光・体内時計による制御 睡眠作用・睡眠覚醒リズムの位相変異作用年齢とともに減少


NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。


メラトニンの骨減少予防作用 (整形・災害外科 63巻13号) | 医書.jp

メラトニンは光と密接に関係しています。高齢の方は、メラトニンを分泌する力が落ちてしまいます。ですが、日中にしっかりと光を浴びることで、健康な高齢者よりもメラトニンの分泌量が大きく増加されていることが示されています。

メラトニンは体内のメラトニン受容体(MT1とMT2)という部位に対して働きます。メラトニン受容体作動薬も、MT1とMT2に作用し、病院やクリニックにおいて、と呼ばれる医薬品として、処方されています。

メラトニン分泌の変化は注意欠如多動症(ADHD)症状と関連する

睡眠に対する効果として、があります。そのため、不眠症の治療に使われています。メラトニン受容体作動薬は、ベンゾジアゼピン系のと比較すると、であることが利点です。

米国薬局方が開示している情報によれば、NatureMadeのメラトニン3mgと5mgがあります。

認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう

多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。

『メラトニン』は、私たちの体内で合成されるホルモンの一つで、一般に「体内時計」と呼ばれている〝体のリズム〟を整える働きをしています。人だけでなく、すべての脊椎動物の体内で分泌されている物質で、特に、睡眠と覚醒に影響を与えていることで知られています。
メラトニンの血中濃度は夜間になると上昇し、これが、人が「休息をとる」「睡眠をとる」というシグナルになります。ちなみに、夜行性の動物にとっては「活動を始める」というシグナルとして伝わっているそうです。
さらに、近年の研究でメラトニンには『抗酸化作用』があることもわかってきました。人の体内で起こる酸化は、「活性酸素」の悪影響によって体が錆びているような状態になり、がんや生活習慣病などの原因となってしまう状態です。抗酸化作用は、この活性酸素を抑えてがんの予防や生活習慣病の改善を促す働きで、美容に着目したエイジング対策としても期待できるものです。

体内時計と睡眠のしくみ | 体内時計を調節するホルモン、メラトニン

メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。

しかし、実は加齢によってメラトニンの分泌量は低下していくこともわかっています。
1歳~3歳頃までが最も多く、思春期以降は減少に転じ、70歳を超えるとピーク時の10分の1以下になるという報告があります。0歳の赤ちゃんが夜泣きをする理由の一つとして、メラトニンの分泌量がまだ不安定な時期だからと言われたり、一方で、高齢者が夜眠れずに昼夜逆転するケースが起こるのは、メラトニンの昼夜の分泌量に差がなくなってくることも一因と考えられたりしています。
このように、メラトニンは加齢とそれに伴う睡眠の問題に深く関係しています。「しっかり睡眠時間が確保できない」「眠りの浅い状態が続く」など、一般に『睡眠障害』と呼ばれているものは、認知症と密接に関わっていることもわかっています。
加齢に伴うメラトニンの減少が睡眠障害を誘発し、それが認知症にも繋がっているとするなら、メラトニンの分泌量低下の予防は認知症予防にも貢献する……という考え方ができるかもしれません。


年をとるとメラトニンが減少すること; 午後の活動が少しずつ低下してしまうこと; 頻尿になりやすくなってしまうこと

若く筋力がある場合には大きな問題にはなりませんが、高齢で筋力が低下している方の場合、転倒によるう骨折という最悪なパターンもあり得ます。ここから寝たきり、要介護状態になる可能性がありますので、介護予防の観点からも重大な問題といえます。

メラトニンの分泌が低下すると、以下のような健康リスクが増加する可能性があります。 ① 睡眠障害

欧米では、ドラッグストアでメラトニンのサプリを入手することができますが、日本にある薬局では、販売されていません。そのため、輸入することが必要になります。

不眠症や睡眠の質の低下に直接関係します。 ② 体内リズムの乱れ

体内時計にも作用するため、睡眠リズム障害の治療にも応用されています。

本研究成果から、人においても老齢になると海馬におけるAMK量が低下し、そのことにより記憶力の低下が引き起こされている可能性が考えられます。

眠れなくなる一番の理由は、脳で分泌される睡眠物質メラトニンが加齢によって減るためです。メラトニンは夜に多く分泌されて眠りを誘いますが、年とともに分泌量が低下して、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。
二つ目の理由として、睡眠サイクルの変化が挙げられます。睡眠には、脳も体も休んでいるノンレム睡眠と、脳は起きているけど体は休んでいるレム睡眠とがあります。年を取るとノンレム睡眠の時間が短くなり、レム睡眠の時間が相対的に長くなるため、脳が起きているレム睡眠中はちょっとした物音などで目覚めやすく、熟睡できなくなるのです。
また睡眠は、日中の活動量や生活習慣にも影響されます。年を取って活動量が低くなると、体が疲労せず、深い眠りに入りにくくなり、必要とする睡眠量も少なくなります。それなのに「8時間は眠らなければ…」と、眠くないのに早くから寝床に入り、かえって不眠になるケースも多いようです。
快適に眠るためには、まず朝起きて太陽の光を浴びましょう。それによって体内時計がリセットされ、夜になるとメラトニンの分泌が促されて眠りやすくなります。さらに、日中は適度な運動などで体を疲れさせれば、ストレスの発散にもなり、深い睡眠が得やすくなります。
眠れないからといって安易に睡眠薬に頼るのは、避けたほうがよいと思います。それよりも、年を取ったらそんなに長く眠る必要はないと諦観して、自然に眠くなるまで好きなことをして過ごすのも一つの方法です。

めに起こっているケースがある.特に前者に関し,高齢者でのライフスタイルの問題(日中の受光量の低下と夜間の受光,運動習

メラトニンは、レム睡眠を増加させる傾向にはあります。ですが、そこまで明らかに増加させるわけではありません。ですから、メラトニンによって悪夢がそこまで増えるわけではありません。メラトニン受容体作動薬のロゼレムでも、悪夢の副作用報告も0.1%となっています。

睡眠不足は、成長ホルモンの分泌に影響するだけでなく、メラトニン、セロトニンの分泌も

ビタミンB12は末梢神経を整える作用があります。ですから、不眠としびれなどがある方に、両方への効果を狙ってメチコバールというビタミンB12の薬を処方することがあります。これによって、たまに睡眠がよくなる方もいます。

PMSがある人は睡眠の質が低下している | PMS(月経前症候群)ラボ

そのため、セロトニンが減るとメラトニンの減少に繋がり、体内時計の乱れから睡眠の質が低下してしまいます。

睡眠ホルモンが前立腺がんのリスクを75%減らす 生活習慣が影響

メラトニンは主に脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンです。トリプトファンという物質から、セロトニンを経てメラトニンが合成されます。
セロトニンとは、神経伝達物質の一種で、気分の安定や幸福感をもたらす役割があります。また、昼間の覚醒状態を維持するのに重要です。このセロトニンが夜になるとメラトニンに変換され、睡眠を促進します

パーキンソン病の方に役立つ基礎知識vol.25 日中の過度の眠気

1987年秋田大学医学部医学科卒業。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の理事、日本学術会議連携会員などを務める。秋田大学医学部精神科学講座准教授、バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、2006年より国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。

高齢者の睡眠トラブルを解決しよう!快適な睡眠をとるための対処法

ストレスや疲労がたまると、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンというホルモンの分泌量が低下してしまいます。このホルモンは上述したメラトニンの原料となるホルモンです。

明るい寝室で眠ると太りやすい⁉光と健康の関係 | サワイ健康推進課

メラトニンは体内時計のリズムを整え、様々な身体の機能に関係していと考えられています。精神疾患の予防、生活習慣の予防、発がん予防、認知機能の維持、アンチエイジングなど、様々な疾患の予防や治療に効果があるのではと考えられてきました。

[PDF] 122. 松果体メラトニンによる網膜の光感受性抑制機構の解明 池上 啓介

このようにメラトニンが減少してしまうので、年をとると眠りが浅くなってしまうのです。メラトニンを増やすことは子供ではあまり意味がありませんが、高齢者の方では効果が期待できるのです。

生物の多くの生理現象は約 24 時間周期の概日リズムを持っている。体内時計の主な同調因子で一番強力なのが光で

現在、日本人の40~59歳では約5人に1人が、60歳以上では約3人に1人が、何らかの睡眠障害を抱えているそうです。確かに、夜型の現代社会は、コンビニや飲食店などの「24時間営業」は当然という時代に突入しており、街には深夜まで煌々と灯りがともっています。また、就寝直前までテレビやパソコンに触れ、ベッドに入ってからもスマートフォンを見ている人は多いようです。
先述のとおり、メラトニンの分泌は、夜になってから=太陽光がなくなってから始まります。自然の流れでは太陽が沈んでいる時間帯なのに、蛍光灯やブルーライトといった人工的な光を断続的に浴びることにより、体のリズムが乱れることは、想像に難くありません。
このことが原因でおこる不眠症は、体内時計がずれる「リズム障害」とも言われています。現代では10代~20代の若い世代にも当然起こりうる不眠障害・リズム障害ですが、メラトニンの分泌量が激減している50代以降の中高年の方々には、少しでも回避したい問題であり、質の良い睡眠をとるための重要なポイントです。

40~50代の「美とからだ」を全力応援! 白髪、たるみ、更年期の不調、将来への不安…。 ..

1つ目は、午後の運動です。特に早朝に目が覚めてしまうようなケースでは、夕方に軽い運動や散歩をすることをおすすめします。メラトニンの分泌が遅れてくるので、体内時計のリズムが元に戻りやすくなります。