キーワード:肺 MAC 症,クラリスロマイシン耐性,結節性気管支拡張,多クローン性感染
長期的に内服すると、耐性菌という抗菌薬が効きにくい菌が発現したり、赤血球・白血球・血小板が減少する可能性があります。クラリスを処方された場合は、決められた投与量をしっかり守って治療に当たりましょう。副作用のチェックのため、定期的に血液検査が必要になる場合もあります。
クラリスロマイシン耐性Helicobacter pylori (臨床検査 45巻8号)
一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。
クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。
• マクロライドに耐性を持つ連鎖球菌の抗菌薬使用前(0日)の平均保菌率は28%
心臓・肝臓・腎臓に持病のある方はクラリスが体に合わない可能性があります。診察時には必ず持病を申し出るようにしてください。
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
CAMの非結核性抗酸菌に対する耐性基準またはブレイクポイントが設定されていれば, 設定値を教えて下さい。 ..
現在のところ, わが国ではMRBPの流行を疑う状況は認められていないため, 直ちに第一選択薬をマクロライド系抗菌薬から他の抗菌薬へ変更する必要はないと考えられる。しかしながら, 国内における MRBPの浸潤状況は把握されておらず, 状況によってはMRBPを念頭に他の抗菌薬を選択することを検討すべきであろう。なお, 本症例では治療のためクラリスロマイシンが投与されたが, 患者の再受診がなかったため, その治療効果は確認できていない。
妊娠中や授乳中の場合にはクラリスを使用できないわけではありませんが、気軽に内服できるわけでもありません。妊娠中に高容量のクラリスを投与すると胎児に心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等の異常が生じる可能性があると動物実験にて報告されています。また、クラリスは母乳にも移行します。病気の種類に応じて、治療を行うメリットと治療を行わないデメリットを比較・検討し、担当医と十分に相談して治療に当たりましょう。
ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出
百日咳菌のマクロライド耐性は23S rRNAの変異によることが知られていたことから, 当該菌株の23S rRNA遺伝子をPCRにより増幅し, ダイレクトシーケンスによりその配列を解析した。その結果, 23S rRNAに遺伝子変異(A2047G)が認められた。反復配列多型解析(MLVA)およびptxP, ptxA, prn, fim3, fhaBの遺伝子多型解析を実施したところ, 当該菌株はMT195 ptxP1/ptxA1/prn1/fim3A/fhaB3に型別された。
クラリスは、併用注意薬(一緒に内服する場合は注意しなければならない薬)や、併用禁忌薬(一緒に内服してはいけない薬)が非常に多いです。ここには書ききれないほど多くの種類がありますので、常用薬がある方は医療機関を受診する際に必ず申し出るようにしてください。
[PDF] 肺炎球菌の8割以上が薬剤耐性に -新潟大学院生らが報告-
薬剤感受性試験はE-test(ビオメリュー)とボルデージャング培地(0.1%グリセロールおよび16.7%羊脱繊維血液添加)を用いて実施し, 対照として東浜株を使用した。その結果, エリスロマイシンおよびクラリスロマイシンのMICは256μg/mL以上, アジスロマイシンのMICは32μg/mLであることが判明した()。
適正でない抗生剤の使用は薬剤耐性菌を生み出す原因となることから、厚生労働省は抗生
感染の危険性があるので現在では再利用して使われている可能性はほとんどないと思われます。マスコミ報道などで繰り返し注意喚起がなされた効果と思われます。
[PDF] 胃内液 クラリスロマイシン耐性 迅速診断法 有用性
わが国では小児にクラリスロマイシンを投与する例が多いため、成人よりもクラリスロマイシン耐性の頻度が高いことが明らかになっています。ですから小児のピロリ菌除菌ではクラリスロマイシンが含まれている一次除菌法の除菌率は40%を切るくらいよくないのです。一方、メトロニダゾールが含まれている二次除菌法では90%近い除菌率があります。
クラリスロマイシン耐性肺MAC症に対する新たな治療薬の開発 ..
ジェネリック薬はありますが、日本の薬局で購入できる市販薬はありません。処方薬でなくても個人輸入で購入することが可能なようですが、自己判断で使用される際は耐性菌や副作用、飲み合わせに関するチェックが難しくなりますのでオススメいたしません。
8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則とし
百日咳は特有のけいれん性の咳発作を生じ, 生後6か月未満の乳児では呼吸困難により死に至る危険性が高い急性呼吸器感染症である。百日咳の治療には, マクロライド系抗菌薬を第一選択薬として用いることが推奨されているが, 近年マクロライド耐性百日咳菌(macrolide-resistant Bordetella pertussis: MRBP)の出現が問題視されている。1994年に米国アリゾナ州で初めて本耐性菌の分離が報告されて以降, フランス, 中国, イラン, ベトナム等1-5)で報告があり, 2016年には中国の一部地域において本耐性菌によるアウトブレイクも報告された6)。一方, わが国ではこれまでMRBPの分離報告はなかったが, 2018年に大阪府で分離された百日咳菌がMRBPであることが判明したので, その詳細について報告する7)。
8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則
一般的な感染症であれば、服用開始から2~5日程度で症状が改善してきます。
ただし、症状が良くなったからといってすぐに服用を中止してはいけません。症状をしっかり改善し、かつ耐性菌の発現を防ぐためには一定期間服用を続けなければいけません。
したがって、重篤な副作用などがない限り、処方されたクラリスロマイシンは飲み切るようにしてください。