リンパ性悪性腫瘍におけるdexamethasone投与の意義についての研究


粘膜や腺組織に発生する低悪性度のB細胞リンパ腫で、胃やその他の消化管、肺、甲状腺、唾液腺、涙腺などに多く認められます。特に胃のMALTリンパ腫に関しては半数以上の方でピロリ菌が原因とされており、ピロリ菌の除菌のみで良くなることがあります。唾液腺や甲状腺に発生するものは、シェーグレン症候群や橋本病といった自己免疫性疾患による慢性炎症が発生の機序であると考えられています。進行はきわめて緩徐で、無治療で経過をみることもあります。治療は、状況に応じて放射線療法、リツキシマブ単独療法やBR療法、R-CHOP療法などを行います。


このうち、DLBCL と FL は B 細胞リンパ腫に、ATL は T 細胞リンパ腫にそれぞれ分類されます。 ..

低悪性度リンパ腫で最も頻度が高く、最近日本で増加しているB細胞リンパ腫です。無治療で経過を観察したり、病気が限局している場合には、リツキシマブ(B細胞リンパ腫に発現しているCD20抗原に対する抗体)の単独療法や放射線治療を行いますが、進行期では、ベンダムスチンという抗がん剤とリツキシマブを併用したBR療法やリツキシマブとエンドキサン、アドリアシン、オンコビンという抗がん剤、プレドニゾロンというステロイドホルモンを併用したR-CHOP療法などが治療の選択となります。BR療法やR-CHOP療法終了で良好な効果が得られれば、その後は、半年おきにリツキシマブを用いた維持療法を4コース施行しています。再発時には、BR療法の再投与を行っています。また、治療抵抗性となった場合には、同種造血幹細胞移植も積極的に行っています。

非ホジキンリンパ腫で最も多く30-40%を占める中悪性度リンパ腫です。高齢者に多いですが、どの年代の方にも認められます。診断時よりリンパ節をはじめ、全身の様々な臓器に病変を持つことも少なくありません。限局期では、R-CHOP療法3-4コースの後に病変部位に放射線療法を併用します。進行期では、R-CHOP療法を6-8コース行います。これらの治療で限局期の70-90%、進行期では50-70%の割合で治癒が期待できます。再発した場合は、年齢、体の状態に応じて、化学療法や自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法などを行います。

○悪性リンパ腫(リンパ肉腫症、細網肉腫症、ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉症)及び類似疾患(近

20歳前後の若年者と60歳前後の高齢者に起こりやすいリンパ腫で、日本では悪性リンパ腫の5-10%を占めます。治療法にはアドリアシン、ブレオ、エクザール、ダカルバシンという抗がん剤を用いたABVD療法という化学療法を行います。限局期ではABVD療法を2-4コース行った後に局所放射線治療を行います。進行期ではABVD療法を6-8コース行います。また、治療後に再発してしまった場合には自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行ったり、ホジキンリンパ腫など一部の悪性リンパ腫に発現しているCD30抗原に対する抗体に細胞分裂を阻害する抗がん剤を結合させた新薬(ブレンツキシマブ ベドチン)や免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ)などによる治療も積極的に行っています。

マントル細胞リンパ腫はB細胞リンパ腫で、リンパ節だけでなく脾臓や消化管などの臓器にも腫瘤を作る悪性リンパ腫です。進行は比較的緩徐です。病気の進行のスピード、年齢などによって、他のB細胞リンパ腫で用いられるBR療法やR-CHOP療法、治療強度を上げたR-hyper CVAD/MA交代療法(リツキシマブ、エンドキサン、アドリアシン、デキサメタゾン、メソトレキセート、キロサイド)、R-CHOP/R-HDAC交代療法(リツキシマブ、エンドキサン、アドリアシン、オンコビン、プレドニゾロン、高用量キロサイド)、そして自家末梢血造血幹細胞移植を併用して大量化学療法などの治療を選択します。

GDP | 悪性リンパ腫救援療法 | レジメン | 適正使用ガイド | HOKUTO

悪性リンパ腫の治療は悪性リンパ腫のタイプ、病期によって異なります。また、治療には比較的副作用が少なく、比較的体力の少ない患者さんでも行うことができる治療から、多剤併用化学療法や造血幹細胞移植のように患者さんにとって大変負担になるような治療まで様々です。悪性リンパ腫の治療はこれらを総合して決められるので、同じ悪性リンパ腫であっても治療法が異なることがあります。

高悪性度のB細胞リンパ腫で、小児と30-50代の若年者に多く認められますが、悪性リンパ腫全体の1%程度と比較的まれなリンパ腫です。腹部に腫瘤を形成する場合や、末梢血中に腫瘍細胞を認め、白血病のようになることもあり、ほぼ全例が進行期で診断されます。化学療法としては高強度の治療が行われることが多く、当院では治療に耐えられる方であればR-hyper CVAD/MA交代療法を行っています。

[PDF] 副腎皮質ホルモン剤 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液

悪性リンパ腫の診断には、腫れているリンパ節や腫瘤を一部あるいは全部を外科的に取り出して、その組織を顕微鏡でみることが不可欠です(病理診断といいます)。一般的に局所麻酔を使って外来で対応できます。外から触れない場所の場合は、胃カメラ、大腸鏡、CTや超音波(エコー)を使い、針を刺して組織をとる場合もあります。検査によっては入院が必要になる場合があります。また、骨髄検査、髄液検査という検査も必要です。これは骨の中の骨髄という血液を作っている場所や、脳を取りまいている髄液という液体にリンパ腫の細胞がいるかをみる検査で、通常外来で施行します。診断が確定すると、次は病気の広がり(病期)を診断するために、PET/CTという検査を使って、病変がどの位広がっているかを調べます。治療方針を決める上で重要な情報になります。大きく分けると、横隔膜という胸と腹を分ける線より片側だけに病気がある場合を限局期(I 期・II 期)といい、横隔膜の両側、つまり胸側にも腹側にも病気がある場合を進行期(III 期・IV 期)といいます(図2)。それぞれの病期において、「発熱、体重減少、寝汗」といった全身的な症状(=B症状)があるかないかで、AとBに分けます。

悪性リンパ腫全体の5%程度を占めるリンパ腫で、発熱などのB症状を伴い、全身のリンパ節腫脹、多臓器に浸潤していることもあります。一般的にはCHOP療法などの化学療法が行われています。再発することも多く、その場合には、同種造血幹細胞移植などを行うこともあります。HDAC阻害薬(イストダックス)やPNP阻害薬(ムンデシン)、葉酸代謝拮抗薬(ジフォルタ)が新規治療薬として登場し、効果が期待されています。


[PDF] BDR (ボルテゾミブ+デキサメタゾン+リツキシマブ)

-詳細な科学的定義や、この治療薬に対する別名
-治療薬に関する重要な情報を一般の方向けの言葉でまとめています。内容は次のようなものです。
・この治療薬に対するFDAの警告や注意
・この治療薬の適応症、使用方法
・この治療薬の使用の前に担当医に伝えておくべきこと
・この治療薬の使用の前に知っておくべきこと
・この治療薬と相互作用がある可能性のある他の薬剤
・起こりうる副作用

治療薬は、すでに承認された適応以外にも治療や予防に役立つ効果があるかどうか別の試験で調べられることがあります。この患者向け『薬剤情報』では、承認された用法のみ記載していますが、情報の大部分は、現在試験が行われている未承認の使用法にも適応されることでしょう。
-現在患者を受け入れているがん領域のNCI臨床試験リスト

悪性リンパ腫(原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞性リンパ腫)

血管免疫芽球性T細胞リンパ腫は、一般的には進行の速いリンパ腫に分類されますが、中には緩慢な経過をたどる症例もあることが知られており、経過、症状は個々の患者さんにより様々です。治療としては、CHOP療法やステロイド単剤、シクロスポリン単剤の有効性が報告されています。症状、経過が多彩なため、個々の状態により選択される治療が異なることがあり、診断後すぐに治療を開始せずにしばらく無治療で経過をみることもあります。一方、再発が多く、治療を繰り返すことで免疫力が低下し、通常の状態では感染しないような弱い病原体の感染症の合併が多くみられ、治療成績を低下させる一因となっています。

② デキサメタゾン注 33mg (10mL) + 生食 100mL 点滴静注 30 分 (200mL/時間)

抗がん剤の副作用に対する支持療法で使われる一方で、がん細胞のアポトーシス(自殺)を誘発することから、白血病などの血液のがんの治療薬として用いられています。
特に多発性骨髄腫では、VAD療法(ビンクリスチン+ドキソルビシン+デキサメタゾン)の1剤として使われています。

デキサメタゾン 40mg/body 内服 day1 , 2 , 3 , 4

成人T細胞白血病/リンパ腫はヒトT細胞リンパ球向性ウイルスI型(HTLV-1)が原因で発症し、日本など一部の地域に認められるT細胞腫瘍です。血中に異常リンパ球が認められる白血病のような病型であるくすぶり型、慢性型、急性型と異常リンパ球がリンパ腫のように腫瘍を作るリンパ腫型があります。成人T細胞白血病/リンパ腫は治癒が困難であり、無症状のくすぶり型と一部の慢性型では経過観察を行いますが、その他の慢性型、急性型、リンパ腫型に関して多剤併用化学療法を行い、状況によっては同種造血幹細胞移植を行います。また、最近では成人T細胞白血病/リンパ腫の90%の方で腫瘍細胞に認められるCCR4に対する抗体であるモガムリズマブを用いた治療が可能となり、その治療効果が期待されています。

また,中枢神経系原発悪性リンパ腫が疑われる場合には病理診断前の ..

デキサメタゾンは、炎症を軽減し、身体の免疫反応を抑制する(低下させる)ための使用に対して承認されています。

デキサメタゾンは、以下のタイプのがん治療において他剤との併用で使用されています。

・白血病
・リンパ腫

・多発性骨髄腫
・菌状息肉症(皮膚T細胞リンパ腫の一種)

デキサメタゾンは、がんに関連する次の症状の予防または治療においても単剤または他剤との併用で使用されています。

・貧血
脳腫瘍に関連した脳浮腫(脳内での体液の蓄積)
・薬物過敏症(アレルギー反応)
・高カルシウム血症(血中カルシウム濃度の高値)
・血小板減少症(血小板数の低値)

デキサメタゾンは、その他の多くの疾患および病態の治療に単剤または他剤との併用で使用されています。また、多くのがん種やその他の病態の治療について試験が行われています。

デキサメタゾン・ドキソルビシンを中心にシタラビン・エトポシドの薬剤を ..

化学療法を受けている間は、抗がん剤の影響で血液中の白血球・赤血球・血小板が一時的に減ります。白血球が減っている期間は肺炎などの感染症を起こしやすくなるので、外出から帰宅した時のうがいや手洗いをしっかりしていただくことが大切です。外出を過度に控えたり、極端に人ごみを避ける必要はありません。38℃以上の発熱時には、外来治療が困難な場合があり、その際には抗菌薬投与等のため入院を指示する場合があります。治療効果は食事により影響を受けることはありません。特別にある食事が治療の助けになるとか、逆にこの食事はいけないということはありません。バランスのよい食事を心がけることが大切です。また、治療中の重労働と長期の旅行は望ましくありませんが、軽作業は通常可能です。詳しくは主治医とよく相談をしましょう。

デキサメタゾン:16.5mg/週 Day1,2,8,9,15,16,22 1サイクル:28日

このページは、米国国立がん研究所(NCI)「Drug Information」に基づいて作成しています。
薬剤の簡単な解説と、本治療薬の用法、関連ニュース、研究結果および現在進行中の臨床試験に関する情報へのリンク集です。最新情報は、下記の原文ページでご覧ください。

20mg/body day1,4,8,11 day1,2,4,5,8,9,11,12

一度治療が効いたにもかかわらず再発してしまった方に対して、積極的に新規薬剤、造血幹細胞移植による治療を行う方針としています。悪性リンパ腫の病型にも異なりますが、一般的に悪性リンパ腫の再発に対してはご自身の骨髄から血液の元となる細胞である造血幹細胞を採取して大量化学療法を施行した後に移植する自家造血幹細胞移植を行うことが推奨されています。当院では自家造血幹細胞移植をはじめ、場合によっては親族、骨髄バンクドナーや臍帯血バンクから造血幹細胞をもらって移植する同種造血幹細胞移植を積極的に行ない良好な治療成績を得ています。