【日本】日医工、221品目の販売中止。ジェネリック供給懸念が高まり


処分理由は①日医工の富山第一工場で品質試験不適合品を製造販売承認書と異なる製造方法で適合品となるように処理していた、②製造販売承認書と異なる方法で製造された医薬品を販売した、③適切な製造管理や品質管理が行われるよう管理監督していなかった─など。


製品名 薬価 日医工製品 アモキシシリンカプセル250mg「日医工」 10.10 先発品 サワシリンカプセル250 15.30

■PMDAなどの立入検査で発覚、自主回収75品目に
これらの問題は、2020年2月下旬に行われた医薬品医療機器総合機構(PMDA)と富山県による富山第一工場への立入調査を契機として発覚。日医工は市場に流通している自社製品のリスク評価を実施し、2020年4月から2021年1月にかけて75品目に上る自主回収を行った。

日本ジェネリック製薬協会(会長:澤井光郎沢井製薬会長)は3日、日医工への行政処分について「2月の小林化工に続いての重い行政処分であり、患者様をはじめ関係者の皆様に対し心よりお詫び申し上げる。日医工に対しては、行政処分の発表を踏まえ、協会としても厳正な対応をとっていく」とのコメントを発表した。

日本薬局方 アモキシシリンカプセル アモキシシリンカプセル125mg ..

富山県は3月3日、ジェネリック医薬品大手の日医工に対し、医薬品医療機器等法に基づく行政処分として32日間(3月5日~4月5日)の製造業の業務停止と24日間(3月5日~3月28日)の製造販売業の業務停止を同日付で命じたと発表した。

日医工は3月3日、221品目の医薬品の販売中止を発表した。同社は2月末時点で1,496品目を製造していたが、約15%に相当する製品が販売中止となった。2020年から始まった同社の品質管理問題が長く尾を引いている。

自主回収に関するお知らせ(医療関係者から患者様へ説明するための文書)

同社は、2020年に製品の自主回収(リコール)を複数回発表し、35品目を回収。同時期に同じくジェネリック医薬品(後発医薬品)大手の小林化工でも、医薬品混入事件が発覚しており、ジェネリック医薬品全体の信頼失墜をおそれた日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会は同12月に、「ジェネリック医薬品関連で発生している各種回収事案についての緊急声明文」を公表。両社に対し、第三者第による調査団の受け入れ、再発防止策の立案並びにその公表を要請していた。

しかし日医工は再び2021年1月、医薬品38品目の自主回収を発表。同年2月には、富山県と医薬品医療機器総合機構(PMDA)の合同による無通告査察を実施するに至り、富山第一工場で厚生労働省のGMP(Good Manufacturing Practice)省令違反の疑いが発覚。その後の調査で薬機法違反が確認され、同3月に行政処分を科された。製品の初回試験の不適合の結果、原因究明を行わず、合格がでるまで繰り返し、再試験を実施している等の慣行が明るみとなった。結果、富山第一工場は32日間の業務停止、第一種及び第二種医薬品製造販売業は24日間の業務停止となった。富山第一工場は4月26日に業務を再開している。

参考品の一部のPTPシートにピンホール(アルミ面の微小な穴)が認められましたので、該当ロットを市場から自主回収することといたしました。

マイナビDOCTOR 編集部からのコメント
ジェネリック医薬品大手の日医工でも業務停止命令が出されました。処分内容は32日間の製造業の業務停止と24日間の製造販売業の業務停止です。理由として①品質試験不適合品を製造販売承認書と異なる製造方法で適合品となるように処理していたこと②製造販売承認書と異なる方法で製造された医薬品を販売したこと③適切な製造管理や品質管理が行われるよう管理監督していなかったことなどが挙げられており、小林化工に続き、ジェネリック医薬品への信頼性の確保が危ぶまれる一件となりました。

同社は同11月2日、86品目の販売中止を公表。ここで第1弾の販売商品縮小が決まった。同11月4日には、9月中間連結決算で約356億円の債務超過に陥ったと発表。同時に、企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が管理・運営する合同会社ジェイ・エス・ディーを割当先とする総額200億円の第三者割当増資を発表した。加えて、メディパルホールディングス傘下の医療用医薬品等卸売事業会社が、同社に計画発注することで、売上を早期に確保していく施策も表明した。これにより、株主構成は、ジェイ・エス・ディーが89.99%、メディバルホールディングスが0.99%となった。この時点で。田村友一代表取締役社長の退任が発表された。さらに12月、本事業再生ADRが成立し、全15の金融機関が、最大で債権の6割強にあたる985億円を放棄することで同意した。


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その中での今回の221品目の医薬品販売中止が決まった。そのうち、日医工及び委託製造所を含む関係者で代替薬を準備した品目が93品目。日医工が製造販売中止する数量を、他社が増産する品目が62品目。出荷停止案内済の製品とその規格揃え品目及び市場における存在感の低い品目が60品目。2020年5月より出荷停止しており、代替薬が使用されている品目が2品目。さらなる供給不足が懸念されている。