―「DPP4 阻害薬から経口セマグルチドへの切替えの有用性と治療効果 ..


リベルサスは、血糖に依存してインスリンの分泌をうながすとともに、グルカゴン(血糖を上げるホルモンの一種)の分泌を抑えて血糖降下作用を示すGLP-1受容体作動薬です。単独の使用であれば低血糖になるリスクが低く、体重が減少する効果も期待できます。通常、GLP-1受容体作動薬は消化酵素によって速やかに分解されてしまいますが、リベルサスは吸収促進剤を添加することで経口投与を可能にしています。


国内糖尿病薬市場 25年から市場縮小へ DPP-4阻害薬に後発品登場で

リベルサス(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))は、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬剤です。
GLP-1はホルモンの一種で、膵臓のβ細胞に存在するGLP-1受容体と結合してインスリン分泌を促し、血糖を降下させます。内因性のGLP-1はDPP-4という酵素によりすみやかに分解されますが、GLP-1受容体作動薬由来のGLP-1は分解されにくいため、良好な血糖コントロールが期待できます。
なお、リベルサスの成分(セマグルチド(遺伝子組換え))は、2型糖尿病治療薬の注射剤「オゼンピック」の成分と同じです。

症例)50歳代 男性 BMI30以上、HbA1c9.1%, eGFR76.1尿蛋白(+)
併用薬トレシーバ40 単位、GLP-1 受容体作動薬、メトホルミン、SGLT2 阻害薬
このようなインスリン抵抗性が強くインスリン増量しても効果がない患者にピオグリタゾンはどうか?
イメグリミンは肝機能異常(脂肪肝:酸化ストレスの蓄積)がある症例、すなわちインスリン抵抗性の強い患者には非常によく効く。
→イメグリミンが適応である。

DPP4阻害薬 | くすき内科クリニック|糖尿病・甲状腺・生活習慣病

リベルサスは、2型糖尿病に適応があります。
通常、成人には1日1回3mgから投与を開始し、4週間以上投与したあと1日1回7mgに増量します。
なお、状態に応じて投与量は適宜増減しますが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果が十分にあらわれない場合は、1日1回14mgまで増量できます。

余談ですが、受容体作動薬は上述のメカニズムによる体重減少が期待できるため、以前紹介した阻害薬と同様、一部の自由診療クリニックなどで若年女性などをターゲットに、糖尿病ではないがダイエットをしたい、という方に向けて自費で処方されているようです。しかし、これまで述べてきたような注意点に留意し、処方に精通した医師が慎重に投与すべき薬と考えますので、私はあまり好ましくないことだと考えています。ただ、現状未発売ではあるものの、「糖尿病ではない、しかし肥満による合併症高血圧症、脂質異常症などを有する患者さん」でも保険で使える受容体作動薬の発売が近々予定されています。使用する患者さんは適切に選ぶ必要がありますが、糖尿病のない患者さんでも受容体作動薬による体重減少の恩恵を受けられる時代が近づいています。

インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬,GIP/GLP-1受容体作動薬)は,単独で用い

非肥満あるいは高齢者(インスリン分泌低下型)には、
1.DPP-4阻害薬
併用するならメトホルミン、SGLT2阻害薬、イメグリミンのいずれかで順番はどれでもよい。
インスリン需要を減らす薬剤は2種類。
インスリン節減系/排泄系薬 ・・・メトホルミン、αGI、SGLT2阻害薬
インスリン抵抗性改善薬 ・・・ピオグリタゾン
メトホルミンはグルカゴンの作用を阻害して糖新生を抑制する。インスリンの肩代わりをしているのでありインスリン分泌量を低下させる節減系。
また消化管にグルコースを排泄促進することも判明している。
ピオグリタゾンはPPARγを介して効果を発揮するが、デメリットも多く最近は使用されない。(浮腫、膀胱癌)
イメグリミンは、糖代謝や糖新生を抑制する。→酸化ストレスの発症を抑制する→結果としてインスリン抵抗性を改善する。

非薬物療法(食事療法+運動療法)を行っても十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病の方を対象とした臨床試験において、リベルサスを服用していないグループではHbA1cが平均で0.3低下したのに対して、リベルサスを服用したグループではHbA1cが平均で0.9~1.5低下したという結果が得られています。

[PDF] 糖尿病薬のトリセツ」 大阪市立総合医療センター WEBセミナー

症例2)70歳代女性
糖尿病歴18年、BMI23.9 、慢性膀胱炎のためSGLT2は使えない。グリメピリド1mgとエクメット®併用投与中。
イメグリミンを追加したところ、体重は半年で−1.5kg、HbA1cは6.8%に低下した。グリメピリドは0.5mgに減薬した。
症例3)50歳代男性
SGLT2、グリメピリド、メトホルミン、DPP-4阻害薬を投与中に亀頭炎発症しSGLT2は中止となった。
→SGLT2をイメグリミンに切り替えて経過は良好であった。

以上から症例1に最適な治療を再考すると、
高齢者、非肥満、のDPP-4阻害薬とメトホルミンの併用患者のHbA1C8.4%の症例に何を追加するか。
少量のSU薬だと低血糖リスクがある。 イメグリミンなら低血糖のリスクはない。体重も減少しない。
よって、 エクメット® + ツイミーグ®
を演者は推奨された。


2月のブログで登場したDPP4阻害薬に似ていますが、こちらの方がより強力です ..

糖尿病治療薬としては保険の対象ですが、肥満治療の場合は自費診療となります。そのため、ダイエットを目的としたリベルサスの処方では、保険が適用されません。

第522回福山地区内科会学術講演会 2024年2月27日 が開催され

イメグリミンとDPP-4阻害薬はメトホルミン同様の機序により相性がよい。
・イメグリミンはグリニド様の食後血糖を低下させる作用がある。
ただし空腹時血糖が高い場合はその効果は期待できない。空腹時血糖は130台以下の患者に限る。
その機序はNAD+はATP活性を上昇させてATP感受性Kチャネルを閉じるからである。

注目の経口セマグルチドの強さを知る 糖尿病薬との比較試験 総まとめ

SU剤併用により低血糖のリスクが30%弱増加するため、併用には注意する。DPP4阻害薬は同機序であるため併用には注意する(禁忌ではない)。

リベルサス錠(経口セマグルチド)の実力を他の糖尿病薬と比較☆PIONEER ..

インスリン分泌促進系(結果的にインスリン分泌が増える)は4つある。
SU 薬 グリニド薬 DPP4 阻害薬 GLP-1 受容体作動菜
(以下筆者補足)
SU薬:グリベンクラミド(オイグルコン®)、グリクラジド(グリミクロン®)、グリメピリド(アマリール®)、アセトヘキサミド(ジメリン®)、グリクロピラミド(デアメリン®)
グリニド薬:レパグリニド(シュアポスト®)、ナテグリニド(スターシス®)、ミチグリニド(グルファスト®)、
DPP-4阻害薬:シタグリプチン(ジャヌビア®)、ビルダグリプチン(エクア®)、テネグリプチン(テネリア®)、リナグリプチン(トラゼンタ®)、アログリプチン(ネシーナ®)、トレラグリプチン(ザファテック®)、アナグリプチン(スイニー®)、オマリグリプチン(マリゼブ®)、オキサグリプチン(オングリザ®)
GLP-1受容体作動薬:セマグルチド(リベルサス®錠、オゼンピック®皮下注、ウゴービ®皮下注)、その他はすべて皮下注:リラグルチド(ビクトーザ®)、デュラグルチド(トルリシティ®)、チルゼパチド(マンジャロ®)等々。

[PDF] リベルサス錠に関する費用対効果評価 [第 1.0 版]

腎機能障害や肝機能障害がある方のリベルサスの使用について、添付文書上特に注意は記載されていません。
もっとも、薬の作用のあらわれ方には個人差があります。気になる症状や不安がある場合は、診察時にご相談ください。

糖尿病の薬(GLP-1/GIP受容体作動薬)~管理薬剤師.com

リベルサスを飲んだ後は、30分~2時間程度、食事や水分の摂取を控える必要があります。どうしても水分を摂取したい場合でも、最小限に抑えなくてはいけません。
服用当初は意識障害が起きやすいので、最も少ない容量から服用をはじめます。

外因性のGLP-1製剤は、内因性のGLP-1に比べてDPP4の分解をされにくい構造を有し ..

海外では高度肥満症の治療薬としても使用されているリベルサスですが、日本国内では現在、ダイエット目的での使用は正式には承認されていません。

3.1 DPP4阻害薬(エクア・ジャヌビア・トラゼンタ・テネリア等) ..

動物に対して皮下投与用セマグルチドを用いた試験では、臨床用量に相当する用量または下回る用量で胎児毒性と母動物の体重減少が認められています。
したがって、妊娠中の方や妊娠している可能性のある方にはリベルサスを使用せず、インスリンを使用することとされています。
なお、リベルサスは最終投与から約5週間にわたり循環血中に存在することが確認されています。そのため、2ヵ月以内に妊娠を予定している女性・妊娠を希望する女性に対してもリベルサスは使用せず、インスリンで治療を行います。

GLP-1受容体作動薬(オゼンピック・リベルサス・トルリシティ・マンジャロ等).

症例1)
70代女性、BMI21台、, HbA1c8.5%、eGFR56.2、尿蛋白(-)
現在の治療;DPP4 阻害薬 + メトホルミン
この症例では、治療をどう変更調整するか。
*(筆者追記)DPP4阻害薬とGLP-1受容体作動薬(リベルサス)は同時には使用できない。同じインクレチン作動薬は併用できない。
たとえばDPP4阻害薬をGLP-1受容体作動薬(リベルサス)に変更したらHbA1cは低下するが、本例ではリベルサス®だけはよくない。
体重が減るからである。
高齢糖尿病患者(75歳以上)はBMI25 程度の予後が最も良く、それより低いBMI22.4 以下で1.57倍、18.5未満は8.1倍も予後不良である。
血糖良くなっても8倍の死亡率では話にならない!
日本人高齢糖尿病患者のカロリー摂取は 30-35kcal/kg 妥当である。
特に34kcal/kg が最も総死亡比が低い。 (J-EDIT 65 歲以上 756 名 6 年追跡)
従来1600kCal /日と言われていた摂取カロリーは、現在は1800から2000Kcal /日は摂取すべきである。
しっかり食べないと予後は良くない。
本症例では体重を減らしたくない、食欲を減らしたくない、→GLP-1受容体作動薬(リベルサス®)は不適切である。
SGLT2阻害薬は食欲は低下しないが体重は減るであろう。
体重を減らさないが血糖は低下させる薬剤→少量SU薬の選択肢しかない。
高齢者の使用薬剤ではSU薬はまだ多いが、このような理由から止むを得ないのである。

2 型糖尿病患者では、2 型糖尿病を有さない被験者と比較して急性膵炎のリスクが高く72,73、インク

GLP-1受容体作動薬というのは薬の種類名で、実際の薬物名でいきますと、院内では、ビクトーザ、トルリシティ、オゼンピック、リベルサスの採用があります。ビクトーザは毎日の在宅自己注射薬、トルリシティ、オゼンピックは週回の在宅自己注射薬、リベルサスは毎日の内服薬です。

リベルサスはGLP-1の経口薬|期待できるダイエット効果や飲み方

リベルサスは、小児などを対象とした臨床試験を実施していません。
ご家庭ではお子さまの誤服用を防ぐため、リベルサスの保管場所などにご注意ください。

グリプチン「グラクティブ®」 「ジャヌビア®」 (DPP-4阻害薬)、 ビルダグリプチン 「エクア®」

以上より、現時点では、リベルサス錠を開始する場合、DPP-4阻害薬の中止が推奨されています。

上に述べた小腸から分泌され膵臓からのインスリン分泌を促す ..

リベルサス錠とDPP-4阻害薬の併用に関する臨床試験は実施されておらず、保険上の問題もあるとされています。

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リベルサスは、低血糖の副作用が比較的少ない薬剤とされていますが、低血糖のリスクがないわけではありません。特に、インスリン製剤やSU剤を併用している場合は低血糖の発現リスクが高くなるため、注意が必要です。
低血糖を疑う症状があらわれたら、すぐにブドウ糖や砂糖を含む食べ物や飲料を摂取してください。ブドウ糖の場合、摂取量の目安は10~15g程度です。
なお、α-グルコシダーゼ阻害薬を併用している場合は、必ずブドウ糖を摂取してください。他の飲食物では、低血糖症状が十分に回復しないおそれがあります。
糖分を摂っても症状が回復しない場合は、すみやかに受診してください。症状が回復した場合でも、次回受診日には低血糖症状があらわれたことを必ず報告してください。