副腎皮質で産生・分泌されるホルモンには,①グルココルチコイド(糖質


・副腎不全(ステロイド離脱症候群)
ステロイドホルモンは、1日にプレドニン換算で2.5〜5mg程度が副腎皮質から分泌されています。
しかし、それ以上の量を長期に使用した場合、本来分泌するはずのステロイドホルモンが分泌されなくなってしまいます。
そのため、急に服用を中止すると体の中のステロイドホルモンが不足してしまい、倦怠感、吐き気、頭痛等の症状が見られることがありますので、自己中断しないことが大切です。
副腎不全になると内因性ホルモンであるヒドロコルチゾン(コートリル®️)を服用して体内のステロイドを補います。


D00975 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム (JAN)

糖質コルチコイド(Glucocorticoid、グルココルチコイド)の薬は炎症や自己免疫疾患を治療するため広く処方されており、最近ではCOVID-19(SARSコロナウイルス2型感染症)の重症患者の治療にも用いられている。COVID-19は、発熱や息切れなどの症状から、多臓器不全などの重い合併症への急速に進行する。重症患者は「サイトカインストーム」(cytokine storm)を経験するが、このときにはもはやコロナウイルスに対する炎症反応を抑えることはできず、サイトカイン(炎症の分子メッセンジャー)の異常な産生がさらなる合併症を引き起こしてしまう。臨床試験では、糖質コルチコイド受容体に結合する強力な抗炎症薬であるデキサメタゾン(dexamethasone)を低用量で投与することにより、COVID-19入院患者の死亡率が低下したことが示されている。

・消化性潰瘍[1、2ヶ月〜]
胃酸の分泌を亢進させ、消化器に潰瘍ができたり以前あった潰瘍が再発したりすることがあります。
暴飲暴食を避け、喫煙をしないことが大切です。

もミネラルコルチコイド作用の弱いデキサメタゾンに変更するのも良いかもしれません」

・高血圧[1、2ヶ月〜]
血管平滑筋に作用し降圧系を抑制したり、鉱質コルチコイド作用により腎尿細管でのナトリウム再吸収を促進させ、徐々に血圧を上昇させます。
ステロイドの減量で元に戻ることが多いですが、高血圧が続く場合には降圧薬の服用が必要です。

やはり、多くの患者さんが気にされるのは副作用ですね。
ステロイドの副作用は、服用量や服用期間によって異なります。
前項で臨床効果が期待されるのは糖質コルチコイド作用で、副作用が問題になるのは鉱質コルチコイド作用であるとお話ししました。
しかし、一方で糖質コルチコイド作用も高用量長期使用の際には糖、蛋白、脂質代謝への作用が副作用として現れる事があります。
次に、起こり得る副作用とその対策を紹介します。
一般的に言われている副作用発現時期をそれぞれ[]で記します。

糖質コルチコイドとミネラルコルチコイドは、反するものではなく、

糖質コルチコイドは、(estrogen receptor)とともに核内受容体の仲間(ファミリー)に属している。これはリガンド結合ドメイン(ligand-binding domain)、DNA結合ドメイン(DNA-binding domain)、トランス活性化ドメイン(transactivation domain)という3つの部分で構成されている。ヒトの場合、この受容体のリガンドとして最もよくあるのがストレスホルモンの一つコルチゾール(cortisol)である。受容体がコルチゾールに結合すると、受容体の構造が変化し細胞質から核へと移動する。核内では、標的DNA配列に結合し遺伝子発現に影響を与えることができる。糖質コルチコイド受容体は活性化補助因子(coactivator)とも相互作用し、遺伝子発現のしくみをさらに調整することができる。受容体は柔軟なリンカーでつながれたいくつかのドメインで構成されているので、ドメインの構造は別々に決定された。デキサメタゾンに結合したリガンド結合ドメインの構造はPDBエントリー、DNAに結合したDNA結合ドメインの構造はPDBエントリーのものを示す。トランス活性化ドメインはここに示していない。これらのドメインがすべて一緒になり、コルチゾールの結合によって引き起こされる最初のメッセージが伝達される。

膠原病では、用量の微調節が可能であるため、主に生物学的半減期が12~36時間の中間型のプレドニン®やメドロール®が最も広く使用されています。
メドロール®は鉱質コルチコイド作用(電解質への作用)がほとんどなく長期投与が必要な場合に多く使われています。
長時間型のデカドロン®やリンデロン®はステロイドの中でも作用が強力で髄液などへの移行性がよく細菌性髄膜炎にも使用されます。

⿠ステロイド:一般的にはミネラルコルチコイド作用の少ない,デキサメタゾンを.

このように、コートリル®20mgとプレドニン®5mgが同等の糖質コルチコイド作用を示すので、1錠あたりの量が少ないから効果が弱いというわけではありません。

ステロイド内服薬は多数ありますが、主な違いは効果持続時間です。
また各薬物によって糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の強さが異なります。
臨床で期待される抗炎症、免疫抑制などの効果は糖質コルチコイド作用の強さに依存しています。
鉱質コルチコイド作用はナトリウムの再吸収亢進とカリウムの排泄亢進があり、高血圧や電解質異常等の副作用として現れることがあります。
下の表に、当院採用薬の生物学的半減期、糖質コルチコイド作用の等価用量、糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の効力比(ヒドロコルチゾンを1とした場合)をまとめました。
等価用量とは、同等の効果を発現させるのに必要な用量(mg)のことです。


[PDF] DIニュース2020年12月2号 当院採用の副腎皮質ステロイド注射薬一覧

鉱質コルチコイド製剤としては、副腎皮質過形成症や副腎皮質機能不全を適応症とする「フロリネフ」(フルドロコルチゾン酢酸エステル、サンドファーマ/サンド)がある。

[PDF] 膠原病疾患における副腎皮質ステロイド薬の最近の考え方

糖質コルチコイド製剤の適応症は副腎不全や関節リウマチ、膠原病、悪性腫瘍、皮膚疾患、重症感染症など。2020年7月には、糖質コルチコイドを重症COVID-19患者に使うことが厚生労働省によって認定された。認定されたのは、コルチゾールをより強力化した、合成ステロイドのデキサメタゾンを使った医薬品。デカドロン(日医工)、デキサート(富士製薬工業)が使われている。肺障害や多臓器不全につながる全身性炎症に対して、予防あるいは抑制効果を見込んだもので、英国での臨床試験を基にした決定だ。

浮腫や心不全を呈する場合にはミネラルコルチコイド作用のないメチルプレドニゾロンが、中枢神経症

他のステロイドホルモン同様、副腎皮質ステロイドは細胞膜を通過し、細胞内にある転写因子型の受容体に結合して働く。特に糖質コルチコイドは、糖代謝、蛋白質代謝、脂質代謝、電解質代謝、血液成分の調整、神経系や循環器系、消化器系、内分泌系の制御、免疫・炎症抑制など多数の生理作用を持つ。そのため臨床で使われている製剤も20以上と数多くある。浸透性が高いため、投与方法も経口、静脈注射、経皮など多岐に渡る。

グルココルチコイドの種類による違いはミネラルコルチコイド作用(塩分 ..

薬であるデキサメタゾンの構造は天然のコルチゾールの構造と非常によく似ている。このことにより、デキサメタゾンは糖質コルチコイド受容体にぴったりと結合し、同じように体内の炎症を解消する遺伝子発現の変化を引き起こす。この活性のため、デキサメタゾンはCOVID-19の治療において特に効果的である。なぜなら、コロナウイルスによる損傷はウイルス自体によるものだけではなく、制御できない炎症によるものでもあるからである。ところが、デキサメタゾンの抗炎症効果は、使い方や時期を誤ると害をおよぼしかねない。COVID-19の初期段階において、身体はウイルスを撃退するために免疫系を動員する必要があるので、初期の重症ではない患者にデキサメタゾンを使うと、うかつにも患者の状態を悪化させてしまうかもしれない。

プロゲステロン受容体及びミネラルコルチコイド受容体に対して高い結合親和性を示した。 ..

糖質コルチコイド、鉱質コルチコイドともに、コレステロールを出発点とする生合成経路で作られ、こうした経路でできるホルモンはステロイドホルモンと総称される。動物種によって生合成経路は少しずつ異なり、ホルモンの種類も変わる。例えば糖質コルチコイドとしてヒトではコルチゾールを、ヒト以外の哺乳類ではコルチコステロンを、それぞれ主に使う。

因で破壊され,グルココルチコイドとミネラルコルチコイドの両方の欠乏症を示すことを特徴とする。 ア

副腎で産生されるステロイドホルモンの総称。大別すると糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドに分けられ、具体的な分子種は生物種によって変わる。ヒトでは主に、糖質コルチコイドとしてコルチゾール、鉱質コルチコイドとしてアルドステロンを産生する。特に糖質コルチコイドは医薬品として使われるケースが多い。2020年には糖質コルチコイド製剤のデキサメタゾンが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として認められた。

ACTH過剰分泌を抑制し、ミネラルコルチコイド、副腎アンドロゲンの過剰を抑制することを目

合成ステロイドは、生理的な副腎皮質ホルモンのコルチゾール(図)を基に、A環に二重結合を加える、9位にフッ素または16位にメチル基の導入により、グルココルチコイド作用増強およびミネラルコルチコイド作用減弱を図っている。また、側鎖のエステル化により、グルココルチコイド作用には全く影響せずに、水溶性ならびに脂溶性製剤等の剤形変更が可能となった。合成ステロイドの作用は、力価以外に大きな違いはないが、脂溶性の程度、受容体との親和性、代謝経路等が異なるため臨床的に性質が若干異なる。

症状や検査所見に応じて、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、性ホルモン各種の補充療法を行う。 ..

(serum albumin)は血漿の中で最も豊富に見られるタンパク質だが、デキサメタゾンも他の薬やホルモンと同様にこの血清アルブミンによって身体全体に運ばれる。ところがこのタンパク質に関する因子のため、COVID-19に関連する炎症を治療するときに安全で効果的となるようデキサメタゾンを投与するのは難しい。例えば、糖尿病の患者では、タンパク質中の重要なアミノ酸に対して糖化(glycation)の過程を経て糖分子が結合していることがよくある。こうなると薬のタンパク質への結合が妨げられことがある。イブプロフェン(ibuprofen)のような一般的鎮痛剤なども血清アルブミン上にある同じ結合部位を使い競合するので、同時に服用するとデキサメタゾンの輸送が妨げられる。さらに、肝臓病、栄養失調、高齢などのCOVID-19の危険因子に加え、ウイルス自身も患者の血清アルブミン濃度を下げることがある。この複雑な事情により、内科医が血中におけるデキサメタゾンの遊離:結合の相対比を見積もり、薬の毒性増加、副作用、薬効の低下を招く可能性について判断するのは難しくなっている。

ステロイド | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]

ACTH過剰分泌を抑制し、ミネラルコルチコイド、副腎アンドロゲンの過剰を抑制することを目的とする。ミネラルコルチコイド作用を有しないデキサメタゾンの高用量(1-3mg/日など)の補充を行う。無症状で正常血圧など症状のない場合には特に治療は行わない。一般に予後は良好と考えられるが、現時点において本症の長期予後に関する報告はない。

ACTH 過剰分泌を抑制し、ミネラルコルチコイド、副腎アンドロゲンの過剰を抑制することを目的とする。ミネラル

慢性的に高コルチゾール血症が存在するにもかかわらず、クッシング 症候群にみられる特徴的な徴候を呈さない。血漿ACTH値は正常〜高値であり、日内変動、ストレス応答性は保たれている。デキサメサゾン抑制性はみられない。ACTH過剰による副腎アンドロゲン過剰の過剰が起こり、女児では外性器形成異常、思春期早発症、ニキビ、不妊、男性型脱毛、生理不順、男児ではAdrenal rest tumor、乏精子症が生じる。また、ミネラルコルチコイド作用の過剰に基づく代謝性アルカローシス、低カリウム性高血圧や低カリウム血症、などをみる場合もある。臨床症状は、ほとんど無症状から重度の症例まで様々である。

の約 17%である。ミネラルコルチコイド作用はほとんど有していない。(参照 4、5)

グルココルチコイド受容体はホルモン依存性の転写調節因子である。 この受容体遺伝子に生じた変異のために、受容体に対するホルモン親和性の低下、熱不安定性、DNA結合能の低下、受容体数の減少など受容 体蛋白の質的、量的異常が生じ、その機能が障害されることが主因である。現在までに6家系、8孤発例で明らかにされているグルココルチコイド受容体遺伝子の変異は、点突然変異あるいは3ないし4 塩基対の短い欠失である。しかしながら、明らかな変異を見いだせない 症例も存在することから、グルココルチコイド受容体遺伝子の変異だけがこの病態の原因とすることは困難である。この受容体の作用機構にかかわるその他の因子の異常も、本症において今後明らかにされる可能性がある。

グルココルチコイドの作用不足を認める場合にはデキサメタゾンの補

デキサメタゾンが結合した構造(左、PDBエントリー)とコルチゾールが結合した構造(右、PDBエントリー)の両方についてリガンド結合ドメインの構造が得られている。これらのリガンドは構造が非常によく似ていて、糖質コルチコイド受容体の同じ窪みに結合する。リガンドは原子種ごとに色分けした球で、糖質コルチコイド受容体は緑のリボンモデルで示している。これらの構造をより詳しく見るため、図の下のボタンをクリックし対話的操作のできる図に切り替えてみて欲しい。