目覚めさせる働き、3つ目が自律神経を整える働きです。つまり ..


第二のメカニズムは、覚醒力(赤矢印)です。覚醒力はから発信されるシグナルの指示で、交感神経の活性化、覚醒作用のあるホルモンの分泌、深部体温(脳温)の上昇などによりもたらされます。覚醒力は日中を通じて増大し、徐々に強まる睡眠欲求に打ち勝ってヒトを目覚めさせます。普段の就床時刻の数時間前に最も覚醒力が強くなり、その後が分泌される頃(就床時刻の1~2時間前)に急速に覚醒力が低下します。このため、私たちは夕食後に団欒するなどすっきり目覚めていても、就床時刻あたりで急に眠気を感じるようになります。仮に覚醒力がなければ、徐々に強まる睡眠欲求のため日中の後半は眠気との戦いで質の高い社会生活は営めなくなるでしょう。


眠気を誘うホルモン「メラトニン」. 夜になると眠くなり朝になると目覚めるのは、体内時計によって体のリズムがコントロールされているからです。

第一のシステムは、覚醒中の疲労蓄積による睡眠欲求(青矢印)です。睡眠欲求は目覚めている時間が長いほど強くなります。徹夜などで長時間覚醒していると、普段寝つきにくい人でもすぐに入眠し、深い眠りが出現することが知られています。いったん眠りに入ると睡眠欲求は急速に減少し、その人にとって十分な時間だけたっぷりと眠ると睡眠欲求は消失して私たちは覚醒します。

ヒトの睡眠(眠気)は大きくふたつのシステムで形作られています。【図1】に眠りのメカニズムを示しました。

睡眠について(後編)~良質な睡眠を得るために~|ドクターコラム

私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠りに入り、7~8時間ほどで自然に目覚めます。また徹夜をしていても徐々に眠気が強まり、明け方になると耐え難い眠気を感じますが、午後には眠気がいったん軽くなります。このように決まった時刻に眠気が出現し、また醒めてゆく睡眠(眠気)のリズムはどのように形作られるのでしょうか。

私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目が覚めます。このような規則正しい睡眠リズムは、日中の疲労蓄積による「睡眠欲求」と体内時計に指示された「覚醒力」のバランスで形作られます。健やかな睡眠を維持するために、夜間にも自律神経やホルモンなど様々な生体機能が総動員されます。睡眠にはサイクルがあります。夢を見る「レム睡眠」と大脳を休める「ノンレム睡眠」が約90分周期で変動し、朝の覚醒に向けて徐々に始動準備を整えます。

朝食を抜いたりすると起床後約15時間で分泌の高まるメラトニン産生が乱れ睡眠の質が下がる可能性があります。

睡眠と覚醒を調節するために体内時計は生体機能を総動員します【図2】。

1987年秋田大学医学部卒業。専門は精神医学、とくに睡眠医学と時間生物学。スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員准教授や国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部長などを経て2018年より現職。日本睡眠学会や日本時間生物学会、日本生物学的精神医学会などの理事、日本学術会議連携会員などを務める。

メラトニン分泌の変化は注意欠如多動症(ADHD)症状と関連する


人はなぜ老いるのか――。その謎が近年、解き明かされつつあります。アンチエイジングの研究は、老化の原因を解明し、健康に過ごせる寿命を延ばすにはどうすればいいのかを探求しています。連載「アンチエイジングの最前線」では、研究の最前線や、研究に基づいた、日常生活で取り組める具体的な方法を紹介します。

「夜に光を浴びると、体内時計が後ろ倒しになって夜型化が促進されるのと逆に、早朝に光を浴びると、体内時計が前倒しになり、朝型化が促進されます。とは言え、目が覚めてもずっと布団の中にいるのは苦痛でしょうし、早朝の散歩や家庭菜園を楽しむのを我慢するのももったいないと思います。ですので、早朝に日光を浴びるような活動をする場合には、サングラスをして、目に入ってくる光刺激を抑えることで、朝型化が進むのをある程度、防ぐ効果が期待できます」


メラトニンには、夜間の睡眠リズムを調整する働きもあります。朝日を ..

それでは睡眠薬の開発の歴史についてお話いたします。1950年代のバルビツール酸系睡眠薬や非バルビツール酸系睡眠薬(麻酔薬や抗てんかん薬としても知られる)に始まり、1960年代にはベンゾジアゼピン系睡眠薬が開発され、作用時間や強さの異なる非常に多くの薬が発売されました。ベンゾジアゼピン系の薬は一般的な睡眠薬として今でも数多く使われておりますが、その作用機序はGABAA受容体における神経伝達物質のγ-アミノ酪酸(GABA)の作用を強めることであり、これにより、鎮静、催眠、抗不安、抗けいれん、筋弛緩など様々な作用を示します。このため睡眠薬としてだけでは無く、安定剤などとしても幅広く使われます。この系統の薬は睡眠に関係のあるところだけを直接刺激するわけではないので、副作用として脱力やふらつき、一過性の健忘などが出ることがあり、習慣性や抵抗性、さらに内服を止めた時の反跳性不眠(かえって眠れなくなる)が問題となります。それらを改善すべく1989年にはベンゾジアゼピン受容体のうち睡眠作用に関わる部分だけをより選択的に刺激する非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Zドラッグと呼ばれる)も登場しております。そして2010年には睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの受容体を刺激するメラトニン受容体作動薬が発売され、今回さらに不眠症で過剰に興奮した覚醒中枢に直接作用するオレキシン受容体拮抗薬が発売され、より自然に近い睡眠を誘発できるのではと期待されております。

朝早く目覚め、夜早く眠くなる「朝型化」の常識にとらわれない対策

このようにオレキシンの分泌が盛んになって覚醒中枢が刺激され、睡眠中枢の働きを上回りますと覚醒し、逆に覚醒中枢の刺激が減ると睡眠中枢の方が上回って睡眠が起こると言うわけです。このオレキシンの発見およびそれより前に分かっていたメラトニンの発見は、睡眠薬にも変化をもたらせました。

今号では、睡眠と関わる重要なホルモン、セロトニンとメラトニンについてお話します。 ..

以上、睡眠薬について説明してまいりましたが、どうしても眠れない時が睡眠薬の出番であり、起床時間や就寝時間を一定に規則正しい生活リズムを身につけること、アルコールやコーヒーなどの刺激物は過剰に摂らないこと、自分にあった運動をできれば夕方にすること、就寝前に音楽などでリラックスすること、寝室を清潔で快適なものとするとともにカーテンは遮光や遮音効果の高い厚手のものに変えることなど、まずは生活の工夫から初めていただきたいと思います。

[PDF] メラトニンは、細胞を守ったり、規則的に眠気をもたらす

欧米では、ドラッグストアでメラトニンのサプリを入手することができますが、日本にある薬局では、販売されていません。そのため、輸入することが必要になります。

メラトニンは催眠作用を持つことから「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、脳の松果体から ..

睡眠は、年齢を重ねるに伴って、睡眠時間が短くなる、途中で目が覚めること(中途覚醒)が多くなる――などの変化がみられるようになります。寝る時間も起きる時間も前倒しになる、朝型化(早朝覚醒)も、年齢に伴う変化の一つです。今回はこの朝型化について、秋田大学大学院医学系研究科の三島和夫教授(精神科)に聞きました。

メラトニン サプリメント 30日分 ビタミン 夜用 休息 目覚め 健康食品 女性 男性 マイコンフォート MyComfort

厚労省の「国民健康・栄養調査」(2019年)によると、調査前の1カ月間で週3回以上、起きようとする時刻よりも早く目が覚め、それ以上、眠れなかったという人が男性回答者の17.0%、女性回答者の15.6%いました。年齢が上になるほどその傾向は強くなり、男性の50代では、20.6%、60代では21.3%、女性の60代では17.3%、70代では22.9%でした。

良い目覚め・良い睡眠のためにはどんなことに注意すればいいのか、RESM新横浜 ..

人間の体内時計は1日の24時間よりは少し長い25時間が1日であり、朝が来ると大体決まった時間に目が覚め、起きてから大体17時間くらいすると生理的に眠くなってくることが知られています。この仕組みは、朝になって光を浴びると脳内の体内時計の針が進み、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。この時、体内時計からの信号で、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が止まり、オレキシンの分泌が高まります。そしてメラトニンは目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌され、メラトニンの作用により身体の活動は低下して血圧・脈拍・体温などが下がり休息に適した状態となって眠気を感じるようになるわけです。また気持ちが高ぶって興奮すると眠れませんが、情動によりオレキシンの分泌が盛んになっているのだそうです。

PMSがある人は睡眠の質が低下している | PMS(月経前症候群)ラボ

なぜ、年齢ともに、早く目が覚めるようになるのでしょうか。秋田大学大学院医学系研究科の三島和夫教授(精神科)は、その理由をこう説明します。「加齢にともない必要な睡眠時間が短くなります。身体の新陳代謝量が減るだけでなく、日中の活動量も、若いころに比べれば減る人が多いからです。このため、若いころと同じ時刻に就寝すれば、目が覚める時刻は早くなります」

(3) おとなの睡眠について | 睡眠外来について | 大阪市住吉区長居東

ところで、時計をみなくても、夜になれば眠くなり、朝になると目が覚めるのは、私たちの体には「体内時計」と呼ばれる、1日周期のリズムが備わっているからです。

太古より人間は朝太陽の光で目覚め、夜暗くなると眠るという生活を続けてきました。 ..

<番外編>夜でもOKなセロトニン活性化アクション
「セロトニンは活性化させるだけでなく、分泌を妨げる敵を減らすことも大事」だと言う、有田先生。ここでは、先に挙げた「ストレス」を減らすためにできることをご紹介します。

「ストレス軽減には、セロトニンと並んで『幸せホルモン』と呼ばれる『オキシトシン』の分泌を活性化させてあげると良いですよ。オキシトシンにはストレスを鎮める、癒す効果があります。心地良い触刺激によって増えるので、例えば親と子が触れ合ったりペットと遊んだり、マッサージを受けるのも良いですね。直接肌を触れ合わせることが難しい場合は、お喋りも効果的です。ただしここで重要なのは、表情を見るなど言葉以外のコミュニケーションが伴うこと。コロナ禍では対面でお喋りするのは難しいと思いますが、オンラインやテレビ電話など相手の顔が見える状態で会話できればOKなので取り入れてみてください」

[PDF] ぐっすり眠れていますか??「睡眠について」(2017年8月)

それでは不眠症についてお話する前に、初めに睡眠のメカニズムから説明してゆきます。人は疲れた脳と身体を休めるために眠ると思われます。すなわち目覚めて活動していると疲れて自然に眠くなってきます。疲れますと脳の活動が低下して覚醒度が下がり眠くなってきます。逆に朝になりますと覚醒度が上がって自然に目が覚めます。このように睡眠と覚醒には覚醒度が重要なのですが、覚醒度を調節するための中枢は脳幹網様体といわれる部分にあるとされ、その中枢を刺激する神経伝達物質であるオレキシンという物質が1998年に当時テキサス大学で研究されていた櫻木先生によって発見されたのです。オレキシンは視床下部から分泌され、覚醒中枢に特異的に働き刺激するようです。オレキシンはもともと動物実験から摂食活動に関係があるのではと考えられていましたが、ナルコレプシー(日中、場所や状況を選ばずに強い眠気が発作的に起こる脳の病気)という人の病気に関係していることが分かったそうです。そしてこのオレキシンの分泌を盛んにする刺激として、体内時計、情動、栄養状態があるそうです。

るメラトニンの分泌量が最大に達し、入眠を促します。 朝方になると

市販のメラトニンの製品において、メラトニンの含有量がラベル表示量を満たしていない場合があること、そして、セロトニンが混入している製品があることが、報告されています。