状が固定化する症例も一定数存在します。前者はおそらく重症器質化肺炎でステロイドによく反応する病態が主だったと推定できます。一方で後者は約3~4週で器質化・線維化が固定化して慢性呼吸不全を残し、DADの終末像としての器質化期・線維化期をみている可能性が推定されます。これらの症例では、KL-6が上昇している症例が多い印象で、ステロイドへの反応は必ずしも良好ではないので1か月前後で一旦は深追いしないでステロイドを終了しています。
初回投与後は,『Oxford Textbook of Palliative Medicine』4) を参
Implication
慢性硬膜下血腫患者を対象としたこの試験では、ほとんどの患者が入院時に外科的除去術を受けており、デキサメタゾンの保存的加療に対する効果判定をするにはサンプル数が少なく不十分である。副次的評価項目に関しては、デキサメタゾンを投与された患者では、硬膜下血腫の再発に対する再手術の実施が少なかった一方で、デキサメタゾンはプラセボよりも多くの有害事象と関連していた。
本試験において、二重盲検化ランダム化プラセボ投与群との比較試験であり、内的妥当性は高く、多施設研究であるため外的妥当性も高い。その一方で2203人中1453人が対象外となっている点、英国1国の試験という点では外的妥当性に疑問が残る。
以上から主要評価項目である6ヶ月後の良好な転帰に結びつかず、有害事象も多い結果を踏まえると血腫除去術後の再発予防のためのデキサメタゾンの使用は控えるべきである。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 4 1
COVID-19に対するステロイド療法は、2020年7月にオンライン上で公表されたRECOVERY試験の結果に基づいて推奨されているのが現状です(N Engl J Med. 2021 Feb 25;384(8):693-704.)。この試験では、デキサメサゾン6mg/dayを7-10日間投与する群と投与しない群にランダムに割り付けて28日以内の死亡を比較しています。この試験結果が発表されて以降、多くのCOVID-19に対するステロイドの効果を検証する前向き介入試験が相次いで中止になり、同年9月2日にはThe WHO Rapid Evidence Appraisal for COVID-19 Therapies (REACT) Working Groupによって、複数のランダム化比較試験(RCT)を用いたメタ・アナリシスの結果が発表され(JAMA. 2020;324(13):1330-1341.)、同時にWHOからCorticosteroids for COVID-19 Living guidanceが公開されました。その内容は、人工呼吸器使用例や酸素投与のみ使用例には、デキサメサゾン6mg/dayの7-10日間投与を推奨し、酸素投与を必要としない例には投与しないことを推奨しています。
以下、各項目に分けてお答えします。
- Dexamethasone群:従来の治療+デキサメタゾン投与
しかし、質問後半のCOVID-19罹患後数ヶ月経過しても肺の器質化、線維化が強い患者に対して、新たにステロイドを開始する意義はあるでしょうか、ということに対しては、そのタイミングでもステロイド治療によく反応して在宅酸素を中止できた症例も経験されており、その時期でのステロイド導入を完全に否定するものではありません。このような晩期器質化にステロイドが奏功する症例はフェリチンが高い傾向がありそうだ、との意見がありましたのでご参照いただければ幸いです。
デキサメタゾン6mg経口やデキサメタゾン6.6 mg静注では力不足なので、本 ..
RECOVERY試験以外に大規模なランダム化比較試験結果が示されていない現状では、デキサメサゾンがエビデンスレベルとしては高いことになります。ステロイドの種類を比較したRCTの報告は限られています。35名のデキサメサゾン8mg/dayと65名のメチルプレドニゾロン1mg/kg/dayの5日間投与を比較した試験がありますが、投与後の酸素化や炎症反応の改善に有意差がなかったことを報告しています(Ann Med Surg. 2020;60:413-416.)。
【論文】Villar J, Ferrando C, Martínez D, et al
COVID-19は、発症後の時間経過で悪化することが分かっています。軽症と診断される時期に早期にステロイドを投与すると、その予後を悪化させることが推測されます。通常、感染から7日間はウイルスが増殖する期間であり、この後に異常免疫、すなわちサイトカインストームによって重症化すると考えられています。そのため、ステロイドは感染7日以降に投与することが望ましいとする考え方がありますが、WHO REACT Working Groupによるサブ解析ではその有意差は見られなかったとされています。現状では、少なくとも酸素投与を必要としない症例には投与すべきでなく、人工呼吸器や酸素投与が必要となった症例では、感染7日目以内であっても投与を検討することが妥当と考えられます。悪化の速度は一律ではないため、慎重に経過を観察しながら投与のタイミングを逃さないようにすることが肝要です。
[PDF] COVID-19 の薬物治療ガイドライン version 5 1
既述のようにRECOVERY試験のデザインに準じて、デキサメサゾンの6mg/dayが最もエビデンスレベルが高いことになります。酸素を必要とするCOVID-19患者に対して、メチルプレドニゾロン125mgの3日間投与を行った群と行わなかった群に、ランダムに割り付けた試験が報告されています(Eur Respir J. 2020;56(6).)。サンプル数は各群34名と限られていますが、死亡率はメチルプレドニゾロン群が5.9%に対し、プラセボ群が42.9%と比較的大きな有意差が示されています。
医療用医薬品 : メサデルム (メサデルムクリーム0.1% 他)
エビデンスレベルに準じると、デキサメサゾンの6mg/dayを選択することになりますが、上記の高用量のメチルプレドニゾロンを用いた試験を考慮すると、デキサメサゾン6mgではステロイドの力価として不足する症例の存在を考えます。病態に応じて、ステロイドの増量またはパルス療法を検討します。ステロイドパルス療法を行った後の後療法については、病勢をみながら漸減することを考慮します。
セレスタミン®は、正式名は「セレスタミン®配合錠」であり、副腎皮質ホルモン(ステロイド)と抗ヒスタミン薬とが一緒になった配合剤です。
RECOVERY試験のデザインに準じて7-10日間が最もエビデンスレベルが高いのが現状です。WHO REACT Working GroupによるRCT7報のメタ・アナリシスでは、投与期間は5-14日間としている試験を紹介しています。