1) (P)RRの発現が増えると、正常の膵臓の細胞が癌細胞の性質を持つようになる


3. 慢性膵炎
慢性膵炎は、すい臓で炎症が長期間起きている状態で、慢性膵炎のない人の13.3~16.2倍のリスクがあります。


膵臓がん 検査:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

手術後は、膵臓を切離した部分から膵液が漏れることがあり、感染、腹膜炎、出血が起こることがあります。また、胃から食べ物が一時的に排出されなくなることによって、食事がうまく食べられなかったり、吐き気が起こったりすることがあります。その場合には、状態が回復するまで点滴や中心静脈栄養などで水分や栄養を補うことがあります。

4. 膵管内乳頭粘液性腫瘍
膵管内乳頭粘液性腫瘍は、膵管の中にのう胞(袋状のもの)ができ、膵管(すいかん)が広がる病気で、すい臓がんになりやすい病気と言われています。

身体や白目が黄色くなる黄疸. 膵がんが大きくなり胆管がつまってくると、胆汁の流出が妨げられて黄疸が出現します。

これまでは、胃の2/3の切除を伴う膵頭十二指腸切除術(PD)が広く行われていました。最近では、できるだけ切除する範囲を少なくする、胃のすべてを残す温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)や胃の大部分を残す亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)に変わりつつあります(図4、5)。切除後は、残った膵臓を小腸につなぎ合わせ、膵液が小腸に流れるようにします(再建手術)。同様に、胆管と小腸、胃と小腸もつなぎ合わせます。

お酒を大量に飲むと、すい臓がんのリスクが約1.2〜1.5倍に増えるとされています。飲酒量や頻度が大きくなるほど、リスクが高くなる傾向があります。また、大量の飲酒が主な原因である慢性膵炎の人は13倍すい臓がんになるリスクが高くなります

膵臓(すいぞう)がんになりやすい人とは?リスク因子10項目を解説

膵臓がんの病期の分類には、日本では「膵癌取扱い規約(日本膵臓学会編)」(表1)、または「TNM悪性腫瘍の分類(UICC)」(表2)が用いられ、次のTNMの3種のカテゴリー(TNM分類)の組み合わせで決まります。

すい臓がんの原因については、まだ明らかになっていないところもありますが、糖尿病、慢性膵炎、などの疾患や肥満であること、生活習慣としての喫煙、飲酒などが危険因子(リスクファクター)だとされています。
また、家族の中に患者さんがいること(すい臓がんの家族歴)も、危険因子の1つであるといわれています。

すい臓がんの危険因子の図表を下記に示しました。

膵臓(すいぞう)がんの症状・原因・治療方法とは?背中の痛み、黄疸

化学療法と組み合わせることで治療の効果を高めることが期待でき、局所進行切除不能膵臓がんに対する標準治療の1つとして勧められています。なお、粒子線治療(重粒子線治療、陽子線治療)が受けられる場合がありますが、実施される施設は限られています。希望する場合は担当医に相談しましょう。

また、がんの間質に存在する免疫細胞の多様性は多くの研究の対象となってきましたが、CAFの多様性に関する解析はこれまで不十分でした。本研究によって膵臓がんのCAFの多様性の一部が明らかとなりました。今後は、がん促進性CAFをがん抑制性CAFに変換する新しい治療法の開発が期待されますが、本研究はその開発をすすめるために役立つ可能性が考えられます。


がんサバイバーとは、がんが治癒した人だけではなく、がんの診断を受けた時から死を迎えるまでの全ての段階にある「がんの経験者」を指します。

膵管がんの初期には、自覚症状がありません。しかし、がんが広がってくると、黄疸(眼球や皮膚が黄色くなる)が出やすくなります。すい臓の中には胆汁(脂肪の分解を助ける働きをします)を肝臓から十二指腸に送る胆管が通っていますが、がんによって胆管が狭くなり胆汁がうまく分泌できなくなるのが原因です。
腹痛、胃や背中のあたりが重苦しい、また消化液である膵液の分泌が滞ることから、食欲不振、下痢などの消化器症状がみられます。またお腹が張る、腹水などの症状がみられることもあります。さらに糖尿病の悪化などの症状によって、膵管がんが発見されることがあります。

抗がん効果を狙ったサプリメントは旗色が悪い。しかし、その中で希望の星と目されているものの1つが「メラトニン」だ。 ..

本研究の結果は、Meflin陽性CAFは膵臓がんの初期段階から間質に浸潤し(周囲組織へ広がり)、がんの進行に伴ってMeflinの発現が低下する可能性を示唆しています。細胞の運命を調べる解析(細胞系譜解析)により、Meflin陽性CAFは-SMA陽性のCAFを生み出すことを見出しました。-SMA陽性CAFは、がん促進性CAFであるとする研究成果が多く報告されていますが、一方で背反する報告もみられ、いまのところ結論に至っていません。また本研究チームが別に発表した最近の研究では、線維芽細胞におけるMeflinの発現は、環境(基質)の硬さ、TGF-(transforming growth factor )シグナル、虚血、加齢、細胞の継代などの因子により、顕著に低下あるいは消失することを報告しています[参考文献3]。このことは、がんの進行に伴ってCAFにおけるMeflinの発現が低下し、CAFががんの進行を促す細胞に変化する、すなわち「がん抑制性CAF」から「がん促進性CAF」に変わる(形質転換)する可能性を示しています(stromagenic switch)。いわば、がん抑制性CAFが、がん細胞の側に寝返る(敵から味方になる)という現象ががんの進行中に起きているとも考えられます。

膵臓がんと肝臓がんについて最近の話題 ~診療ガイドラインを中心に

本研究からは膵臓がん細胞においてmiR-376b-3pとの相互作用を介してDPDの発現を上昇させることにより、5-FUの耐性を獲得する能力をもたらすことを世界で初めて明らかにしました。-DDSは膵臓がん細胞のみに送達され効率的に5-FUの効果を増強するため、5-FUの投与量が少なくて済むことにより正常細胞への毒性を抑えつつ、難治性のがんである膵臓がんにおいて有効な治療薬となる可能性を見出すことができました(図4)。

プレスリリース>「膵臓がんの進行を食い止める糖鎖の目印を発見」

5-FUに耐性を示す膵臓がん細胞を移植したマウスに-DDSと5-FUを投与し、治療効果を確認した結果、5-FUを単独で投与したマウス(図3、青線)と比較して、-DDSと5-FUを同時に投与すると、5-FUの薬効が保たれ顕著に腫瘍増殖が抑制しました(図3、赤線)。

1) ゲムシタビン(GEM)+ナブパクリタキセル(nab-Paclitaxel) ..

慢性膵炎を患っている場合、すい臓がんのリスクは10倍以上に跳ね上がるとされています。

[PDF] オキサリプラチンで 膵臓がんの治療を 受ける患者さんへ

次に本研究グループはの作用を抑制する薬剤の作製を試みました。薬剤をがん細胞のみに到達させるための“運び屋”をを抑制する核酸医薬と組み合わせた治療薬(-DDS)をナノ医療イノベーションセンター、東京大学との共同研究で作製しました。この-DDSを用いることにより、の作用を抑制する薬剤を膵臓がん細胞のみに送達することができました(図2)。

2週間を1サイクルとして、下図の投与を繰り返します。 出典 ニプロ株式会社:FOLFIRINOX 療法(治癒切除不能な膵癌)適正使用情報

Meflin陽性CAFの量の多さは膵臓がん患者の良好な術後の生存率に影響しますが、膵臓がん発症マウスモデルでMeflin遺伝子を欠失させると、がんの進行を促進することを見出しました。興味深いことに、Meflin陽性CAFを欠失したマウス個体では、より悪いタイプ(低分化型)の膵臓がんが高頻度に出現することも判明しました。また、膵臓がん細胞の移植実験でMeflin陽性CAFを除去すると腫瘍の増殖が盛んになり、ある特定の細胞の運命を追跡する実験(細胞系譜解析)では、がんの進行に伴って、Meflin陽性CAFが別のタイプのCAF(平滑筋アクチン陽性;-SMA(smooth muscle actin)陽性)に分化することも見出しました。さらに、コラーゲンなどの細胞外基質を観察するための特殊な顕微鏡(第二高調波顕微鏡)を用いた検証から、Meflin分子の機能は間質の硬化やがん細胞の悪性化に結びつく細胞外基質の改築(リモデリング)の抑制であることも明らかとなりました。以上の結果から、Meflin陽性CAFは、これまで本態が不明であったがん抑制性CAFである可能性が示唆されました(図3)。

― 糖尿病と膵がんに関係性はありますか? 糖尿病は血糖値が高くなる病気です。従って、膵がんの発症

本研究チームは、以前に間葉系幹細胞のマーカーとして同定されたMeflin(メフリン)と呼ばれる膜型分子が[参考文献2]、膵臓がんのCAFの一部の種類に発現していることを明らかにしました(図2)。

を培地に加えることで、膵臓がん(注 2)細胞の増殖が抑制されることを発

膵炎とは?: すい臓が炎症を起こしている状態で、急性(突然の炎症)と慢性(長期間にわたる炎症)があります。

ここ10年間の膵癌切除例の5年生存率は30%程度まで向上してきており、最近5年間に限ればさらに向上しています。 △ページトップ△

一方、5年ほど前、膵臓がん発症マウスモデルを用いた研究により、CAFはむしろがんを抑制する機能を有する細胞である、とそれまでの仮説とは相反する複数の研究結果が発表され、「CAFはがんの味方か敵か」という議論がなされるようになっていました。現在では、CAFは免疫細胞と同様に多様性に富む存在であり、がんにとって味方である「がん促進性CAF」とがんにとって敵である「がん抑制性CAF」の両者が存在する、という仮説が提唱されています[参考文献1]。しかしながら、後者の細胞の本態や特異的マーカー分子(その細胞の旗印となる遺伝子やタンパク質)は明らかではありませんでした。

すい臓がんに効く抗がん剤をニトロ化合物から作り出す | 夢ナビ講義

抗がん剤や放射線治療の発展は目覚ましいものがありますが、手術以外の方法のみで膵がんを治すことは困難な現状です。遠隔転移や腹膜播種がなく、大血管を巻き込んでいない場合など、手術によってがんが遺残なく取り除けると診断された場合に手術治療が勧められます。手術の方法は2つの方法に大別されます。膵頭部にがんができた場合は膵頭十二指腸切除術が、膵体尾部にがんができた場合は膵体尾部切除が選択されます。しかしながら手術を受けるためには、耐術能(心臓や肺機能、栄養状態などが保たれていること)の評価も重要です。当院では決して医師主導の無理な意思決定を促さない目的で、CAG(高齢者機能評価)外来や周術期支援外来という取り組みを行っています。病気と闘うのは一人ひとりの患者さんですので、それぞれの意志決定をできるかぎり真摯にサポートします。

[PDF] 制度の運用状況及び患者からの相談事例の現状について

膵臓がんをはじめとする難治がんの特徴の一つは、がん細胞の量と比べて間質の量が非常に多く、その間質中に多くの線維芽細胞の増生を伴うことです(図1)。線維芽細胞は私達の身体のすべての臓器に存在し、それらの形や構造の維持に必須の細胞です。がんが発生すると、がん細胞から産生される様々な因子によって線維芽細胞が増えることが知られています。このような線維芽細胞はがん関連線維芽細胞(CAF: cancer-associated fibroblast)と呼ばれ、がんの悪性化と治療の抵抗性に関与することが多くの研究で示されています。例えば、CAFはコラーゲンなどの多くの細胞外基質を産生し、がんの間質を非常に硬くします。この結果、血管がその圧によって押しつぶされてしまい(虚脱)、抗がん剤の効率的な浸透を妨げることが明らかにされています。血管が押しつぶされることは、がん組織の低酸素状態も誘導し、さらに、がん細胞の悪性度を上昇させることも知られています。また、間質の硬度の上昇自体も、がん細胞の増殖や浸潤能(周囲組織にひろがる能力)を上昇させる因子の一つです。加えて、CAFは多くの増殖因子を産生し、これらはがん細胞に作用してその増殖や浸潤を促進する機能を有する他、抗腫瘍免疫応答を抑制します。このように、CAFは、がん細胞の悪性化を促進する機能を有しており、現在、多くの製薬企業がCAFを標的とした新規治療法の開発を目指しています。