コブラ機動 トップガンマーヴェリックシューティングゲーム | TikTok


「私にとってこの第三幕は、『トップガン』の美学を逆手に取るチャンスだったんです」と語るコシンスキー。「こういう『トップガン』らしいルックのシーンはおなじみですが、ここでは4機のジェットが、海軍が実際に使っているコースで低空飛行をしています。ワシントン州のカスケード山脈で撮ったこの映像は、本作の中でもとりわけ壮観で強烈な空撮シーンになっているんじゃないでしょうか」


サイクロンは飛ばなくていいって言ったし……ちょっとコブラ機動 ..

最初に出てくる空母シーン。戦闘機が発着艦していきますが、いろんな色の服を着た人たちがいます。
彼らは「レインボーギャング」と通称される飛行甲板作業員で、危険かつ瞬時の判断が要求される飛行甲板で、一目見て職務内容がわかるよう、職務別の色分けがされた服を着用しています。

黄=カタパルトオフィサー(一番有名であろう、発艦時に前を指さす人)、誘導員
青=艦上車両運転手、エレベーターの操作員、伝令等
緑=カタパルト関係員、ロードマスター(貨物取扱員)等
白=着艦信号士官(LSO)、衛生兵、安全監視員、液体酸素取扱員、機体点検員、外来者など
茶=機付長(機体ごとの整備責任者)、航空機拘束員
紫=燃料補給員
赤=兵装員、爆発物処理員、緊急要員

この色分けは基本的なもので、さらに細分化された役割がわかるよう、ヘルメットなども色分けされています。
このヘルメットは、頭にすっぽりかぶる形式の布地に、分割して頭部保護用プラスチックがつけられた独特のもので、「クレーニョ」と呼ばれます(海上自衛隊の艦載航空関係員も使用してます)。

これを踏まえたうえで、空母のメカニズム。
甲板から楔のようなものが生えていますが、それがカタパルト(飛行機を加速させて発艦させるシステム)の「シャトル」です。
シャトルは甲板下に埋め込まれた蒸気シリンダーにつながっており、シャトル前端の溝に、飛行機の前脚についている「ローンチバー」を引っ掛け加速させます。映画でも、ローンチバーがシャトルの上を乗り越え、カチャンと引っかかるシーンがありますね。
カタパルトの端っこまで行くとシャトルは止まりますが、ローンチバーは引っかかってるだけなのでそのまま飛行機は飛んでいきます。
また、艦載機の前輪はダブルタイヤ(トラックの後輪みたいに)なっているため、前輪が通過する際、シャトルはその間をすり抜けます。

そして、発艦前に別の棒を取り付けているシーンもありますが、それは「ホールドバックバー」です。これは前脚の後ろに取り付けます。
これは、カタパルトと機体の推進力が規定値になるまで、機体を固定するためのものです。作業員が、こん棒みたいなものを担いで歩いているシーンがありますが、そのこん棒みたいなのがホールドバックバーです。
ホールドバックバーの太くなっている部分の中では、航空機に接続する部分とバー本体が分割されていますが、両者の間には「テンションバー」と呼ばれる金属部品がはめ込まれて繋がっています。
このテンションバーは、規定の力がかかったら切れるように設計されており、破断力はカタパルト圧力と機体の推進力がMAXになった時点で切れる数値になっています。ですので、機種ごとに違う規定値のテンションバーがあり、それをホールドバックバーに組み付けています。また、それが一目で識別できるよう、テンションバーを覆うカバーが色分けされています。

発艦シーンにおいては、ジェットブラストデフレクターという板が起き上がってきます(4DXだとそれに合わせて座席が動きます。なんでやねん!なおMX4Dは動きませんでした。)これはジェット排気を上に逃がし、作業員を保護しつつ、排気を受け止めて推進力を増加させるためのものです。
そして発艦直前、緑の人がしゃがんで何かを見ていますが、彼らは先に述べたカタパルトや機体の発艦関係部分に異常がないかを確認しています。そのOKが出て、パイロットから発艦準備OKが出る(パイロットが敬礼して腕を前に振りますが、あれは「発艦!」という意味ではなく、「準備、ヨシ!」という意味です)と、有名な黄色い人(シューター)が最終確認をして、前方を指さすポーズを取ります。
よく誤解されてますが、これも「GO!」という意味ではなく、「最終確認、ヨシ!」という意味です。
これを見て、「ICCS」(甲板からせり上がってくる、ガラス張りの背の低い部屋)にいるカタパルトオフィサーが射出スイッチを押します。すると、カタパルトのロックが解除され、テンションバーに力がかかり破断、航空機は一気に加速(2秒で300㎞/hに達する)し射出されていきます。
航空機が空に飛びだすまでの間、パイロットは操縦装置に触れてはいけないため、その間は窓枠のバーを握っていて、飛び出した瞬間に操縦桿とスロットルを握ります。特殊作戦の発艦シーンでは、トム・クルーズがそこもしっかり演じています。

発艦していくとき、カタパルトから水蒸気が立ち上っていますが、これはカタパルトシリンダーの設計によるものです。
カタパルトシリンダーは、断面が「切れ目が上を向いた、視力検査のアレ」のようになっており、その溝をシャトルが通過するわけですが、溝が開きっぱなしでは当然圧力が逃げてしまい、航空機を発艦させることができません。このため、溝の両側からゴムによるシーリングがされており、シャトルはそれを押しのけながら進んでいくため、シャトル周辺から水蒸気が立ち上ります。
カタパルト自体からも蒸気が立ち上っていますが、シーリングの特性上、完全に封をすることができないためです(シリンダー圧力は30~70気圧にもなります)。

着艦の際は、白い人たちが大勢いて着艦機をガン見していますが、彼らは着艦信号士官といい、艦載機パイロットのうち中堅以上で着艦信号士官の資格を持っている者たちです。これは輪番制で非番のパイロットが担当します。
着艦信号士官は、着艦誘導装置(通称「ミートボール」)や無線を使用して着艦機を誘導し、また着艦の採点をしています。だから受話器などを片手に険しい顔で着艦機をガン見しているのです(笑)

着艦のメカニズムとしては、機体尾部につけられたアレスティングフックを甲板に張られたアレスティングワイヤーに引っ掛けて急減速、停止させます。
ワイヤーは4本が間隔をあけて設置されていて、どれかに引っかかるようになっていますが、そこを狙って降りていく海軍パイロットは超凄腕。
ワイヤーもただ張ってあるだけでは力が強すぎて機体が破損するので、甲板下でダンパー(緩衝器)と接続されており、なるべく機体に負担をかけず停止するよう制御されています。
とはいえ、着艦は「制御された墜落」と言われるほどで、かなりの衝撃が機体に加わるので、空母艦載機は足回りが非常に頑丈な設計になっています。逆に、空軍などの陸上基地用機は、軽量化のために足回りが簡素な設計になっているので、空母に着艦したら足が折れます。

長くなりましたが空母シーンの話は以上です。

次にダークスター。これについては実物大のモックアップ(ハイスペック模型的なもの)を作って撮影してます。
そして設計したのは「スカンクワークス」。これは航空機メーカーであるロッキードマーチン社の特殊機開発部門であり、過去にも超音速実験機や偵察機、各種ステルス機を開発してきた、航空業界でその名を知らぬものはいないチーム。
そんなスカンクワークスがガチで監修したものなので、航空力学的にも理にかなった設計になっています。ダークスターのシーンは砂漠にある某基地で撮影されましたが、その造形がリアルすぎるのと真昼間から運用を行っている(普通、この手の極秘機は偵察されないように夜運用される)ということで、中国の偵察衛星が軌道を変更して監視に来ていたという逸話があります(笑)
ちなみに、尾翼や操縦桿にあるマークがスカンクワークスのロゴで、その名の通りスカンクがモチーフになっています。また、操縦桿の前面にある文字みたいなのはロッキードマーチン社のロゴです。

マーヴェリックはダークスターに乗る前、酸素マスクを着けて運動してから宇宙服みたいなものを着ていますが、これはあの手の極超音速機では一般的な手順。
まず、宇宙服みたいなものは与圧服です。極超音速機は、空気抵抗の関係でかなりの高空を飛びます。もし、機体に不具合があって脱出した場合、ふつうの飛行服だと外の気圧が低すぎるので減圧症(潜水病)になってしまいます。それを防ぐために予圧服を着ています。また、他人の介助を受けて着装を行ってますが、これも現実と一緒です。
そして酸素マスクですが、何らかの事故で与圧服が破損し、外気にさらされた場合でも減圧症にならないためのものです。減圧症は血液中の窒素が悪影響を及ぼすので、パイロットは飛行前に、空気~純度100%酸素まで濃度を上げながら少しずつ吸入していき、血液中の窒素を抜いて酸素100%で呼吸するようになります。マーヴェリックが、マスクを外してから与圧服のヘルメットをかぶるまで息を止めたり、与圧服に酸素を供給する機器が接続されているのは、そこも再現しているからなのです。

次に、スクラムジェットエンジン。普通のジェットエンジンは、タービンという羽根車を何段にも重ねて空気を圧縮し、そこに着火して推進力を得ます。
しかし、超音速(マッハ1~5)になると空気も超音速で吸入されるため、「タービンが邪魔になるし、気流の力ををそのまま圧縮に使っちゃえばいいじゃん。」というのがラムジェットエンジン(マッハ5までが限度と言われる)です。
そして、スクラムジェットエンジンはラムジェットエンジンの発展型で、機体の対気速度がマッハ5以上(極超音速)から使えるもので、「極超音速で入ってくる空気って圧縮されてるからそのまま燃焼させちゃおうぜ!」という、最終奥義的なエンジンです。ですから、劇中でもその辺の速度域で通常型のジェットエンジンからスクラムジェットエンジンへの切り替えを行っています。

んで、機体の加熱。マッハ10達成目前、機体温度が上昇という警告が出ますが、あれは空気との摩擦(空力加熱)によるものです。これによる影響を最小限に抑えるため、機体にはチタン等の特殊合金が使われていると思われます(実在の超音速偵察機「SR-71」もそうでした)。
窓の温度が危険域に入ったというセリフがありますが、当然のこととしてガラスは金属より熱に弱いので、限界は先に来ます。機体の前方に窓がなく、横にだけあるのも、空気を真正面から受けたらひとたまりもないためです。
加えてそのシーンをよく見ると、まだら模様にガラスが過熱していきますが、これも実際と一緒です。ガラスはその製造上、精密に作っても微細なムラができます。極超音速にさらされると、そのムラになった部分から過熱していくので、あのようになります。

ちなみに、ダークスターのシーンは、映画「ライトスタッフ」のオマージュであり、一部のセリフは同作のものをそのまま使っています。そして、ケイン少将を演じたエド・ハリスは、若いころに同作で凄腕パイロットから宇宙飛行士になったジョン・グレン(実在の人物)を演じていました。そんな役者が「パイロットは絶滅する」論者になっていて、マーヴェリックに対する皮肉になっているのです。ライトスタッフもいい映画なのでぜひ観てみてください。

まだ解説したいところですが、文字数制限があるので、上映システムの違いについて。

字幕と吹き替え。
字幕は・・・悪名高い?T氏監修なので・・・思う所だらけですが、棺桶ポイント・・・劇場で笑いが起きたぞ。
思ってたほど吹き替えは悪くありませんでした(サイクロンだけちょっと若いというか軽い感じがするが)日本語訳も基本的にしっくりくる表現になっていました。

MX4Dと4DX。
MX4Dは、動くシーンが絞られているが、動かすときはガッツリ動くかな。それと風の表現がタイムラグなく届くのがいい(システムが前の座席についてる)。が、風表現は前からのみで風量も物足りない。
4DXは、全般的によく動く。風表現は横からも来る。が、どんな作品でもそうだが謎のタイミングで動くことがある。風表現にタイムラグがある(システムが天井についてる)。
どちらかと言えば4DX。

IMAXレーザーGT。
神オブ神。言うことなし。画質と音とスクリーン面積の暴力。席は真ん中かちょい後ろで。

4DXスクリーン。
これも神。VR感覚+4D。この作品のためにあるようなもの。

ドルビーアトモス
音はいいが、それでもIMAXには勝てん。

カンのいい方は気づいたかと思いますが、原作でマーヴェリック・グース機が墜落したのも、戦闘中の高スロットル時にジェット後流で片方のエンジンがいきなり停止し、フラットスピンに入ったからです。

駆け出しマーヴェリックはフラットスピンを回復させることができず、上に書いた通り一基ずつ順番にエンジンが停止、回復不能に陥り、フリスビーのように回転しながら墜落してしまいます。

トップガンマーヴェリックでは、これらを乗り越えて神がかったパイロットとなっているマーヴェリックにより、敵が予想しえない(普通のF-14乗りはやらない。しかも今回の敵は元々F-14乗りなので、なおさらそう思い込んでいる。)トリッキー機動をかましているわけですが・・・いやマジでマーヴェリック凄すぎます。

しかも、さりげなく原作の伏線&エッセンスになってるんですよね。そりゃタイタニックの興行収入超えるわ。

ほんでもう一つ、原作のジェット後流について。

これは後方乱気流と言われるもので、航空機の後方に発生します。大まかに言えばジェットエンジン排気と、翼端渦によるもの。

航空機は、簡単に言うと翼の上下面を流れる気流の速度差により翼上面に負圧を作り、それに吸い上げられる力(揚力)により飛んでいます。

このため、翼の端っこ付近の下面側空気は負圧になっている上面に流れ込んでいきます。これが翼端渦。

翼端渦は左右の翼から発生し、ジェット排気と共に内側に渦巻く気流=後方乱気流を機体後方に残します。これに巻き込まれると、航空機は失速したりジェットエンジンがサージングを起こして停止してしまいます。

空港において、連続離着陸は必ずある程度の時間をおいて行われますが、あれは後方乱気流が収まるのを待っているのです。

原作においてマーヴェリックは後方近距離で強引な操作をしたため、この後方乱気流に巻き込まれました。

もちろん、マーヴェリックも天才的パイロットですから後方乱気流の存在は知っているはずで、注意もしていたはずですが、戦闘機動中は予想しえない位置にそれが発生したりするので、予期せず巻き込まれたわけですね。

これが本物のコブラ機動です!本物のコブラは高度変化が殆ど ..

「空撮のシーンではジェット機の外側にカメラを取り付けました。海軍のパイロットたちには映画制作について、私たちが求める照明、高度、速度、画角を説明しなければなりませんでした。彼らはこの映画ではカメラマンとしての役割も担っていたのです。巨大な規模のチームが必要でした。私たちはトップガンと――本物のトップガンと――仕事をしているわけですから、相手がベスト・オブ・ベストの人々であることはよく理解していました。それでも毎日、私たちは彼らがトップガンたるゆえんを見せつけられました。もちろん安全が第一なのですが、彼らが航空機で見せるプロ意識と技術の高さは、驚くべきものでした」

だいぶ時間が経ちましたが、原作同時上映を観てふと気づいた点があったので追加解説です。

トップガンマーヴェリックにて、F-14をかっぱらった後、5世代機との戦闘時にマーヴェリックが「スプリットスロットル!」といって水平方向に回転する急旋回を行います。

これ、できないことはないですが、かなりリスキーな機動です。

というのも、F-14はエンジン2基が機体中心線から離れて設置され、薄い胴体かつ重量級であるため、片方のエンジンだけを吹かすもしくは片方が停止してしまうと、「フラットスピン」といって水平方向にフリスビーのように回転する、回復不能の状態に陥りやすいのです。

あなたが車で高速道路を運転中、急に片側の前・後輪がバーストするようなものです。

しかも航空機の場合は何倍もの速度かつ接地していないので、ものすごい回転モーメントが抑えなく加わります。

この特性によりF-14は、何かしらの異常や被弾により急に片方が停止した場合など(とくに戦闘中でスロットルが最大に近い場合)フラットスピンに陥り、墜落に至る場合があります。

しかも、このフラットスピンは物理法則上、横転のモーメントも発生してきます。こうなるともはや墜落しかありません。

このフラットスピンに至らないようにするには、水平回転モーメントを打ち消す力を加えてやる、つまり停止もしくは絞ったエンジンと反対側に強烈なラダー操作(航空機を水平横方向に動かす舵の操作。フットペダルにより行う。)を最適なタイミングと力加減でかます必要があるのです。

しかも、この時は先述の通り横転モーメントも加わってくるので、並みのパイロットだと条件反射により操縦桿操作(右エルロン=右横転操作)でこれを抑えたくなるのですが、それをすると状態が悪化します。これをせずに的確なラダーだけで制するのです。

これだけでも難しいんですが、さらに難しいポイントがあるのです。

F-14のエンジンはTF40という機種ですが、こいつがまたジャジャ馬であり繊細な扱いが必要な上に、F-14は吸気口付近の機体構造により吸入空気が乱れやすく、この最悪のコンボが起こるとジャジャ馬は「サージング」という現象(エンジン内の空気の逆流)により簡単に停止してしまいます。

つまり、カウンター操作が少しでもずれると、生きている側のエンジンすら停まってしまうのです。

まるでマーヴェリック!F/A-18Fのコブラ機動!目の前で ..

「シートベルトがもっときつく締まっているべきだったんですが、彼が飛び上がるようすがとても素晴らしかったので映画に採用することにしました」とはコシンスキーの弁。「ステルス機の『ダークスター』がエド・ハリスの頭上を飛んでいくシーンなんか、セットが壊れちゃってるんです。守衛室の屋根が吹き飛んでいるのが見てわかります。あれは想定外でした。1回目でセットが壊れたのであのワンテイクしか撮れなかったのですが、それが映画で使われています」

監督のコシンスキーと制作チームが限界までリアルを追求したからこそ、『トップガン マーヴェリック』が驚くべきスペクタクルとなったのは間違いない。でCGIの世界からキャリアをスタートさせたコシンスキーは、のちに『トロン:レガシー』や『オブリビオン』といった長編映画を手がけることになるが、今回の経験は彼にとってもまったく新しいものだったに違いない。しかしだからといって、コシンスキーがCGの世界を離れるわけではなさそうだ。

【ラプターそんなこと出来るのかw 】なんと2連発コブラ的機動をするF-22ラプター凄すぎw ..

一緒に行った友人に「」と聞かれました。

まあ理由いろいろあるんですが、飛行機は機体を傾け、機体上面方向に旋回するようにできてるんです。
まず、機体の制限Gは、プラスG(機首上げ)よりもマイナスG(機首下げ)のほうが許容値が低いです。これは機体構造がそもそもプラスG旋回を前提に作られているためです。
んで、人間はマイナスGに弱いというのもあります。フリーフォールの何倍ものフワッと感、考えただけでも嫌でしょう?
そして、パイロットはGに耐えるため「Gスーツ」を着ているのですが、これはGのかかり具合に合わせて、スーツ内に仕込まれた気室に空気を送って膨らませ、身体を締めあげて頭から血が下りてこないようにするという仕組みで、マイナスG(頭に血が上る)には対応してません。

次に、
気づいた方もいるかもしれませんが、前作含めF14は「高度がないと脱出できない」という演出になっていますよね。それに対しF-18のフェニックス&ボブはかなりの低空で脱出して、生還しました。

これはご都合主義ではなく、事実通りです。
旧世代の射出座席は、パラシュート等の性能により、ある程度の高度や速度がないと性能を発揮できませんでした(生還できない)。
だから、前作では「高度が落ちてるから早く脱出しないと!」という状況になっていて、今作でもマーヴェリックが「高度が必要だ」と急上昇をかけます。
しかし、現在の射出座席は改良されて「ゼロ・ゼロ座席」と通称されるものになっていて、高度ゼロ、速度ゼロで射出しても生還できるようになっています。

以前、航空自衛隊の古い練習機「T-33」がエンジントラブルで墜落する「T-33A入間川墜落事故」がありましたが、このときパイロットは二次被害を出さないよう、確実に入間川に落とすため最後まで操縦を続け、ギリギリで脱出。旧世代射出座席だったために、パラシュートが開ききらず殉職しています。パイロットはそのへんも理解してますから、どちらにせよ殉職することがわかっていたはずですが、あえて脱出したのは、座席が整備不良でなかったことを証明するため=整備員を想っての行動と言われています。
これが新しい射出座席だったら生還していたはずです。

追加15

一緒に行った友人に「なんでいちいち機体を回して、機体の上面方向に対して旋回するの?山越えとか急降下ならそのまま下に向かった方が早くない?」と聞かれました。

まあ理由いろいろあるんですが、飛行機は機体を傾け、機体上面方向に旋回するようにできてるんです。
まず、機体の制限Gは、プラスG(機首上げ)よりもマイナスG(機首下げ)のほうが許容値が低いです。これは機体構造がそもそもプラスG旋回を前提に作られているためです。
んで、人間はマイナスGに弱いというのもあります。フリーフォールの何倍ものフワッと感、考えただけでも嫌でしょう?
そして、パイロットはGに耐えるため「Gスーツ」を着ているのですが、これはGのかかり具合に合わせて、スーツ内に仕込まれた気室に空気を送って膨らませ、身体を締めあげて頭から血が下りてこないようにするという仕組みで、マイナスG(頭に血が上る)には対応してません。

次に、射出座席での脱出。
気づいた方もいるかもしれませんが、前作含めF14は「高度がないと脱出できない」という演出になっていますよね。それに対しF18のフェニックス&ボブはかなりの低空で脱出して、生還しました。

これはご都合主義ではなく、事実通りです。
旧世代の射出座席は、パラシュート等の性能により、ある程度の高度や速度がないと性能を発揮できませんでした(生還できない)。
だから、前作では「高度が落ちてるから早く脱出しないと!」という状況になっていて、今作でもマーヴェリックが「高度が必要だ」と急上昇をかけます。
しかし、現在の射出座席は改良されて「ゼロ・ゼロ座席」と通称されるものになっていて、高度ゼロ、速度ゼロで射出しても生還できるようになっています。

以前、航空自衛隊の古い練習機「T-33」がエンジントラブルで墜落する「T-33A入間川墜落事故」がありましたが、このときパイロットは二次被害を出さないよう、確実に入間川に落とすため最後まで操縦を続け、ギリギリで脱出。旧世代射出座席だったために、パラシュートが開ききらず殉職しています。パイロットはそのへんも理解してますから、どちらにせよ殉職することがわかっていたはずですが、あえて脱出したのは、座席が整備不良でなかったことを証明するため=整備員を想っての行動と言われています。
これが新しい射出座席だったら生還していたはずです。


&ルースター VS ロシアのハイテク機3機 | トップガン マーヴェリック | 映画シーン


マーヴェリックが自身のウイングマーク(パイロット徽章)を棺に打ち付けています。
これは実際の米軍でも行われているもので、もともとは海軍特殊部隊のネイビーシールズが始めたものだそうで、殉職者の棺に対し、仲間皆が自分のシールズ徽章を棺に打ち付け、「お前は永遠に俺の戦友だ」という証にしたのだそうです。
それが口づてに広がり、今は全軍で行われているようです(ただし正規の儀式ではない)。

それと並行して、海兵隊員(海軍ではなく海兵隊です。制服が異なります。)が弔銃(ちょうじゅう)を発射していますが、あれは空包(火薬だけ入った弾薬)を3斉射して死者を弔うセレモニーで、軍の世界では一般的なものです(自衛隊もやります)

そのあと、していきます。
あれはミッシングマン・フォーメーションといい、死者を弔うセレモニーです。
言うまでもなく、急上昇する機は死者の魂を表しており、天高く昇っていくのを仲間が見送る、という意味合いがあります。

ようはコブラだから劇中でコブラ機動大好きなマーヴェリックなら機体性能が同じならできると思う ..

そして「楽しい」というのはまさしく『トップガン マーヴェリック』のことでもある。初夏の超大作映画に観客が期待するものをすべて盛り込みつつ、スクリーンから飛び出してきそうなほどリアルなアクションが加わることでさらに高いレベルの作品に仕上がった。それは長く困難なミッションだったかもしれないが、トップガンのエリートばりの精密さによって、作戦は成し遂げられたのである。

これが本家本元コブラ機動 しかも最新Su-57が見せた! ..

追加13

特殊作戦続き3

F14離陸後、ルースターが骨董品と格闘します。
サーキットブレーカーの数に驚いてますが、サーキットブレーカーとは、家庭にあるブレーカーと基本的に一緒で、航空機の場合は多数の電装品や装備品があり、その一つ一つにブレーカーがあります。
ドラマや映画などでもよく出る、旅客機やヘリの操縦席の頭上にある多数のスイッチはほとんどがサーキットブレーカーです。
F18の場合、単座が基本なので、サーキットブレーカーもパイロットが操作しますが、最近の機体はある程度ブレーカーや装備品自体が集約化されているため、数としてはあの半分以下しかありません。だから最近の機体しか知らないルースターは驚いてるわけですね。
それに対し、F14は後席に乗っているRIO(「リオ」。レーダー迎撃士官)がそのへんの操作を行います。なので、マーヴェリックもどのスイッチを操作すればいいか程度の知識はパイロットとして知っていますが、スイッチの詳しい位置は知らないのです。
なお、RIOはパイロットではなく航法・武器システム専門家で、後席には操縦装置はありません。なので、前作のグースはよく見るとパイロットと違う徽章(フライトオフィサー)をつけてます。

これは、今作のボブとファンボーイも一緒(徽章の種類とパイロットではないこと)です。
また、ボブとファンボーイはWSO(「ウィゾ」。兵装システム士官)という役職で、F14のRIOとやってることは似てますが厳密には違います。
なお、ファンボーイは陽キャに見えますが、TACネームの「FAN BOY」とはオタクという意味であり、実はキャラ属性としてはボブと一緒なんですよね。

で、敵の5世代機に見つかった後のハンドサインですが、マーヴェリックは「おはようさん。通信機器がいかれちまったが、特に問題はないんやで。」といった意味のものを送っており、相手は「ほんじゃあ、3機で合同して敵をシバきに行くんやで。」といった意味のものを送ってます。
劇中のような戦術にかかわるサインは各国独自のため通じず、相手も疑問を持ったといいうわけです。

『トップガン・マーヴェリック』(1)航空機の撮影にまつわるあれこれ

追加12

特殊作戦続き2

ミッションインポッシブル開始。
F14をかっぱらうわけですが、まあやってることはトンデモなものの、必要な準備が済んだ状態の戦闘機が置いてあったなら、あの通りかっぱらうことが可能です。

始動の前、マーヴェリックが機械を起動しますが、あれは起動機といい、圧縮空気を作るためのものです。
ジェットエンジンは羽根車を何段にも重ねて・・・とお話しましたが、始動するには圧縮空気を送って羽根車を回し、燃焼室の空気を圧縮せねばなりません。
新しい世代の戦闘機(F18など)には、JFSと言って小型の補助ジェットエンジンが搭載されているので、これを起動(小さいので、機体に積まれた圧縮空気ボンベにより始動できる)し、圧縮空気を送ってメインエンジンを始動します。
しかし、F14はJFSがついていないので、ああいう支援装置により圧縮空気を送らないといけないのです。
片方のエンジンを始動後、ルースターが圧縮空気ホースを抜きますが、あれは反対のエンジンに付け替えるためです。

もう片方始動後、またホースを抜いて、さらに赤い札がついたピンを抜いてます。
あのピンはセーフティーピンといい、安全装置です。地上で作動したら困る武装などに取り付けられていて、これを抜くことで安全装置が解除されます。
赤い札には「RIMOVE BEFORE FLIGHT(飛ぶ前に抜け)」と書いてあります。よく空港のお土産にあるキーホルダーのアレです。

移動しながら、マーヴェリックが「キャノピー!」と言いますが「キャノピー(窓)閉めるから安全(挟み込みしないか)確認しろ」という意味です。ルースターは「クリア」で返しますが、そのまんま「ヨシ!」という意味。

その後、誘導路から無理やり飛び立ちますがw
翼を前進させるのは、離陸滑走距離を短くするためです。
F14は可変翼という形式の翼を採用しており、翼を可変させてその時に応じた適切な飛行性能を発揮できるようになっているのです。
基本的には、前進するほど低速での性能が良くなり、逆に後退すると高速での性能が良くなります。
通常は全自動制御になっており、高度計や速度計のデータをもとにコンピュータが管制しています。
が、いざというときのためにマニュアルモードもあり、マーヴェリックはそれを使っているのです(だから、誤操作防止の赤いフタをあけて操作している)。

マニューバ軌道を考えようぜ(トップガン:マーヴェリックの話5)

※本ブログのトップガン解説その4にF-14のコブラ動画を貼っています

ただ実は、敵の5世代機にはIRSTという赤外線センサー(操縦席の前にポコッと飛びだしてる丸っこいやつ)がついてるんで、低空に逃げられてレーダーを攪乱されてもミサイル撃てちゃうんですよね。この辺はいい意味のご都合主義ですね。

ほいで、5世代機の横方向にクルクル回るアレや、クイッと小旋回する機動。あれも実は可能なんですよ・・・。
Su-57は推力偏向ノズルというものを装備していて、ジェット排気を360度任意の方向に噴射できるので、ああいうことが可能なんです。ロシア戦闘機はこの推力偏向ノズルが十八番で、Su35等の4.5世代機でもできます。
これも嘘だと思うならこちらをご覧あれ↓

このSu-57はそこにスピンも入ってるのがキショい(褒) これ ..

追加11

特殊作戦つづき

敵の地対空ミサイルはS-125(SA-3「ゴア」)といい、骨董品レベルの旧ソ連製地対空ミサイルです。
しかし、骨董品とは言いつつも、兵器の世界では「枯れた技術」が盤石であるという考え方もあり、今でも一部通用するところはあります。
アナログであることから魔改造できるため、現実に改造を行ってステルス機を捕捉撃墜した実績もあるミサイルです。
んで、現実には捕捉レーダー、追尾レーダー、管制システム等多数のユニットが必要なんですが、まあその辺はいい意味のご都合主義でカットされてます。加えて、このミサイルは75°の限定された角度で発射するのが本来のところなんですが、映画では直接F18に向いてますね。これもいい意味の演出だと思います。

んでもって、あんなに多数を回避できるわけないやんwという意見もありますが、旧式で妨害に弱いんで意外とあの通りいけなくもないです。
回避の時にF18が「フレア」(囮熱源)を散布して回避してます。これは現実にもあるものですが、フレアは熱源(赤外線)誘導ミサイルに対する囮であり、S-125はレーダー誘導なので、フレア撒いても効きませんw
リアルに描くなら「チャフ」(対レーダー囮)を撒くべきなんですが、チャフは簡単に言えばアルミ箔の紙吹雪みたいなものなんで、絵面的にインパクトがないってことで、フレアにしたんでしょうね。
これもいい選択だったと思いますよ。
これに文句言うミリオタは10年くらいROMっててくださいw

マーヴェリック撃墜後は敵も撃ってこなくなります(助けに来たルースターを除く)が、あれはダガーが高度を下げたからです。
S-125のような初期のミサイルは、撃ち下ろしたり、低空の目標を狙うということが極端に苦手なので、理にかなった描写で、ご都合主義ではありません。
ルースターは山の稜線より上を、余裕ぶっこいて飛んでたので墜されたわけで、これもリアルな描写です。

なお、マーヴェリックを捜しに来た敵ヘリはMi24という実在の旧ソ連製戦闘ヘリです。あのいかにも悪役な外見がいい味出してます。

Is that Maneuver of fighters really ..

まず、空戦機動の1つにコブラと呼ばれるものがあって、高度を変えずに機首を上げることによって、空気抵抗を受けて一瞬で減速するんです。自分が追いかけられてるときにそれをすると、後ろの飛行機を前に行かせることができるんですよ。今作でも序盤から観られるんですが、「しょっぱなからエグいのかましてくるなあ」と思いました(笑)。空中戦って敵の上や後ろを取ることでしたり、旋回能力の差とかが勝敗を決めるんですよね。そういう場面を描いてくれることがすごくうれしいです。

トップガン マーヴェリック 213本目 23.03.27【友朱瑠の映画note】

ですが、前に1世代違うと大人と子供ほどの差があるといいました。
しかし、あれは遠距離・接敵前の話であり、あの距離で戦闘に入ったならば、まさに「最後はパイロットの腕」で、互角かそれ以上に戦えます。
F-14は現代でも通用する機動性を備えており、劇中のようなコブラ機動(厳密にはコブラ機動じゃないんですが難しい話になるので割愛)も可能です。
F-14は平べったい胴体が特徴ですが、あの胴体からも揚力(飛ぶ力)を発生させるため、高機動が可能なのです。
また、胴体は同時にストレーキ(F-18の翼から操縦席にかけて胴体に沿って伸びている、細長く平べったい部分)の役割も果たしています。これも機動を行う際に揚力を増す設計です。