抗菌薬のクラリシッド、クラリス(一般名クラリスロマイシン)の併用禁忌に「ルラシドン塩酸塩、アナモレリン塩酸塩」が追加されました。
スボレキサントは CYP3A で代謝されることから、CYP3A を強く阻害するクラリシッド錠<クラリスロマイシン>は併用禁忌である。患者は、びまん性汎細気管支炎治療のためクラリスロマイシンを服用中であり、中止をすることができないことから、スボレキサントを他の眠剤へ変更することを医師に提案する。
□スボレキサント(睡眠薬)とクラリスロマイシン(抗菌薬) ..
「ベルソムラを処方された患者さんですが、呼吸器科からびまん性汎細気管支炎治療のためクラリシッドを服用中です。クラリシッドはベルソムラの肝代謝を強く阻害しますので、ベルソムラとクラリシッドは併用禁忌となっています。ベルソムラを御変更頂けないでしょうか?なお、他のベンゾジアゼピン系睡眠薬の多くはCYP3A4 で代謝されますので、少なからずクラリスロマイシンの影響を受けると予測されます。CYPを介さない睡眠薬としては、ロラメット(エバミール)<ロルメタゼパム>があります。」と疑義照会したところ、以下に処方変更となった。
(2) CYP3A を強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、サキナビルネルフィナビル、インジナビル、テラプレビル、ボリコナゾール)を投与中の患者
外国人健康成人を対象とした本剤(4 mg 単回)とスボレキサントの代謝酵素である CYP3A を強く阻害するケトコナゾール(400 mg 1 日 1 回経口反復、経口薬本邦未発売)との薬物相互作用成績でスボレキサントの最高血漿中濃度(Cmax)の上昇はわずかであったものの(23% 上昇)、濃度‐時間曲線下面積(AUC)は顕著に上昇した(179% 上昇)。本剤の作用を著しく増強させるおそれがあるため、設定した。本剤と CYP3A を強く阻害する薬剤を併用しないこと。
(ベルソムラ錠 IF より)
禁忌、相互作用(併用禁忌/併用注意):併用禁忌/併用注意とすべき薬剤の追加 ..
1929年にフレミングが青カビから発見したペニシリンは1940年代にベンジルペニシリンとして患者さんに使われました。歯科ではアモキシシリン水和物(商品名:サワシリン錠 250mg他)バカンピシリン塩酸塩(商品名:ペングッド)などが処方されることが多いです。ペニシリンは禁忌及び薬剤の相互作用は少ない薬剤です。
(1) アルコール(飲酒)
外国人健康成人 30 例に本剤(40 mg 単回)とアルコール(0.70 g/kg 単回)を併用した薬物相互作用試験では、精神運動機能の相加的な低下がみられた。本剤を服用時に飲酒は避けるようにすること。
のほか,クラリスロマイシンは,ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤トリアゾラム(ハル ..
薬剤の飲み合わせとしては、低用量経口避妊薬(ピル)と抗凝固薬のワーファリンに対する影響が挙げられますがいずれも影響は少ないので禁忌事項ではありません。
経口避妊薬(ピル)の血中濃度を低下させることがあります。ペニシリン内服中では、ペニシリンが腸内細菌にも作用し、細菌叢(さいきんそう:腸内に存在している細菌)を変化させ卵黄ホルモンの腸管からの再吸収を抑制するために、卵黄ホルモンの血中濃度の低下があるため、ペニシリン服薬中の低用量経口避妊薬(ピル)の避妊は失敗する可能性があります。他の避妊方法を併用することが必要かも知れません。
クラリス,クラリシッドとは?クラリスロマイシンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版)
(2) 中枢神経抑制剤
本剤は中枢神経系に対する抑制作用を有するため、中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)と併用した際、相互に作用を増強させるおそれがあるため、設定した。本剤と中枢神経抑制剤を併用する場合には、注意すること。
抗菌剤は腸内細菌叢に影響を与え腸内のビタミンKを産生する腸内細菌を減らすために、ビタミンKが少なくなり、相対的に抗凝固薬のワーファリン®の血中濃度の上昇が報告されています。著明な影響は少ないので併用することは多いです。
用禁忌」とされていることから,整合をとるため,本剤においても「ロミタピドメシル酸塩」,「チカグ
(3) CYP3A を阻害する薬剤
CYP3A を阻害する薬剤(ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾール等)との併用により、スボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠、疲労、入眠時麻痺、睡眠時随伴症、夢遊症等の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合は 1 日 1 回10 mg への減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
は様々な薬剤と相互作用を起こす可能性がある。このような薬剤が処方された際に
1948年にイタリアの土壌より発見され、ペニシリンと類似の構造を持ちます。歯科ではセファクロル(商品名:ケフラール他)、セフジニル(セフゾン他)、セフロキシムアキセチル(商品名:オラセフ)、セフカペンピボキシル塩酸塩水和物(商品名:フロモックス他)、セフジトレンピボキシル(商品名:メイアクトMS他)、セフテラムピボキシル(商品名:トミロン他)などが処方されることが多いです。セフェムは禁忌・薬剤の相互作用は少ない薬剤です。
[PDF] クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」 を服用される患者さんへ
薬剤により経口避妊薬(ピル)の血中濃度を低下及び抗凝固薬のワーファリン®の血中濃度の上昇が報告されています(ペニシリンの項参照)。
「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」(平成 29 年6月8日付け薬生発 0608
(4) CYP3A を強く誘導する薬剤
外国人健康成人を対象とした 本剤(40 mg 単回)とリファンピシン(600 mg 1 日 1 回反復)を併用した薬物相互作用試験では、スボレキサントの血漿中濃度が低下(Cmax は 64 %、AUC は 88 % 低下)したため、設定した。本剤と強力な CYP3A 誘導剤を併用する場合には、注意すること。
*クラリスロマイシン錠 50mg 小児用「マイラン」では、「3.相互作用」は「2 ..
セフジニル(セフゾン他)は、増血薬の鉄剤(商品名:フェロミア他)及びアルミニウム含有の胃薬(商品名:マーロックス他)との併用によりセフジニルの血中濃度が低下し、セフジニルの効果の減弱が予想されます。鉄剤などを服薬している方は、セフジニル服薬後3時間程度空けて鉄剤を服薬してください。
ランソプラゾール・アモキシシリン・クラリスロマイシン[ランサップ].
フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。
Cmax がそれぞれ 6.42 倍及び 2.76 倍1)程度上昇するとの報告等を踏まえ、クラリスロマイシンの添付文書
マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。
抗生物質の中には免疫抑制剤の血中濃度に影響を与えるものがあります。 ..
全てのキノロン系は、増血薬の鉄剤(商品名:フェロミア他)及びアルミニウム含有の胃薬(商品名:マーロックス他)との併用によりキノロン系薬の血中濃度が低下し、キノロン系薬の効果の減弱が予想されます。
痛み止めとの併用により痙攣などの症状がみられることがあります。
痙攣などの症状が強く出る薬剤の組み合わせ(ロメフロキサシン塩酸塩とフルルビプロフェン(商品名:フロベン))は併用禁忌です。
エンシトレルビル(ゾコーバ)を「禁忌」及び「併用禁忌」に追記しました。 ..
ミノマイシン塩酸塩(商品名:ミノマイシン他)が経口薬として使用されている。歯科では歯周病治療薬として歯科用軟膏が多く使われています。
本剤は、肝代謝酵素チトクロームP450(CYP)3A4阻害作用を有すること
(8) 経口避妊薬
外国人健康成人に、本剤(40 mg 1 日 1 回反復)とエチニルエストラジオール(0.035 mg 単回)及びノルエルゲストロミン(0.25 mg ノルゲスチメート単回)を併用した薬物相互作用試験では、薬物動態には影響を及ぼさなかった。
(ベルソムラ錠 IF より)
クラリスロマイシン錠200mg「日医工」の基本情報(作用 ..
実は私が以前、クラリスの併用禁忌を見逃してスルーした経験がありますので自戒もこめて、クラリスロマイシンと併用できない薬剤をまとめてみました。
薬物相互作用検索ツール | ゾコーバ | 塩野義製薬 医療関係者向け情報
クラリスロマイシンと併用することによって、CYP3A4阻害作用によりベルソムラ(スボレキサント)の代謝が阻害されベルソムラ(スボレキサント)の作用が著しく増強するとされています。
クラリスロマイシン・エリスロマイシン・フルコナゾール; 抗不整脈薬:ベラパミル
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬からベルソムラに切り替わるケースもあるかと思いますので、その際はクラリスロマイシンの併用がないか要チェックです。
※全ての治療薬や予防接種、既往歴を網羅しているわけではありませんので、ご了承ください。 当日の体調不良、服薬中、発熱等の方
日本歯科薬物療法学会理事長
東海大学医学部外科学系口腔外科 教授
金子明寛