図:耳鼻咽喉科ファイバースコープによる上咽頭所見(通常光、NBI)
慢性上咽頭炎に対するEATを行った論文では、EAT10回施行時の症状の改善度合いは以下のように述べられています。(大野ら 口咽科 2022:35(2)138~145より一部改変)
そこに炎症が起きるのが上咽頭炎です。 実はとても多い急性上咽頭炎
「日常生活に支障がない(本人が気にならない)状態」を治療のゴールと考えています。発症して間もない後鼻漏は、適切な治療と養生により多くの場合で治癒しますが、慢性的な後鼻漏(とくに発症して1年以上経過)は、他の慢性疾患と同じように「治る場合もあるが、治らない場合もある」のが現状です。
A11:Bスポット療法は、特殊な医療用綿棒や咽頭捲綿子などにて、1%に希釈した塩化亜鉛水(消毒液の一種)を直接上咽頭に塗りつけることによって、上咽頭に対する殺菌効果、および局所の炎症性分泌物や病的粘膜の除去効果が期待できる、歴史のある上咽頭炎の局所療法の一つです。
上咽頭炎 | 松戸市小金【北小金こじま耳鼻咽喉科】|アレルギー科
治療にあたっては、大掛かりな設備や機器などの必要がなく、簡単に施術できるという手軽さがあります。一方で、施術に伴う出血や痛みの出現、時として非常に耐えがたい強い痛みや多くの出血が見られることがあり、決して楽な治療とは言えません。
副鼻腔炎や急性上咽頭炎などの急性炎症以外の場合は、我々が内視鏡で診察しても、後鼻漏のもと(分泌された鼻汁や粘液)を確認できることは多くありません。長年の後鼻漏によって過敏となった喉の感覚が、後鼻漏の原因(後鼻漏感)でもあるため、EATがあまり効果を表さないこともあるのです。
A8:後鼻漏感(「仮性後鼻漏」)を来たし得る原因疾患として、代表格なものには以下のものがあります。 上咽頭炎/咽頭扁桃炎 ..
1.頭痛
定義:頭の一部または全部に痛みを感じる状態。
原因:ストレス、緊張、偏頭痛、高血圧、脳の疾患など。
2.首こり
定義:首の筋肉が硬くなって痛みや違和感を感じる状態。
原因:筋肉の緊張、姿勢の悪さ、ストレスなど。
3.肩こり
定義:肩の筋肉が硬くなり、痛みや違和感を感じる状態。
原因:筋肉の緊張、姿勢の悪さ、ストレスなど。
4.慢性疲労症候群
定義:長期間にわたって疲れや疲労感が持続する状態。
原因:はっきりとした原因は不明だが、ウイルス感染や免疫系の問題などが考えられる。
5.ブレインフォグ 集中力低下
定義:頭がぼんやりして集中力や思考の明瞭さが低下する状態。
原因:睡眠不足、ストレス、栄養不足、ホルモンの変動、コロナ感染など。
6.うつ
定義:気分が持続的に沈んで活動量が低下する状態。
原因:脳内の神経伝達物質の不均衡、遺伝、環境的要因など。
7.パニック障害
定義:予期しないパニック発作が繰り返し起こる症状。
原因:脳の神経伝達物質の異常、遺伝、環境的ストレスなど。
8.不安障害
定義:過度な不安や恐れが持続的に続く状態。
原因:脳内の化学バランスの異常、遺伝的要因、生活環境や経験など。
また、消毒液としての1%塩化亜鉛の作用効果はそれほど強いものではありませんので、稀に短時間で劇的な改善が見られるごく一部の症例を除き、大半のものは上咽頭炎(後鼻漏感)の軽快が得られるまでに、多くの治療回数や長い治療期間を要します(週に数回、何年間も続けることも度々見かけられます)。
疾患の限定 有(主に後鼻漏や咽喉頭違和感など耳鼻咽喉科領域の治療。 その他疾患に対するEATは主治医の指示または許可が必要).
このような炎症のオーバーヒート現象を治すためには、もちろん適切な消炎剤や抗菌薬などの使用は言うまでもありませんが、上咽頭の生理的起炎性を考えますと、頻繁に起き得る炎症の長引きや再発に対して、投薬のみの治療はいずれ限界にぶつかってしまいます。
医学的にも「感染臓器」、「生理的炎症臓器」と言われるように、上咽頭は常に炎症に曝されている状態の中で本来の生理活動を営まなければなりません。このような過酷な“労働環境”は、上咽頭における炎症のオーバーヒートをいともたやすく引き起こします。その結果、咽頭痛をはじめ、咽頭異物感や咽頭流下感、咽頭付着感などに見られる後鼻漏感(「仮性後鼻漏」)の症状がもたらされるのです。
上咽頭炎|京都市山科区の耳鼻科 ひろた耳鼻咽喉科医院 椥辻駅近く
しかしながら、どこの疾患部分にフォーカスするかによって、治療内容に雲泥の差が出てきますので、今自覚されている後鼻漏の症状が、上咽頭炎による「仮性」のものか、それとも鼻副鼻腔炎による「真性」のものかを確認しておくことは、その後の治療を的確に進めるためにはとても重要です。
慢性上咽頭炎で引き起こされる疾患や症状には以下の様なものがあるとされています。 ・頭痛(片頭痛、緊張型頭痛)、顔の痛み
確かにノドへの炎症性分泌物の出現や刺激によって後鼻漏の症状がもたらされることだけに着目して考えた場合は、主に鼻副鼻腔の疾患に伴って発生する一般の後鼻漏(「真性後鼻漏」)と、上咽頭炎に起因する後鼻漏感(「仮性後鼻漏」)との差はあまりないように思われます。
これを上咽頭炎といいますが、その腫れによって鼻が詰まった感じがすることが ..
ところが上咽頭に炎症が起こった場合は、そこに直接“上咽頭由来”の炎症性分泌物が多く現れるため、たびたび後鼻漏のような症状が感じられることがあります。つまり、上咽頭炎に伴って発症した後鼻漏は、 “ホンもの”の後鼻漏“(「真性後鼻漏」)ではなく、後鼻漏感、つまり “ニセもの“の後鼻漏(「仮性後鼻漏」)です。
上咽頭への塩化亜鉛塗布療法(Bスポット療法・コロナ後遺症外来)
根性と根気が試される療法ですが、現時点では、従来の治療法の中で上咽頭炎に対して、中でも頑固な後鼻漏感(「仮性後鼻漏」)を伴う慢性上咽頭炎や肥大性咽頭扁桃炎の場合は、総合治療価値の平均点として、Bスポット療法に勝るものはないと言えます。とはいえ、鼻副鼻腔疾患に由来する後鼻漏「真性後鼻漏」)に対しては、全く直接的な効果は得られません。
アレルギー性鼻炎; 急性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症); 急性扁桃炎; 上咽頭炎; 喉頭炎
A9:もともと後鼻漏は、ノド、とりわけ鼻とノドの境目の上咽頭に“異常な鼻水”が現れることによって自覚されますから、根本的に“異常な鼻水”の出現がなければ後鼻漏の発症も起き得ません。
また、上咽頭炎と他の鼻疾患(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など)を合併している方は、ほかの鼻疾患も並行して治療を行います。 治療効果
1.後鼻漏
定義:鼻からの分泌物が後方に流れ、喉の奥へと落ちる状態。
原因:アレルギー、風邪、副鼻腔炎、気候や乾燥などが原因として考えられる。
2.鼻閉
定義:鼻が詰まって呼吸がしづらい状態。
原因:鼻づまりは、風邪、アレルギー、鼻中隔湾曲症などによる。
3.咽頭痛
定義:喉の痛み。
原因:風邪、インフルエンザ、喉の炎症など。
4.咽頭違和感
定義:喉に違和感やゴロゴロとした感じがする状態。
原因:咽頭の炎症、過度な声の使用、胃酸逆流など。
5.頸部リンパ節腫脹
定義:頸部のリンパ節が腫れること。
原因:体が感染症や他の疾患に対抗するときにリンパ節が腫れることがある。
6.耳管開放症
定義:耳と喉をつなぐ耳管が常に開いたままの状態。
原因:耳管の筋肉の異常の問題。
7.耳閉感
定義:耳が詰まったような感じがする状態。
原因:耳垢の詰まり、耳の感染症、中耳炎など。
8.耳鳴り
定義:耳の中で鳴る音を感じる状態。
原因:耳の損傷、難聴など。
9.嗄声
定義:声がかすれてしまう状態。
原因:声帯の炎症や損傷、過度な声の使用。
10.微熱
定義:38度未満の低い熱が続く状態。
原因:体の炎症反応や感染症、他の慢性的な疾患。
11.嗅覚障害
定義:匂いを感じにくくなる状態。
原因:鼻の問題、上気道の感染症、嗅覚神経の損傷。
12.浮動性めまい
定義:周囲が回転するか、自分が回転しているように感じるめまい。
原因:内耳の異常、特に前庭系の障害。
上咽頭炎)、集中力の低下・睡眠障害などです。特異的IgE抗体、鼻汁中好酸球
症状が一過性に改善しても、上咽頭の炎症が残存した状態でBスポット療法を中断すると、症状が再度増悪して繰り返すこともあります。通常は症状が改善された場合そこで治療が終了となりますが、状態維持のために継続して治療を行う方もいらっしゃいます。
上咽頭炎を発症してから声が響かなくなり気持ちよく歌えなくなった
上咽頭炎/咽頭扁桃炎
胃食道逆流症/咽喉頭酸逆流症
口腔乾燥症
アトピー疾患(咳喘息、アトピー咳嗽、喉頭アレルギーなど)
嚥下障害(脳疾患、サルコペニアなど)
生活習慣病(糖尿病、肥満、睡眠障害など)
咽喉頭の腫瘍性病変、など。
イート EAT(上咽頭擦過療法) | 耳鼻科の病気解説 いとう耳鼻咽喉科
以上の方法を実践することで、慢性上咽頭炎を予防することができます。
3つの効果①上咽頭炎の直接症状 を抑えます。また、上咽頭活性化リンパ球を鎮静化させるため、免疫機序を介した二次疾患にも効果があります。
日常生活の中で、鼻うがいを定期的に行うことで、上咽頭や鼻の健康を保ち、様々な病気のリスクを減少させることができます。
コロナ後遺症治療記録 上咽頭擦過療法(Bスポット)をうけてきました
ナステントのパッケージを開封し、外観上のキズや変形がないことを確認します。
※パッケージに記載されている番号順で開封していくと、きれいに取り出すことができます。
※アタッチメントは鼻に挿入するまえにノーズクリッパーに取り付けてください。
ナステントを鼻の穴にゆっくり挿入します。 ナステントは、顔面に対して垂直方向に挿入します。
正しく挿入することで、挿入の痛みを最小限に抑えることができます。 鏡の前で口を開けて、ナステントの先端が軟口蓋付近に達している事を確認してください。 治療に効果的な長さは先端が見える程度。 ノーズクリッパーは手で開いたりせず、指先で鼻柱に押し込んで固定してください。 そのままおやすみ頂き、朝起きたらナステントを外し破棄してください。
上咽頭炎やコロナ後遺症に効果的な治療法 | 江東区の東大島駅1分のよし耳鼻咽喉科では、外耳炎 ..
また、「嚥下障害」の関連が疑わしい場合は、積極的に嚥下内視鏡検査や頚部/頭部の画像診断が行われるでしょう。いずれにしても、後鼻漏(「真性後鼻漏})以上に、耳鼻咽喉科専門医の元での精査が必要となります。
上咽頭擦過療法(EAT療法、別名B-SPOT療法)取り扱いはじめました。
鼻うがいは、食塩水などの洗浄液を使って、鼻や上咽頭の中をきれいにする方法です。
この行為には以下のような多くのメリットがあります。
鼻うがいをすることで、炎症が直接的に和らぎ、粘膜の修復が助けられます。
鼻うがいをすることで、花粉やほこり、細菌やウイルスなどの外部からの侵入物を鼻腔から取り除くことができます。
風邪や花粉症、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などの症状の予防や緩和に役立ちます。
B スポット療法と組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。