多発性骨髄腫に対するダラツムマブ,ボルテゾミブ,デキサメタゾン投与中 ..


多発性骨髄腫に対してMP 療法(MEL, PSL)を中心とした初回寛解導入療法で30~80%の症例に部分寛解以上の奏効が得られるが,奏効後,M 蛋白が下がり止まって安定化(最大奏効時のM 蛋白量からの増減が25%以内に留まる状態が3 カ月以上持続し,その間臓器障害の進行を認めないことをプラトーという)した症例も早晩再発・再増悪する。そこで,プラトー症例に対して治療を継続した場合と,中断して再発・再増悪時に再開した場合では,どちらが生存期間延長に寄与するかは重要である。MRC(Medical Research Council)の報告では,MP 療法およびMP+ビンクリスチン(VCR)療法により寛解導入療法を受けた268 例中,226 例がプラトーに達した。これらを治療中止群111 例と継続群115 例に無作為割り付けし生存期間を比較したが,有意差は認めなかった。また,カナダの報告では,MP 療法後にプラトーに達した185 例を治療中止群92 例と継続群93 例に無作為割り付けしたが,それぞれの生存期間中央値は51 カ月と46 カ月で有意差は認めなかった。また,アルキル化剤による治療は,二次発がん,特に急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群をきたすことがある。その発がん率はアルキル化剤の投与期間に相関するとの報告もある。これらの結果より,プラトー到達後の化学療法の継続は推奨できない。


症状のない骨髄腫(MGUS、くすぶり型骨髄腫)から多発性骨髄腫への進展率は年に

移植非適応の初発症候性骨髄腫患者に対して初回化学療法によってプラトーに到達した後も再発・再燃まで化学療法を継続すべきか

AL アミロイドーシスは,異常形質細胞より産生されるモノクローナル免疫グロブリン(M 蛋白)の軽鎖(L 鎖)に由来するアミロイド蛋白が全身諸臓器に沈着し,臓器障害をきたす疾患である, 。免疫グロブリン重鎖(H 鎖)に由来するものはAH アミロイドーシスと呼ばれるが極めて稀で,両者をあわせて免疫グロブリン性アミロイドーシスとも呼ぶ。多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症など基礎疾患を伴わない場合を原発性,基礎疾患に伴う場合を二次性AL アミロイドーシスと呼ぶ。しかし,実際には両者の鑑別困難な症例もみられ,WHO 分類(2017)では両者をまとめて原発性アミロイドーシスとしている。また,病変が複数の臓器にわたる場合を全身性,一臓器に限局する場合を限局性と呼ぶ。本疾患は稀な病気であり,2014 年に実施された全国疫学調査では,2012〜2014 年のAL アミロイドーシス推定患者数は3,200 例であった。アミロイド蛋白の沈着は心臓,腎臓,肝臓,消化管,末梢神経など多臓器にわたり,多彩な臨床症状を呈する。診断確定は病理学的所見に基づき,Congo red 染色で橙赤色に染まり,偏光顕微鏡下で緑色の複屈折を示すことが必須である。さらに抗免疫グロブリン軽鎖抗体を用いた免疫染色でアミロイドの病型を確定する。病型診断が困難な場合は,アミロイド沈着部位をレーザーマイクロダイセクションで採取し,質量解析を行う。M 蛋白の検出には血清・尿の蛋白電気泳動,免疫電気泳動が行われるが,遊離軽鎖(free light chain:FLC)の測定は感度が高く有用である。本症の予後は不良であり,無治療例での診断からの50%生存期間はおよそ13 カ月,特に心病変を有する症例は予後不良である。治療目標はアミロイド蛋白の原因となっているモノクローナルなFLC の産生を速やかに抑制し,臓器機能を温存することにある。自家末梢血幹細胞移植は臓器障害のため治療関連死亡が高いので適応を慎重に検討し,リスクに応じた前処置の減量を考慮し実施することが重要である。自家末梢血幹細胞移植の適応のない症例ではメルファラン/デキサメタゾン療法あるいは減量DEX(LD-DEX)が推奨されるが,最近ではボルテゾミブなどの多発性骨髄腫に用いられる新規薬剤の有用性が報告されている。

[PDF] 当院で多発性骨髄腫の治療としてカルフィルゾミブと ..

AL アミロイドーシスに対する自家末梢血幹細胞移植の後方視的解析では,平均OS は4.6 年,1 年以上生存かつCR 例のOS は10 年を超えている。血液学的CR は40%にみられ,それらの症例の66%に1 臓器以上の改善が得られている。本治療の有用性については,症例対照研究で標準化学療法より優れていると報告された。しかし,唯一のランダム化試験であるIFM の試験では自家移植とMEL(メルファラン)/DEX(デキサメタゾン)との比較が行われ,OS では移植群22.2 カ月,化学療法群56.9 カ月と化学療法群が有意に優れていた(p=0.04)。高リスク群ではOS に有意差はなく,低リスク群では3 年OS がそれぞれ58%,80%であった。ただし,本試験では移植の適応基準がゆるく移植群に重症例が含まれたこと,その結果移植群におけるTRM が24%と高いこと,移植群における移植実施数が少ないこと,観察期間が短いことなど試験上の問題点も指摘されており,自家移植を否定する根拠になっていない。移植適応基準を遵守し,リスクに応じた前処置MEL の減量を行うことによりTRM は5%程度に減少しており,経験豊富な施設において実施を検討すべきである, 。

孤立性形質細胞腫から多発性骨髄腫への進展をきたすと予後が不良になる。孤立性形質細胞腫258 例(骨の孤立性形質細胞腫206 例,軟部組織の孤立性形質細胞腫52 例)のうち214 例が放射線療法のみ,34 例が放射線療法と化学療法[22 例がMP 療法(MEL, PSL),7 例がVAD 療法(VCR, DXR, DEX),5 例がその他の多剤併用療法]を中央値で6 コース併用した観察で,平均観察期間が56 カ月で多発性骨髄腫への進行までの期間の中央値は21 カ月であった。10 年後の多発性骨髄腫への進展率は放射線療法単独群で64%,化学療法併用群で74%と化学療法を追加する有用性が認められていない。また,腫瘍径が4 cm 未満の場合が4 cm 以上に比べ予後良好であった。このように,孤立性形質細胞腫に対し局所放射線療法にMP 療法などの多剤併用化学療法を追加する有用性は示されていない。逆に二次性白血病などのリスクが高まることが懸念される。国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group:IMWG)の診断規準が出される以前の報告では,椎骨と腸骨のMRI の評価が行われていないため,現在試行可能なMRI やPET/CT で詳細な評価を行えば一部の症例が多発性骨髄腫と診断される可能性がある。また,これまでの報告では新規薬剤を用いた検討もない。今後,PET/CT やMRI などの画像診断にて孤立性かどうかのより厳密な診断を行った多数例で,診断時の孤立性腫瘍の大きさ,M 蛋白の存在や腸骨の骨髄穿刺での多発性骨髄腫の診断規準を満たさない単クローン性の形質細胞の存在等が多発性骨髄腫への進展へのリスク因子になるのかどうか,またこのようなリスク因子がある場合の新規薬剤を用いた補助化学療法が多発性骨髄腫への進展の抑制効果があるのかどうかなどの検討が望まれる。

デキサメタゾン、メルファランしか処方できなった時代もありましたが、再発難治性多発性骨髄腫の新薬は今でも複数あります。

局所療法として放射線療法と外科的切除が主に行われる。また,病変の部位や治療経過により化学療法も検討される。一般に放射線感受性が高い腫瘍と考えられているが,症例が少ないこともあり放射線療法の至適照射量などの十分な検討が少なく,標準治療は確立されていない。予後良好因子として,若年者および腫瘍径5 cm 未満であることが,また多発性骨髄腫への進展を示唆する因子として,診断時の腫瘍の大きさや蛋白分画でのM 蛋白の存在等が挙げられている。

軟部組織の孤立性形質細胞腫は鼻腔,副鼻腔,消化管,肺,甲状腺,眼窩,リンパ節などに発生する。80%以上が上部気道や上部消化管に分布し,上部気道では副鼻腔が多い。初発症状や臨床像は腫瘍の発生部位で異なる。軟部組織の孤立性形質細胞腫の経過は一般に緩慢で,多発性骨髄腫への進展は稀であるが,骨の孤立性形質細胞腫は多発性骨髄腫に進展しやすい。比較的最近の報告では,骨の孤立性形質細胞腫診断後5 年の全生存割合(OS),無病生存割合(DFS)はそれぞれ70%と46%であり,5 年で約半数が多発性骨髄腫へ移行していた。多発性骨髄腫へ移行した時期は診断から平均21 カ月であったとされている。いったん多発性骨髄腫へ進展するとその予後は,多発性骨髄腫の予後と同等に悪くなる。一般に多発性骨髄腫への進展が予後を決めると考えられる。また,米国で1998〜2004 年の間に診断された孤立性形質細胞腫患者1,472 例の予後を解析した報告では,若年群ほどOS,疾患特異的生存割合ともに高く,骨の孤立性形質細胞腫と軟部組織の孤立性形質細胞腫の予後を比較するとOS,疾患特異的生存割合ともに骨の孤立性形質細胞腫のほうが予後不良である。疾患特異的生存割合は,骨の孤立性形質細胞腫が50%,軟部組織の孤立性形質細胞腫が80%でプラトーになっており,両病型の間で治癒率に大きな差があることが示されている。

キーワード:多発性骨髄腫 IMiDs デキサメタゾン CRBN

国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group:IMWG)の分類では,骨または軟部組織の孤立性形質細胞腫は,①生検にてクローナルな形質細胞から成る骨あるいは軟部組織の形質細胞腫の存在,②骨髄中にクローナルな形質細胞を認めない,③孤立性形質細胞腫病変以外には骨X 線,椎体および骨盤MRI(またはCT)で異常を認めない,④臓器障害(CRAB)を認めない,の4 項目すべてを満たす疾患と定義されている。また骨または軟部組織の微小骨髄浸潤を有する孤立性形質細胞腫は,①生検にてクローナルな形質細胞から成る骨あるいは軟部組織の形質細胞腫の存在,②骨髄中のクローナルな形質細胞<10%,③孤立性形質細胞腫病変以外には骨X 線,椎体および骨盤MRI(またはCT)で異常を認めない,の4 項目すべてを満たす疾患である。

移植適応のないAL アミロイドーシスに対する標準治療は確立されていない。MP とコルヒチンとのランダム化試験でMP の優位性が明らかにされたが,平均生存期間は18 カ月であり推奨できるものではない。その後,VAD や大量DEX が行われてきたがVCR による神経毒性,DXR による心毒性,大量DEX による毒性の問題があり推奨されていない,現在もっとも頻用されているのがMD 療法(MEL,低用量DEX)である。96 例を対象とした試験で67%にPR 以上の血液学的奏効がみられ,効果発現は4.5 カ月以内と早く,臓器効果も48%にみられている。本療法は忍容性が高く,その後の長期観察結果では平均生存期間5.1 年,無増悪生存期間3.8 年であった。MD 療法と自家移植とのランダム化比較試験でも,生存期間の中央値は56.9 カ月とその有用性が確認されている。しかし,重篤な心障害を有する症例に対する効果は限られている。最近では,ボルテゾミブなどの新規薬剤の有用性が報告され,汎用されつつあるが安全性も含めた十分なデータがない現状にある。


再発難治性多発性骨髄腫、belantamab mafodotin上乗せの有用性

サリドマイド(THAL)やレナリドミド(LEN)を含む併用療法では静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)発症が増加する。未治療例に対するTHAL とDEX の併用とDEX 単独投与を比較したランダム化比較試験において,DEX 単独投与ではDVT の発症は3%であったが,THAL の併用で17%に増加した。再発難治性骨髄腫に対するLEN とDEX の併用とDEX 単独療法を比較したMM009,MM010 試験では,DVT の発症率は,LEN とDEX の併用群のほうがDEX 群より高率であった(それぞれ14.7% vs 3.4%,11.4% vs 4.6%), 。新規発症例の方が再発例よりDVT の危険が高く,DVT 発症はTHAL やLEN を含む治療開始後5 カ月以内に多い。THAL やLEN を含む併用療法ではVTE の発症予防に,DVT の発症リスクが低い患者に対しては低用量アスピリン(81〜100 mg/日)の予防内服が,またリスクが高い患者に対しては低分子へパリンの予防投与を治療開始から最低4〜6 カ月間行うことが推奨されている。THAL を含む寛解導入療法(MPBT,BTD あるいはTD)(n=220)の前方視的検討において,低用量アスピリン(100 mg/日)の予防内服がDVT の発症を最初の6 カ月間で6.4%に抑制した。なお,MM009,MM010 両試験におけるサブグループ解析では,LEN+DEX 群において血栓症の発症の有無および血栓症予防のための抗血栓療法の有無とOS,TTP などとの相関は認められなかったことが報告されている。したがって,上記の血栓症予防対策はLEN による抗腫瘍効果に負の影響は及ぼさないと考えられる。再発難治性骨髄腫に対するポマリドミド(POM)と少量DEX の併用とDEX 単独療法を比較したMM-003 試験では,血栓リスクのない場合にはPOM 投与期間中低用量アスピリンの予防内服を,また血栓リスクのある場合には低分子へパリンの予防投与を行い,DVT および肺梗塞がほとんど発生していない(全Grade の合計がPOM 群で2%,DEX 単独群で1%)。DVT のリスクには人種差があるため,本邦での大規模試験におけるエビデンスが望まれる。

近年,新規薬剤を含む治療法の改善により,多発性骨髄腫患者の生存期間は年単位で延長してきているが,高齢

骨髄腫患者では深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)の発症が多い傾向がある。DVT をきたしやすい骨髄腫患者の危険因子として,高齢,先行する凝固異常やDVT の既往,エリスロポエチンの使用,高用量デキサメタゾン(DEX)の使用,ドキソルビシン(DXR)を含む併用化学療法,長期臥床,中心静脈カテーテルの使用,腫瘍量が多いこと,および感染や炎症の存在などが指摘されており,このような危険因子があれば,DVT 発症に対する予防策をとることがもともと推奨されていた。

[PDF] 医師のための ASH2008 多発性骨髄腫 ハイライト

移植非適応の初発症候性骨髄腫患者に対する新規薬剤併用療法はMP 療法に比べて生存期間を延長させるか

サノフィ株式会社の依頼による再発性及び/又は難治性多発性骨髄腫患者を対 ..

ボルテゾミブ(BOR)投与中の患者では,帯状疱疹の発症が比較的早期に出現することが指摘されている。特に,デキサメタゾン(DEX)を併用する場合は注意が必要である。BOR 投与により神経障害性疼痛を合併している場合,帯状疱疹の発症は神経障害性疼痛症状を増悪させ,患者の生活の質をさらに低下させる。APEX 試験では,BOR 単剤およびDEX の併用群で331 例中42 例(13%)に帯状疱疹が発現し,DEX 単独群(5%)よりBOR 投与群で帯状疱疹の発症が有意に多かった。BOR とMP 療法(MEL, PSL)を併用したVISTA 試験では,MP 療法群に比べBOR 併用群で帯状疱疹の発症が高頻度であった(13% vs 4%)。また,アシクロビル(ACV)の予防内服をしなかった250 例では43 例(17.2%)に帯状疱疹が発現したのに対し,予防内服をした90 例では帯状疱疹発現が3 例(3.3%)のみに減少しており,ACV の予防内服により帯状疱疹の発生を減少させることが示された。ACV 200 mg/日の低用量の予防内服により帯状疱疹の発生を減少させることが示されている。Carfilzomib やixazomib の大規模試験でもACV が予防投与されている。しかし,長期間にわたる抗ウイルス薬投与による腎障害や神経障害にも注意が必要である。

多発性骨髄腫は血液細胞の中の「形質細胞」というリンパ球の仲間の細胞ががん化し、骨髄を中心に増殖する「形質細胞腫瘍」の最も代表的な疾患です。

新規発症骨髄腫患者に対するゾレドロン酸とクロドロネートの長期投与の効果を比較する大規模臨床試験(MRC Myeloma Ⅸ trial)が英国で実施された。本試験では口腔内予防措置が行われたが,口腔内予防措置を行っても年間約4%の患者にARONJ が発生しているため,予防措置に加えARONJ の早期発見のための注意深い観察と対応が必要である。

期待できない再発・難治性の多発性骨髄腫に対し、エムプリシティを加え

口腔内予防処置として,①ゾレドロン酸の投与前に歯科医師による口腔内のチェックを受け,必要な歯科処置を行う,②侵襲的歯科処置の場合は処置後6〜8 週後に創傷の治癒が確認された場合にゾレドロン酸の投与を開始する,③ゾレドロン酸の投与開始後は口腔内ケアを十分に行い,担当医の許可なく歯科を受診し治療を受けないようにすることを行うと,ゾレドロン酸を長期に使用(6 回以上)している骨髄腫患者でARONJ の発症は1/3 以下に減少し,重症例(stage 3)はなかったと報告されている。ARONJ は治癒が非常に困難な疾患と考えられていたが,ARONJ が治癒しなかった症例は24%で,12%が改善後再燃,62%が改善・治癒しているとの報告がある。また,治癒した12 例にビスホスホネートが再開され,6 例にARONJ が再び発症している。

種々のヒト多発性骨髄腫細胞株に対して増殖抑制作用を示し、その作用はレナリドミドとの併用により増強された。 18.3 In vivo試験

顎骨壊死の発症の頻度,特徴,危険因子を明らかにする目的で,1997 年以降ビスホスホネートを投与されている骨髄腫と骨転移を有する患者252 例を2003 年より追跡調査した報告では,全体で17 例(6.7%),うち骨髄腫患者では111 例中11 例(9.9%)に顎骨壊死が発症していた。顎骨壊死を発症した患者のビスホスホネートの投与回数は平均35 回であり,13 回の投与まででは発症者はいなかった。ゾレドロン酸の継続投与群ではパミドロネート群に比べ有意に発症者が多かった。また,骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)は,静脈注射用ビスホスホネートの投与を受けた癌患者がほとんどである。ARONJ の多くが抜歯等の歯科処置や局所感染に関連して発現しており,ビスホスホネートの投与回数,総投与量が多くなると発症頻度は増加している。骨病変を有する初発骨髄腫患者に対し,デノスマブとゾレドロン酸の治療効果を比較検討した国際共同大規模第Ⅲ相臨床試験ではARONJ の発生には両群間で差はなかった。

(力価)/m2(体表面積)以下とする。 6.7 多発性骨髄腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法

POEMS 症候群(Crow-Fukase 症候群,高月病)はplasma cell dyscrasia を基盤に,多発神経炎による末梢神経障害,臓器腫大(肝脾腫),浮腫・胸腹水,皮膚症状(剛毛,色素沈着,血管腫),骨硬化性病変,M 蛋白血症などを呈する全身性疾患であり,稀ではあるが,本邦での発症率は欧米よりも高い。多彩な症状の中で,特に末梢神経障害が患者のADL を著しく障害し,末期には四肢麻痺,多臓器不全に至る予後不良な疾患である。POEMS 症候群の病態は十分に解明されていないが,血清中の血管内皮増殖因子(VEGF)が異常高値であり,多彩な症状を惹起していることが推定されている。また,本症候群におけるM 蛋白量は微量であるが,ほぼ全例でλ型である。このλ型再構成軽鎖はVλ1 subfamily に属し,しかもわずか2 種類の特定の胚細胞遺伝子から由来することが判明している。

多発性骨髄腫に対して,ボルテゾミブとデキサメタゾンの有用性を比較検討した RCT で,ボルテゾミブ.

治療効果の優れた新規抗骨髄腫薬が次々と臨床応用されているため,これらとの併用下での,ゾレドロン酸やデノスマブの有用性や至適な投与法・投与期間さらには生存へのメリットを今後さらに明らかにする必要がある。