ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。


カナグル(カナグリフロジン)とフォシーガ(ダパグリフロジン)は、どちらも2型糖尿病の治療薬であり、SGLT2阻害剤として知られています。


SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。


SGLT2阻害薬は、尿中に糖分が漏れることで、血糖が下がる薬です。

尿糖はどの程度漏れたり、血糖値は下がるのでしょうか?

SGLT2阻害剤は、腎臓のSGLT2と呼ばれる輸送体を阻害することで、糖尿病患者の血糖値を下げることができます。カナグルとフォシーガは、共にSGLT2阻害剤であり、同じ作用機序を持っています。

SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。




そのため、カナグル、フォシーガ、ジャディアンスを中心に説明します。



しかし、カナグルとフォシーガにはいくつかの違いがあります。たとえば、カナグルは1日1回、フォシーガは1日1回または1日2回の投与が承認されています。また、フォシーガは腎機能が低下した患者には使用できない場合がありますが、カナグルは低下した腎機能の患者にも使用できます。

そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。


薬価は、通常用量だと、1日あたり約200円です。(薬価は、2019年11月時点)

一月あたり、6000円となり、保険3割負担だと、一月 約1800円になります。



SGLT2阻害薬は、多くのメーカーから発売されています。

しかし、すべての薬剤が、全世界で販売されているわけではなく、海外展開が進んでいない薬は、臨床研究が進みません。

PUBMEDという論文の検索サイトで、臨床試験の論文(clinical trial)が、何本、報告されているのか調べると、次のようになります。(2019年11月時点)


日本では、SGLT2阻害薬は、2014年4月から使用されています。

下記は、2019年11月時点で、日本で保険適応のあるSGLT2阻害薬の一覧になります。

SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。

さらに、カナグルとフォシーガは、副作用のリスクが異なる場合があります。たとえば、カナグルは尿路感染症のリスクが高いことが知られていますが、フォシーガは尿路感染症のリスクが低いことが報告されています。

また、SGLT2が阻害されるとSGLT1(※)による再吸収が若干増加することも要因のひとつと考えられます。


フォシーガは、ダパグリフロジンを主成分とするSGLT2阻害薬です。

SGLT2阻害薬というのは薬の種類名で、実際の薬物名でいきますと、院内では、ジャディアンス、フォシーガの採用があります。また、前回紹介した阻害薬の成分をミックスした、カナリア配合錠、トラディアンス配合錠も採用しています。前者は「カナグル」という名前の薬と「テネリア」という名前の薬、後者は「トラゼンタ」という名前の薬と「ジャディアンス」という名前の薬をミックスしたものです。

また、以下のような方々も、SGLT2阻害薬の処方が難しいことがあります。

SGLT2阻害薬の血糖降下作用はインスリンを介さないため、単独では低血糖の危険性が低いとされています。

商品名としてカナグル、スーグラ、フォシーガ、ジャディアンス、デベルザ、ルセフィ等があります。 SGLT2阻害薬による減量効果





この原尿ですが、健常成人では、1日150Lの血液をろ過して作っています。



原尿中のブドウ糖を、そのまま外に出すともったいないため、腎臓の尿細管という所で、SGLT1、SGLT2という蛋白質を通じて、体内に再吸収されます。

SGLT1とSGLT2は両方とも、糖分の再吸収に関わっており、原尿中のブドウ糖の約9割が、主としてSGLT2により再吸収されます。






上図は、SGLT2阻害薬のカナグリフロジン(カナグル)により、腎臓の尿細管で、SGLT2が阻害され、尿中に大量の糖分が漏れる様子を描いたものです。

ところで、SGLT2阻害薬を飲むと、どのくらい尿糖が増えるかご存知でしょうか?





これは、角砂糖(1個 3~4g)では、だいたい、20個~30個分に相当します。

結構、多くの糖分が外に出ていきますね。

しかし、それぞれに特徴的な違いがあり、患者さんの状態に応じて使い分けられています。 カナグルの特徴は、強力な血糖降下作用を持つことです。

最終的に、カナグルとフォシーガの選択は、患者の個別の状況や医療専門家の判断によって異なる場合があります。医療専門家による個別の診療により、最も適した治療法を選択することが重要です。

今、期待のお薬 vol.2 SGLT2阻害剤 余分な糖を尿から捨てるお薬

上記のように体重減少のエビデンスはありますが、フォシーガ(ダパグリフロジン)は、2型糖尿病の治療薬であり、痩せるための薬ではありません。フォシーガは、糖尿病患者において、尿中に排出される糖の量を増やすことで、血糖値を下げる効果があります。この作用によって、一部の糖尿病患者においては体重が減少する可能性がありますが、必ずしも全ての患者で期待できるわけではありません。

どちらがあなたに向いてる?SGLT2阻害薬(フォシーガ)とGLP-1


下の図は、カナグル100mgを投与した際の血糖の日内変動の変化を表しています。

(2型糖尿病患者を対象にした第I相反復投与試験)






平均血糖値については、カナグルを投与する前と比べて、投与1日目では、平均 19mg/dLの低下認め、16日目では、平均 29mg/ dLの低下を認めました。

(プラセボ群では、投与1日目 3mg/dLの低下、投与16日目 11mg/dLの低下を認めています。)

平均血糖値が、20mg/dl 低下すると、HbA1cは 約1% 低下しますので、この結果から推定されるHbA1cの改善効果は、1%弱といったところです。



下図は、日本人2型糖尿病患者にジャディアンスを1日 10mg、もしくは、25mgを、28日間、投与した後の日内血糖変動です。




ジャディアンス投与後も、カナグルと同じように、食前・食後が低下しています。

また、1日平均の血糖値の変化量は、ジャディアンス10mg投与群では、30.3mg/dl低下しました。

(プラセボ群では5.8mg/dl低下しています。)

国内では現在、商品名「フォシーガ」「スーグラ」「カナグル」「ルセフィ」「デベルザ」「ジャディアンス」があります。

SGLT2阻害薬は過剰な糖を尿として排泄することから、ダイエット目的に適応外使用されることが増えていますが、保険が使えず、また重大な副作用が生じた場合に救済制度の対象外ともなります。

[PDF] 糖尿病治療薬の比較・切り替えについて 注射薬(付表 ..


SGLT2阻害薬はどうやって効いているのかを説明する前に、腎臓でどうやって尿が作られているかを説明します。

尿の作り方は、次の通りです。

糖尿病の薬なのに腎臓を守る?SGLT2阻害薬の腎保護作用について


SGLT2阻害薬には、食前・食後の一日にわたり血糖値を下げる作用があることが分かりました。

次に、HbA1cの低下作用を見てみましょう。






縦軸:HbA1c変化(%)
ジャディアンス 左 10mg 右 25mg
BMI:左:やせ 中:普通 右:肥満








この中では、フォシーガとジャディアンスが慢性腎臓病に対する効能または効果が承認されています。 SGLT2阻害薬の腎保護作用について

フォシーガを併用することによって明らかに体重の現象するスピードが速くなったことがわかりますね。

スーグラ · フォシーガ · デベルザ · ルセフィ · カナグル · ジャディアンス.


SGLT2阻害薬には、血糖を下げる働き以外にも、多様な良い効果があることが報告されています。

同様の薬剤には、カナグル、スーグラ、フォシーガ、ジャディアンス、デベルザ、ルセフィ等があります。 SGLT2阻害薬による減量効果

SGLT2阻害薬に特有の症状ではありませんが、ショック・アナフィラキシーに注意が必要です。

SGLT2阻害薬 安全に使ってその有効性を最大限維持させましょう


SGLT2阻害薬には、体重減少作用があることが報告されています。



(プラセボ群では平均 68.6kgから、0.8kg(約1%)の体重減少を認めました。)




縦軸:HbA1c変化(%)
ジャディアンス 左 10mg 右 25mg
BMI:左:やせ 中:普通 右:肥満


体重が減少した際に気になるのは、体重が減ったのは、筋肉が減ったのか、脂肪が減ったのかです。

ルセフィ(ルセオグリフロジン)を、日本人2型糖尿病患者さんに、52週間にわたり投与して、体重推移や脂肪量などの変化を検討した研究の結果は次のようになりました。

体重は 平均78.6kgから、3.1kg減少しました。

次の図は、体脂肪量と除脂肪体重の時間経過をみたものです。




除脂肪体重は、有意差はありませんが、若干減る傾向が認められます。

体脂肪量は、時間が経つにつれて減少していき、52週後には、約2.5kg減少しています。



体重減少の機序としては、尿中に糖分が漏れて、カロリーのロスが生じることが一因と考えられます。

しかし、尿糖の排泄量が少ない腎機能が悪い人でも、同程度に体重が減る事から、尿糖の排泄量の増加以外の機序もありそうです。