AGAをタイプ別に分類したハミルトン・ノーウッド分類では、頭頂部…


性機能に関する副作用では、男性型脱毛症(AGA)が発症する年齢と、ED(勃起不全)が発症する年齢が似通っており、プラセボ(有効成分の入っていない偽薬)でもリビトー減退(性欲減退)やED(勃起不全)が報告されており、フィナステリドの薬による副作用なのかの判断は難しいところです。


AGAはまず額の生え際から始まり、頭頂部が薄くなるタイプ、前頭部が…

ポストフィナステリドシンドローム(PFS)とは、「フィナステリド成分を含む男性型脱毛症(AGA)治療薬の内服によって起こった副作用が、服薬中止後もそのまま継続している」という状態の総称です。
フィナステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬として開発されましたが、その発毛効果から、現在はAGAの治療薬としても使われています。投薬患者の98%に症状の改善(薄毛進行予防)が見られるという高い効果によって、世界中で最も多く使用されるようになりました。
フィナステリドの服用で、僅少ながら副作用の出る可能性があることは以前から知られています。日本で認可を受けている米国MSD社の長期投与による臨床試験では、48週間の服用で1.1%、96週間の服用で1.6%の被験対象者に、リビドー減退(性欲減退)、勃起機能不全(ED)、精液量減少などの副作用が発現したことが報告されました。また、頻度は不明ですが、肝機能障害、抑うつ症状、乳房圧痛・肥大などの副作用があったことも報告されています。
殆どの方が副作用を経験することなくフィナステリドでの治療を続けていますが、副作用が見られた場合、有効なのは投薬の中止です。フィナステリド成分が体から排出されてしまえば、症状は消失するからです。
しかし、2011年にアメリカ・ジョージワシントン大学の医師らの論文によって、「投薬中止後も、性機能の低下や、抑うつのような精神障害が持続している」という71名の症例が報告され(※1)、以降も症例報告が続いたことから、一躍問題視されるようになりました。
2012年には、アメリカで患者の治療支援などを行う、ポストフィナステリド症候群財団(PFS財団)が設立。また、日本でも厚生労働省の通達により、MSD社の「プロペシア錠」と、沢井製薬のジェネリック医薬品「フィナステリド錠」が、添付文書に「投与中止後も持続したとの報告がある」という一文を追加し、使用における注意喚起を促しています。

その効果と安全性で、多くの治療実績を積み重ねてきたAGA(男性型脱毛症)治療薬、フィナステリド(プロペシア)。しかし近年、「フィナステリドの服用をやめても、副作用が続く人がいる」という研究報告から、一連の症状が「ポストフィナステリドシンドローム(PFS)」として注目を集めるようになりました。これからAGA治療を考える方にとって、大きな不安の一つとなりそうなポストフィナステリドシンドローム(PFS)ですが、その原因は何なのでしょうか? フィナステリドによるAGA治療を安心して進めるための方法と合わせて考察を試みました。

フィナステリド(プロペシア)の効果はいつから? 副作用まで医師が解説

ミノキシジルは、頭皮の血流を改善しながら成長因子を誘導することで発毛を促進する成分です。フィナステリドとは異なるアプローチをする治療薬であり、併用することで高い治療効果が期待できます。

また「フィナステリド」は、併用する際に注意が必要な薬も指定されていません。一方で同じAGA治療薬である「デュタステリド」は「CYP3A4」と呼ばれる薬を代謝する際に働く酵素の働きを抑える薬(リトナビルなど)と併用すると、薬の分解が遅れることがあり、併用注意薬に指定されています。

頭頂部の髪が薄くなる現象は、特に20代の若い男性に多く見られます。この ..

基本的には、フィナステリドはです。一方で、費用の面から2日に1回の服用にされて様子を見られる方もいらっしゃいます。それで抜け毛が増えず現状維持できるようであれば、フィナステリドの服用回数をご自身で調整されても良いでしょう。もし、抜け毛がまた増えてくることがあれば、毎日1錠の服用に戻しましょう。

フィナステリドは守りの薬、いわば「抜け毛を進行させない薬」であるのに対し、攻めの薬のミノキシジルという「発毛を促す薬」も存在します。ミノキシジルは外用薬と内服薬がありますが、より効果が高いのは内服薬です。

頭頂部の薄毛(つむじはげ)は治せる? 【医師が原因と対策を解説】

フィナステリドは男性ホルモンに影響を与えるため、男性機能障害を引き起こすことがあります。
フィナステリドの添付文書によると、副作用の発現率はリビドー減少が1~5%未満、インポテンツ・射精障害・精液量減少が1%未満と記載されています。頻度は不明ですが、男性不妊症・精液の質低下、精子運動性低下なども報告されています。
発現率は低いものの、妊活を予定している方などは医師に相談するようにしましょう。

フィナステリドは、プロペシアのジェネリック医薬品です。プロペシアと同様、5αリダクターゼⅡ型に作用します。ジェネリック医薬品のため、主成分などは変わらず、効果の差もほとんどありません。AGA治療にかかる費用を抑えたい方におすすめです。


プロペシア・ザガーロ・フィナステリド・デュタステリド(内服薬)

いくつかの研究では、AGAのためフィナステリドを投与した男性の疲労、無気力、だるさの報告の報告あります。フィナステリドとの因果関係は不明です。
また別の研究によると、皮膚の変化、最も一般的なものとしては乾燥肌が見られてきました。DHTは皮脂の産生を刺激することが知られており、フィナステリドは血清DHT値を下げるため、それにより皮脂の産生が落ちると、乾燥肌を引き起こす可能性がありますが、因果関係は不明です。

思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。 AGAの治療法

女性化乳房、乳房組織の拡大は、フィナステリド治療を受ける男性で報告された副作用です。男性乳癌はフィナステリド(5mg)を、女性化乳房はフィナステリド(1mgと5mg)およびデュタステリド(0.5mg)を用いた場合に注目されていましたが、いずれも偽薬でも報告されており因果関係は不明です。

AGA(男性型脱毛症)は頭頂部と前頭部、いわゆるつむじと前髪の生え際 ..

フィナステリドは0.2mgを1日1回服用から開始する場合もありますが、1日1mgを上限として増量することができます。フィナステリドが効かない場合、増量することで効果を実感しやすくなる可能性があります。
ただし、先ほどもお伝えしたように自己判断で薬を増やしてはいけません。医師に相談したうえで、用法用量を守って服用しましょう。

フィナステリドの効果と服用のポイント|AGA治療薬の特徴を解説

フィナステリド・デュタステリドは、活性型男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン」の生成を抑える薬です。数日薬を飲み忘れたからといって、急に「ジヒドロテストステロン」が増えて、抜け毛が増えるということはありません。気長に服用を続けることがなにより大切です。

頭頂部は目視できないことから気付きにくいのですが、鏡を見たり、抜け毛の多さや ..

AGA治療薬の中でも、高い効果をあげているのがミノキシジル外用薬。血流の改善や髪の毛の細胞の分裂・増殖を促進する効果が期待できます。プロペシアと全く違うメカニズムで発毛を促進するため、併用しても過剰治療になることはありません。体の中と外(頭皮)に同時にアプローチすることで、より効果的にAGA治療を行うことが可能です。個人差はありますが、こちらも治療開始から6か月ほどで効果を実感できます。
髪の毛が生えるサイクルを整えると同時に、健康な髪をつくる栄養を摂ることも大切です。髪の主原料となるたんぱく質は動物性(肉、魚)と植物性(豆)をバランスよく摂り、髪質を守る亜鉛や鉄分、メラニン色素の合成に欠かせない銅などのミネラル類、そしてビタミンB群やビオチンといったビタミン類も不足しないように摂りましょう。また、より効果的なAGA治療を行うためには、自分の体が健康であることが第一。バランスのよい食生活を心がけることで発毛が促進され、生えてくる髪も丈夫になります。

男性ホルモンが前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞に作用し、毛乳頭細胞より、毛の発育を ..

フィナステリドの服用を始めて間もない場合は、まず半年以上の継続を目指しましょう。
フィナステリドを服用することで乱れたヘアサイクルを正常に戻す効果が期待できますが、髪の毛が育つまでには時間がかかります。フィナステリドの添付文書にも、「効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要」と記載されています。
半年服用したのにも関わらずフィナステリドが効かないと感じる場合は、医師にご相談ください。

ところがこのヘアサイクルが乱れ、成長期が短くなり、毛髪が十分に伸びる前に抜けてしまい、頭頂部 ..

2009年に東京メモリアルクリニック平山で実施した3177名の男性における臨床試験の結果から、フィナステリド1mgは、高い効果を示した一方、副作用は被験者の0.7%(23/3177)にみられました。副作用は性欲減退が最も多いのですが、プラセボ(偽薬)と比べて性欲減退は優位とは言えません。すなわちフィナステリドと制欲減退の因果関係は明らかではありません。

人により症状は様々ですが、生え際の後退によるM字型脱毛や、頭頂部の薄毛・脱毛が多くみられます。 ..

フィナステリドの効果を発揮するには、正しい服用方法を守ることが大切です。服用するタイミングに決まりはありませんが、時間を決めておけば飲み忘れを予防しやすいでしょう。
フィナステリドは1日1mgを上限として、 1日1回服用します。効果が確認できるまでは、使用を6ヵ月続けるのが基本です。
また、個人輸入は偽物や粗悪品の可能性があるので、クリニックで処方される正規品を服用することをおすすめします。

【AGA治療薬】プロペシア(フィナステリド)とは?効果や副作用

フィナステリドにはAGAの進行を抑える効果があるとお伝えしましたが、生活習慣の改善や効率的な栄養素の摂取などに取り組めば、さらに効果を高められることが期待できます。

DHTが結合する男性ホルモン受容体は前頭部から頭頂部の毛根にあり、側頭部 ..

服用時間は特に関係がありませんので、フィナステリドは、朝服用しても、お昼に服用しても、夜に服用しても問題なく、おおよそ24時間おきになるように、1日のうちで飲みやすい時間を設定して服用してください。 飲み忘れないようにするために、例えば洗面台においておき、毎朝髪の毛をセットされる際に1錠服用するなど習慣にすると良いでしょう。

前頭部や頭頂部の男性ホルモン感受性毛包において、DHTが結合した男性ホルモン ..

下記記事では、フィナステリドの効果が実感できない原因について詳しく解説しています。合わせてご覧ください

遺伝的なものと男性ホルモンの影響を受け、思春期以降に前頭部~頭頂部の毛が細く、軟らかくなる進行性の脱毛です。 ..

症例は報告されているものの、ポストフィナステリドシンドローム(PFS)の原因そのものはまだ明らかになっておらず、有効な治療方法も見つかっていません。ただ、今日までの研究により、現在いくつかの説が浮かび上がってきています。
1つめは、ネガティブフィードバックによる、テストステロンの生成量減少から起こる?という説です。フィナステリドは、5aリダクターゼという酵素の働きを阻害することで、体内にある男性ホルモンのテストステロンが、AGAの原因となるジヒドロテストステロンに変換されるのを抑制する薬です。
フィナステリドを投与すると、テストステロンは変換されないため一時的に体内濃度が上昇します。すると体内恒常性を保つために、体はテストステロンの生成を抑制するようになります(ネガティブフィードバック)。この状態が続くと、テストステロン生成に関わる脳の命令伝達機能や器官(睾丸など)が衰え、薬の投与がなくなっても、テストステロンの体内生成量が元に戻らないことから、副作用が続くのではないか?というのが説の概要です。
しかし、この説に関しては疑問が残ります。なぜなら、同じような作用機序をもつ別の薬では、このような症状が起こっていないからです。例えば、前立腺がんや前立腺肥大症を治療する「アンドロゲン受容拮抗薬」は、テストステロンを受容体と結合させない働きがあるため、フィナステリドと同様、服薬中はテストステロンの体内濃度が上昇します。するとネガティブフィードバックにより、投薬中止後に同じような症状が現れてもおかしくないはずなのですが、そのような症例報告はありません。
2つめは、うつなどの精神障害が残るのは、神経ステロイドの生成量減少が原因?とする説です。
フィナステリドを投与すると、ジヒドロテストステロンの産生が減少するため、代謝物として一緒につくられる神経ステロイド「アンドロステンジオール」の生成も減少します。また、他の神経ステロイド「アロプレグナノロン」や「テトラヒドロデオキシコルチコステロン」の生成も減少します。神経ステロイドには精神を安定させる効果があり、量が減ることで気力の減退や抑うつ症状が出ることがあることが知られています。投与中止後も、神経ステロイドの生産量が増えずに精神障害が続くのではないか、というのです。
そして3つめは、患者さんの精神的な要因が症状の原因になっている?とする説です。
2019年に発表されたスイスの皮膚科・毛髪疾患センターの医師らによる論文(※2)によると、フィナステリドの副作用の可能性について通知を受けた患者さんの間で、重要なノセボ効果(反偽薬効果/成分を含まない薬であるのに、フィナステリドを服用したような副作用や有害作用が現れること)が認められたこと、また、元からメンタルヘルス障害や抑うつ症状を抱えている方はポストフィナステリドシンドローム(PFS)のリスクが高くなる傾向があること、そして「ポストフィナステリドシンドローム(PFS)は体調に不調が現れるタイプの妄想性障害である可能性が高い」ことを述べています。これは言い換えれば、精神的要因が身体的症状を生み出しているかもしれない、ということです。
2や3の説の裏付けにはさらなる研究が待たれますが、ポストフィナステリドシンドローム(PFS)が精神的要因と結びついている可能性は、決して少なくないように思われます。

なお、プロペシアは頭頂部への効果は認められていますが、肝心の前頭部にはあまり効果がありません。 院長 藤田

そのため、フィナステリドで治療を行う場合は最低でも6か月は服用を続けてください。それでも効果が見られない際は医師に相談しましょう。