デパスは催眠作用と抗不安作用のどちらでも効果が実感できるため、両方の目的で使われています。
確かに、長期間服用を続けることで、記憶力や判断力が一時的に低下することはあります。睡眠薬をやめれば回復することが多いですが、機能によっては回復に時間を要することもあります。また、数年から十数年といった長期の服用を続けると、睡眠薬を服用していない人と比べて認知症リスクが1.5~3倍ほど上がる可能性があるといった報告もあります。
[PDF] 睡眠薬や抗不安薬を飲んでいる方に ご注意いただきたいこと
アルコールとデパスは、どちらも中枢神経を抑制する作用があります。併用することにより、脳の機能を落としすぎてしまいます。
バルビツール酸系と比較すると格段に安全性が高いため、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬が登場するまでは不眠の際に使用される睡眠薬の中では、第1選択薬として使用されていました。もちろん現在もよく使用されています。
不安で寝付けない場合は、抗不安効果のあるベンゾジアゼピン受容体作動薬(商品名:デパス)が有効な場合があります。 ..
眠れないからと言って、お酒とデパスを寝る前に摂取すると、翌朝の倦怠感、残存する眠気、ふらつき、転倒の危険が高くなります。さらに、デパスとアルコールの両者への依存性が形成されてしまいます。
2.記憶障害:服薬してから寝付くまでの出来事、睡眠中に起こされた際の出来事などを忘れていることがあります。基本的には睡眠薬の量が多ければ多いほど起きやすくなり、また催眠作用が強く、作用時間の短いものを多く使用することで起こりやすいと言われています。アルコールと併用すると特に出現しやすいので睡眠薬服用中は飲酒は控えるのが望ましいと言えます。
デパス錠0.5mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
を起こしている人は、デパスを服用すると眼圧が上がるので、病状が悪化します。そして、のある人は、薬の筋弛緩作用のため筋力の低下が助長されるので危険です。したがって、これらの病気を持っている人々に対しては、禁忌となっています。
18.1作用機序
視床下部及び大脳辺縁系、特に扁桃核のベンゾジアゼピン受容体に作用し、不安・緊張などの情動異常を改善する。18.2ヒトでの作用
18.2.1抗不安作用健康成人男性での定量薬理脳波学的検討の結果、強力な鎮静・催眠‐抗不安作用を示す。
18.2.2鎮静・催眠作用健康成人男性での終夜睡眠脳波では、全睡眠時間を有意に延長させたが、徐波睡眠には影響を及ぼさなかった。また、REM睡眠を抑制したが、REM反跳現象は認められなかった。
18.3動物での作用18.3.1抗不安作用
(1)臨床上抗不安作用との相関が高いといわれる抗ペンチレンテトラゾール作用(マウス)、及び視床下部刺激による指向性攻撃反応の抑制作用(ネコ)が、ジアゼパムの5~6倍強力である。(2)マウス、ラットにおけるinvivoの実験で、ストレス負荷による脳内アミン(ドパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)の代謝回転の亢進を強く抑制する。
(3)ラットにおけるinvitroの実験で、脳内ベンゾジアゼピン受容体に対して高い親和性を示す。18.3.2鎮静・催眠作用
(1)家兎の自発脳波では、ジアゼパムの1/4量(0.16mg/kg)から著明な徐波化を示す。(2)マウスにおける正向反射の実験で、クロルプロチキセン、ハロペリドール、レボメプロマジンなどの抗精神病薬と併用することにより睡眠増強作用を示す。
18.3.3筋緊張緩解作用ラットにおける実験で、ジアゼパムと異なり、γ‐固縮(Sherrington型去脳)のみでなく、α‐固縮(Pollock‐Davis型虚血性去脳)に対しても強い筋緊張緩解作用を示す。
18.3.4抗うつ作用ラットにおけるinvivoの実験で、三環系抗うつ剤イミプラミンと同様に脳内ノルアドレナリンの再取込みを抑制する。
18.3.5心身安定化作用(1)イヌにおける実験で、Gallamine不動化による動揺性の高血圧及び頻脈を持続的に抑制する。
(2)ラットにおける実験で、水浸拘束による潰瘍の形成を有意に抑制する。
田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、社長:土屋 裕弘)は、精神安定剤「デパス ..
(禁忌)
2.1.急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。2.2.重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により、症状を悪化させるおそれがある]。
(重要な基本的注意)8.1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.2.連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避ける(本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討する)〔11.1.1参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.心障害のある患者:血圧低下があらわれるおそれがあり、症状の悪化につながるおそれがある。
9.1.2.脳器質的障害のある患者:作用が強くあらわれるおそれがある。9.1.3.衰弱患者:作用が強くあらわれるおそれがある。
9.1.4.中等度呼吸障害又は重篤な呼吸障害(呼吸不全)のある患者:呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすことがある〔11.1.2参照〕。(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:作用が強くあらわれるおそれがある。(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:作用が強くあらわれるおそれがある。(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。9.5.1.動物実験により催奇形作用が報告されており、また、妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
9.5.2.ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある(また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸増強を起こすことが報告されている)。なお、妊娠後期に本剤を連用していた患者から出生した新生児に血清CK上昇があらわれることがある。9.5.3.分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
(授乳婦)授乳を避けさせること(ヒト母乳中へ移行し、哺乳中の児に体重増加不良があらわれることがあり、また、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で哺乳中の児に嗜眠、体重減少等を起こすことが報告されており、また黄疸増強する可能性がある)。
(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)少量から投与を開始するなど慎重に投与すること(運動失調等の副作用が発現しやすい)。
(相互作用)本剤は、肝代謝酵素CYP2C9及びCYP3A4で代謝される〔16.4.3参照〕。
10.2.併用注意:1).中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)[眠気、血圧低下、運動失調、意識障害などを起こすおそれがある(中枢神経抑制剤との併用で相加的な増強作用が考えられる)]。
2).MAO阻害剤[過鎮静、昏睡、痙攣発作、興奮などを起こすおそれがある(MAO阻害剤が本剤の肝での代謝を抑制し、半減期を延長し、血中濃度を上昇させるため作用が増強されることが考えられる)]。3).フルボキサミンマレイン酸塩[本剤の用量を減量するなど、注意して投与する(フルボキサミンマレイン酸塩が本剤の肝での代謝を阻害し、血中濃度を上昇させるため本剤の作用が増強されることがある)]。
4).アルコール(飲酒)[精神機能・知覚・運動機能の低下を起こすおそれがある(エタノールと本剤は相加的な中枢抑制作用を示すことが考えられる)]。(過量投与)
13.1.症状過量投与時、運動失調、低血圧、呼吸抑制、意識障害などがあらわれることがある。
13.2.処置本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。なお、投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニルを投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、鎮静・抗痙攣作用が遅延するおそれがある。
(取扱い上の注意)外箱又は容器開封後は遮光保存すること。
(保険給付上の注意)本剤は厚生労働省告示第365号(平成28年10月13日付)に基づき、1回30日分を限度として投薬する。
(保管上の注意)室温保存。