重症急性咽頭・扁桃炎におけるレボフロキサシン(500 mg)


リウマチ熱の予防目的のため、症状が改善傾向であっても GAS 急性咽頭炎に対して抗菌薬治療を行うことは妥当で、かつ10日間治療することが重要とされています。なお、GAS 感染後の急性糸球体腎炎は抗菌薬を投与しても予防できません。


Q5 溶連菌性咽頭炎、急性⿐副⿐腔炎などの急性気道感染症や急性中⽿炎に対する抗菌薬治療に

A群β溶血性レンサ球菌 (GAS) による急性咽頭炎に対する抗菌薬治療

※海外のガイドラインではGAS急性咽頭炎に対して1回500mgを1日2回または1回1000mgを1日1回の投与法が記載されています。いずれも投与期間は10日間です。

急性咽頭炎: 風邪の症状と同じで、のどが痛くなり熱が出て、のどや口の中が ..

急性咽頭炎の症状が強い場合は、対症療法を要することがあります。発熱や咽頭痛に対してはアセトアミノフェン (カロナール他)、イブプロフェン (ブルフェン他)や漢方薬 (桔梗湯、小柴胡湯加桔梗石膏など) を用います。一般的には、最初の2~3日が症状のピークで、あとは1週間から10日かけて徐々に良くなってきます。3日ほど様子をみて良くならないようなら再診してください。万が一、のどの痛みが強くなって水も飲めないような状態になったら、すぐに受診してください。

成人の咽頭炎の多くはウイルス性であり、抗菌薬は不要である。特に咳、鼻汁、嗄声など咽頭以外の症状を伴う場合には、ウイルス性の可能性が高い。成人では細菌性咽頭炎は20%程度で、その多くがA群溶血性連鎖球菌(GAS)によるため、ペニシリンGまたはアモキシシリンで治療する。治療の目的は、症状の緩和(1-2日間罹病期間が短縮)、扁桃周囲膿瘍のような化膿性合併症の予防(NNT27)、周囲への飛沫感染予防(投与後24時間で感染性が減少)、リウマチ熱の予防(NNT3000〜4000)である1)

流行時期にもよりますが、小児の急性咽頭・扁桃炎の15〜30%を締めます。 ..

「かぜ」を引いた時の「急性咽頭炎」は、ほとんどがウイルスによるもので、抗生物質 (抗菌薬) は効きません。うがいしたり、痛みを和らげる薬で自然軽快を待ちます。「抗微生物薬適正使用の手引き第一版」でも「迅速抗原検査または培養検査でA群β溶血性レンサ球菌 (GAS) が検出されていない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する」とあり、抗菌薬治療の適応は GAS のみです。GAS による急性咽頭炎はしばしば自然軽快しますが、抗菌薬治療が必要な理由は、

clsaacによるModified Centor criteria2)
年齢、症状、身体所見から、検査・抗菌薬治療の必要性を判断することができる。2点以上の場合には、A群溶連菌迅速抗原検査(Strep)を行う。感度70〜90%、特異度95%。陽性の場合は抗菌薬治療を行う。陰性の場合は、小児・青年期では、さらに咽頭培養(より感度が高い)を行うことがあるが、成人では不要3)。ただし、迅速検査と咽頭培養を同時に行うと保険で切られてしまうため注意を要する。

急性咽頭炎(のどの炎症); 膿痂疹(のうかしん:皮膚の炎症); 蜂窩織炎(ほうかしきえん ..

抗菌薬治療の必要性
迅速検査や咽頭培養が陽性であれば治療する。迅速検査が陰性でもCentor criteriaで合計3点以上の場合は、偽陰性の可能性(およびC群・G群溶連菌やFusobacterium属が原因菌である可能性)を念頭に治療を検討してもよい4)

治療4, 5)
ペニシリンG(バイシリンG®)が第一選択であったが、現在国内で流通していない。そのため、現在は、アモキシシリンを第1選択とする。ただし、EBウイルスによる伝染性単核球症(GAS咽頭炎と症状・所見が似ている)の場合、高率に皮疹を起こすので、注意して使用する。ペニシリンアレルギーがある場合にはクリンダマイシンを使用するが、即時型反応でなければセファレキシンを検討してもよい。日本ではマクロライド耐性溶連菌が増加しているのでクラリスロマイシンやアジスロマイシンは使わない。咽頭炎にレボフロキサシンや広域セファロスポリンを用いる意義はない。難治性、再発性の場合、扁桃周囲膿瘍などの重症例を疑う場合は、感染症コンサルトを考慮する。


A群溶血性連鎖球菌の一般的な感染症は、急性咽頭扁桃炎です。治療が行われないと ..


レンサ球菌はグラム陽性球菌で、細胞壁の多糖体の抗原性によりLancefield A〜V 群(I, J は除く)分類されている。本疾患の原因菌はこのうちのA群に属し、ヒツジ赤血球加血液寒天培地上でβ溶血(完全溶血)をおこすので、A群β溶血性レンサ球 菌(溶連菌)と呼ばれる(α溶血は不完全溶血、γ溶血は非溶血を指す)。菌種名としては化膿レンサ球菌() が使用される。A群溶血性レンサ球菌のほとんどは細胞表層に蛋白抗原としてM 蛋白とT 蛋白を有しており、これらの抗原性により、さらに型別分類される。M蛋白には100以上の型が、T蛋白には約5 0 の型が知られている。また、この菌は溶血毒素、発熱毒素(発赤毒素)、核酸分解酵素、ストレプトキナーゼなど、種々の活性蛋白物質を産生して細胞外に分泌 し、種々の症状を起こすと考えられている。

3 歳以下の幼児がA群溶血性レンサ球菌に罹患すると急性咽頭炎になることは少なく、 ..

治療にはペニシリン系薬剤が第1選択薬であるが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応となり、また第1世代のセフェムも使 用可能である。いずれの薬剤も少なくとも10日間は確実に投与することが必要である。除菌 が思わしくない例では、クリンダマイシン、アモキシシリン/クラブラン酸、あるいは第2世代以降のセフェム剤も使用される。
予防としては、患者との濃厚接触をさけることが最も重要であり、うがい、手洗いなどの一般的な予防法も励行する。接触者に対する対応としては、集団発生などの特殊な状況では接触者の咽頭培養を行い、陽性であれば治療を行う。

[PDF] A 群溶血性レンサ球菌による咽頭・扁桃炎の多施設 解析

ゴールデンウィーク明けより発熱外来を受診される患者さんが増え続けておりますが、直近の5~6月は強い咽頭痛を自覚される患者さんのうち溶連菌感染症と診断された方が当院でも少なからずおります。

急性咽頭炎に対してはアモキシシリン水和物が第一選択抗菌薬とされており、10 日間の

そこで今回は、咽頭痛の原因の一つとして知られる溶連菌感染症について説明したいと思います。