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ところが、イギリスからレンドリースに回されて受領したソ連では全く違う評価を受けました。
ソ連がドイツと戦う東部戦線のメインは地上部隊同士の戦いで、両軍の飛行機の任務はほとんどが低空での地上支援で、中高度以上での戦闘など偵察機とそれに対する迎撃くらいしかありません。


航空ショーでの着陸飛行機 P63 キング コブラ第二次世界大戦戦闘機

つまり低空での性能さえあれば良く、しかも地上攻撃に活用できる大火力があればいうこと無し! というわけで、37mm機関砲で戦車や自走砲などドイツ軍地上部隊をバリバリ攻撃できて、低空ならドイツ軍戦闘機に負けないP-39は大好評だったのです。

結果、太平洋戦線ではP-38やP-47が登場すると急速に姿を消していきますが、それまでは戦闘爆撃機として、そして爆弾を投下すればそのまま低空で日本軍の戦闘機に立ち向かい、犠牲を出しながらも戦い続けたのです。

航空ショーでの着陸飛行機 P-63 キング コブラ第二次世界大戦戦闘機 - ストックフォト・写真素材 ..

しかし太平洋戦線に送られたP-39は、日本軍機以上に中高度性能が悪く低空戦闘オンリーな戦闘機であり、その高度だと最高速の速さも生かしきれず、高度が低すぎてパワーダイブで急降下遁走もできません。
結果、低空でも運動性が良く、まだベテランパイロットの多かった日本軍の零戦や隼に追い回されていいようにあしらわれる事が多く、機体形状から『カツオブシ』と呼ばれ、すっかり侮られてしまいました。

結果、イギリスからのレンドリース(もちろん最初は20mm機関砲装備型)のみならず、本来のP-39を送ってくれ大至急! という声に応えたアメリカからP-39のほとんどはソ連に送られ、やはり低空を得意とするソ連製戦闘機やシュツルモビーク(襲撃機)とともに大活躍したのでした。

折込図面: 第 2次大戦花形戦闘機続編(2): ベル P-63 キングコブラ 付き

お膝元のアメリカでも同年12月に日本との戦争が始まると、太平洋戦線を支える新型戦闘機としてイギリス空軍のキャンセル分を米陸軍航空隊で引き取って、日本軍が快進撃を続けるオーストラリアやニューギニア方面に送りました。
なお、イギリスで発注したのは対戦闘機戦闘を重視したのか、機首に37mm機関砲ではなく20mm機関砲を搭載したタイプで、これは米陸軍航空隊では『P-400』として採用、37mm砲搭載のP-39とは区別しています。

要するにP-39とは現代で言えば30mmガトリング砲で戦車を切り裂く『空飛ぶ缶切り』米空軍のフェアチャイルドA-10『ウォートホッグ』のようなもので、使いどころさえ間違えなければ傑作機そのものだったのです。

航空ショーでの着陸の飛行機第二次世界大戦の P 63 キング ・ コブラ

まずドイツとの戦争が始まって戦闘機なら何でも欲しかったイギリスが発注、1941年9月から引渡しが開始されるも低空でしか使えない戦闘機なんかいらない! とわかりきったクレームを入れて、同じくドイツと戦争が始まったソ連へのレンドリース(援助物資)に回してしまいます。

ただここまで使いやすそうな、そしてテスト飛行では若干物足りなかったものの、熟成すれば高性能が見込めそうな飛行機だったのに、ベル社は「やっぱ排気タービン(ターボチャージャー)外して、低空用戦闘機にしない?」と言い出すではありませんか?!
後年になって推測された理由として、当時のベル社は新興メーカーらしく資金繰りに苦しんでおり、開発に手間取っている間に倒産するより熟成の容易な道で手堅く行こうとしたのでは、と言われています。


アリイ 1/144 キングコブラ アメリカ陸軍戦闘機 BELL P-63-A

物心付いた時には小遣いで「丸」や「世界の艦船」など軍事情報誌ばかり買い漁り、中学時代には夏休みの課題で「日本本土防空戦」をテーマに提出していた、永遠のミリオタ少年。
撤退戦や敗戦の混乱が大好物で、戦史や兵器そのものも好きだが、その時代背景や「どうしてこうなった」という要因を考察するのが趣味。

滑走路に飛行機第二次世界大戦の P 63 キングコブラ航空機

飛行可能なP-39はもう無いようですが、P-63は今でも数機が民間登録されて飛行可能な状態にあります

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P-51やF4Uなど戦後も長く使われたレシプロ戦闘機と異なりP-39もP-63も1950年代早々には一部の実験用途や標的機を除いて現役を退き、一部の酔狂なマニアがレーサーに転用、1990年に最後のP-63改造レーサーが墜落するまで飛び続けたのが最後となりました。

ですから、つばさが横形タイプの飛行機では、飛行機の速度よりも ..

ただ、P-63はハナから出来がいいのがわかっていたのか試作機が初飛行する前の1942年9月には採用していましたが、前述の傑作戦闘機が登場していたので米陸軍航空隊では必要性が無く、演習弾が命中するとプロペラスピナの先端がピカピカ光る有人標的機『RP-63ピンボール』に使われたのみ。
他はやっぱりソ連にほとんどが送られ、ドイツ軍を蹴散らしてナチスドイツを降伏させた後は、対日戦にも使われて満州や朝鮮半島への空襲でP-39と共に使われました。

第二次世界大戦時の航空機の機種別の生産数と終戦時残存数を調査してみました ..

しかも、当時はまだ主翼や胴体に格納する主車輪と、胴体後部や尾部に配された尾輪による『尾輪式』の飛行機が多かった中、XP-39は胴体前部にエンジンが無くスペースが余っているため、現代の飛行機と同じような格納式前輪を持つ『三車輪式』でした。
前にエンジンは無いし機首も絞り込まれているしで視界の良いコクピットは三車輪式のおかげで離着陸時の視界も極めて良好でしたから、飛ばしやすい飛行機でもあったと言えます。

朝霞駐屯地 ベル AH-1 コブラ 航空フォト(飛行機 写真・画像)

こうして1939年4月に初飛行した試作戦闘機XP-39はなかなか野心的というか斬新的というか、奇抜一歩手前の飛行機でした。

明野駐屯地 ベル AH-1 コブラ 航空フォト(飛行機 写真・画像)

創業早々、ボーイングが開発中の長距離爆撃機(後のB-17)を護衛する長距離双発多座戦闘機として発注されたYFM-1『エアラクーダ』が奇抜な外見を裏切らない性能で不採用になりますが、ベル社も軍もそこはある意味想定内。
飛ぶ前からYFM-1がモノになりそうも無いのはある程度わかっていたのか、「じゃあ今度は高高度迎撃戦闘機を作ってみない?」と陸軍にオファーをかけられて開発したのが、P-39『エアラコブラ』です。

米国陸軍戦闘機 ベル P-63 キングコブラ / Bell P-63 Kingcobra

軍の方もそれは承知で、既に実績あるメーカーに変な飛行機を作らせ在来機の生産や改良に支障をきたしてもいけませんし、ちょっと突き抜けた斬新な飛行機はベルのような新興メーカーに腕試しのつもりで作らせる傾向がありました。

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同社の創業は第2次世界大戦間近の1935年とかなり後発で、その頃にはダグラスやボーイング、ロッキードなど名だたる大メーカーが十分実用的な飛行機を量産していたので、ベルのような新興メーカーはある意味で斬新な飛行機を作って、軍など顧客の目を引く必要があります。

あらすじをみる 何もない雪原を飛行中、20トンの金塊を積んだ飛行機が何者かに爆破され、墜落した。 ..

現在、航空機分野における『ベル』といえば、シコルスキーと並んで世界中でヘリコプターを売りまくるアメリカのベストセラーメーカーとして名高いのですが、かつては戦闘機や実験機などで斬新な飛行機を得意としていました。
世界で初めて水平飛行で音速突破したロケット実験機『X-1』や、第2次世界大戦の敗戦時に未完成だったナチスドイツの『メッサーシュミットP.1011』を元にした世界初の可変後退翼実験機『X-5』もベル・エアクラフト社の作品です。

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日本で戦記などに触れていると出てくる傑作機といえば第2次世界大戦の日本軍戦闘機、それを蹴散らした米軍戦闘機、なかなか落ちない米軍爆撃機などが有名どころですが、傑作機扱いどころか凡機扱いされていても、世界的には傑作機という飛行機もあるのです。今回は日本軍から『カツオブシ』と侮られたので有名なベルP-39エアラコブラと、その発展型P-63キングコブラ

ベル(Bell)P-63 キングコブラ(Kingcobra)戦闘機:鳥飼行博研究室


●「ベル P-63A/C キングコブラ (2機入りキット)」を1/144スケールで再現したプラスチックモデル組立キット


●ウクライナのドラウィングスから1/144スケールのベルP-63キングコブラファミリーが登場します。

●P-63A:初期量産型
●P-63C:P-63Aの強化型でアリソンV-1710-117エンジン搭載
※それぞれの外観の違いとしてはコックピット後方のエアインテーク、水平尾翼、垂直尾翼下側のベントラルフィンの形状などが挙げられます。


●1/144 P-63AとP-63Cを各1機ずつ製作可能です。
・ 2機分の塗装マスクシールと9種類(フランス空軍、ソ連空軍、米陸軍航空団、レース機)のデカールが付属しています。
・ ランナーの構成は、主翼等が入ったランナー×2枚とP-63Aの胴体と水平尾翼が1機分、P-63Cの胴体と水平尾翼が1機分が入ったランナー×1枚です。

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こちらはアメリカ陸軍戦闘機です。P-39エアラコブラの後続機として開発されました。
1942頃から大戦末期に掛けて3000機が生産されましたが、ソ連やフランスに輸出された方が多いです。
余り見ないので製作してみました。

簡易インジェクションキットでかなり古いキットで、
パーツの写真を日誌にも書いていますが、バリも多く成形も曖昧でした。
最初にパーツの精度を上げることから始めました。コックピットは出来上がるとまあまあといったところです。

シルバー塗装にしたかったので、傷取りなどの下地処理に時間を掛けています。
ディオラマは40×30㎝のボードです。パイロットが出発前に何やら会話をしている平和なシーンを再現しています。内容は皆さんで想像してください。フィギュアはモノグラムのキットを製作した時に使わなかったものを流用しました。
戦後、フランスで使用された機体なので綺麗にしています。パネルの違いも写真で分からないので塗り分けはしていないです。おフランスなのでシトロエンを置いてみました。
何とか外ロケをしましたが、これからの時期は寒いですね。