[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠
一般に肺MAC症治療での薬剤副作用が過大に話され、それが広まっていて、むしろそれにより治療を受けた方がよい方まで薬を避けている害の方が大きいように感じま す。仮に100人の肺MAC症の薬による治療を始めたとして、どうしても副作用で薬が飲めなく薬剤治療が不可能な方は、一人いるか、いないかの程度です。
用量が追加になりました。それに伴い,下記のとおり,効能・効果,用法・用量及び ..
治療期間が1年以上必要なことが多いですが、薬に対する副作用や効き目が患者さんによって違うので、治療期間も異なります。当院には日本結核・非結核性抗酸菌症学会の結核・抗酸菌症指導医が在籍しており、クロファジミン(内服薬)を含めた先進的な治療を提供しています。
2011年~2015年:改善しない症状に悩まされる~不信感を抱く
2011年の3月にまた主治医が退職し、後任の医師に変更になりましたが、クラリスロマイシンとL-カルボシステインという投薬内容に変更はありませんでした。その後、自覚症状を伝えても「肺MAC症の悪化ではない。前回とレントゲンに変化はない」と言われるだけでしたので、自分からは特に報告することはしなくなりました。血液検査はするものの、喀痰検査やCT検査も特になく、薬をもらうための通院という感じでした。しかし、単剤投与を再開して4年目の2014年7月、激しい咳こみと痰に悩まされ始めます。受診したところ、細菌感染かもしれないといわれ、スルタミシリントシル酸塩水和物を処方されました。その時は後から、インフルエンザ菌への感染であったことがわかり、投薬の効果で症状が改善しました。しかし最初の健診より10年が経ち、自覚症状は明らかに悪化しているのに診察には進展はなく、主治医への不安が強くなりました。そこで転院を希望したところ、「専門病院に転院したら強い薬を飲んでまた副作用が出ますよ。よく考えたほうがいい」と言われました。そう言われると気持ちが消極的になり、身内の手術などもあり、転院は保留となっていました。
通常、成人にはクラリスロマイシンとして1日400mg(力価)を2
2009年~2010年:多剤併用療法への挑戦と副作用に苦しみ、転院
2009年3月、A病院の主治医の退職を機に紹介されたB大学病院で各種検査を実施した結果、病状が悪化していることから3剤(クラリスロマイシン・リファンピシン・エタンブトール)治療が必須であると診断を受けました。副作用の話も聞いていたため、迷いましたが家族とも相談の末、2009年7月には3剤治療を開始する決断をしました。しかし、投薬3週目、悪寒と発熱、起き上がれないほどの倦怠感が現れます。翌月、診察時に主治医に相談し「3剤治療が絶対に必要だが当面は代替薬で様子を見る」とされ、3剤治療は中止となりました。2010年5月、CT検査を実施し、既存の空洞は小さくなっているが、新たな空洞ができているとの指摘を受けました。「やはり3剤治療をするべきであり、それが嫌なら筋肉注射を週に2回通ってもらう」と言われてしまいました。このことから、大学病院はつらく厳しい治療を無理強いするところ、との印象を持ってしまいました。生活のために働かなくてはならないことを理解してもらえないと思い、その病院への受診をキャンセルし、以前の主治医がいるC病院を受診することにしました。その病院では「3剤治療は副作用が強い上、飲んでも必ず治る保証はないので辛いなら飲まなくて良い。クラリスロマイシンを中心にL-カルボシステインを追加しよう。」と言われて安心し、頼ってしまうことになりました。
2015年:喀血・転院
そうしてC病院でクラリスロマイシン単剤での療養を続けながら過ごしていた2015年8月、初めて喀血をしました。主治医からは「肺MAC症の悪化は見られないので重いものを持った瞬間に気管支に負荷がかかったことにより血管が切れたのだろう」と言われ2週間の安静を指示されました。その年の10月、肺NTM症専門病院の市民講座に参加し、講師の医師に相談したところ「現状の投薬では耐性化の危険がある。今の状態なら投薬する価値があるし、減感作療法で副作用の影響を考慮しながら投薬できる可能性がある」と言われ転院を決意しました。 主治医にその意思を伝えたところ「紹介状を書くのは構わないが専門の先生には怒られると思う。なぜならクラリスロマイシンの単剤投与はやってはいけないといわれているから」と言われて絶句しました。やってはいけないと知っていて単剤投与を長期間していたことを知り、言葉がでませんでした。勝手に大学病院を辞めたことは誤りだったことにこの時、気が付きました。
[PDF] 効能又は効果、用法及び用量の追加、使用上の注意改訂のお知らせ
病気の形状、広がり、痰からの菌の程度などによっては、手術が選択肢になることがあります。日本結核・非結核性抗酸菌症学会から手術に関する考え方が示されていますが、経験豊富な外科医師と相談し、患者さんの年齢、基礎疾患、全身状態、肺機能(肺の余力)、患者さんの希望などを総合的に判断したうえで、手術を行うか検討します。
2004年~2009年:発症、増悪、治療開始
2004年39歳の時にいつものように健康診断を受けました。後日、例年は結果が手紙で通知されるだけなのですが、今回は精密検査が必要という電話がかかってきました。すぐに病院を受診したところ「肺がんではないが非結核性抗酸菌症の疑いがある」と医師の話を聞き、初めて聞く病名に戸惑いましたし、当時は予後が良くない、治す薬がない、などと言われ、不安を持ちました。連日ネット検索をしましたが、情報も少ない状況でした。 こうした状況の中、A病院で気管支鏡検査等の結果、アビウム菌陽性(ガフキー8号)となり肺MAC(Mycobacterium avium complex)症と確定診断があったのが、2005年でしたが、当時は自覚症状がなかったため経過観察となり定期的にレントゲン検査や喀痰検査、血液検査をすることとなりました。 2007年42歳の時、体調を崩し咳・痰がひどく呼吸も苦しいことから予約外受診をして、クラリスロマイシンという抗菌薬を単剤で1日400mg/日飲み始めることとなりました。投薬により吐き気や下痢といった症状が続き、整腸剤と吐き気止めも併せて内服していました。7か月後の2008年2月には咳や痰は多少あったものの、レントゲンの結果、投薬効果が確認できたとして投薬終了と言われました。しかし、投薬終了に喜んだのも束の間、その5か月後の再診で数年分を数か月で悪化していると言われ、投薬再開となってしまいました。加えて、その半年後には「投薬に効果なし」とされクラリスロマイシンが倍量の800mg/日となりました。増量によって口中に苦みを感じるようにもなりました。なにより、再開や増量という展開に不安感が増しました。
標準治療として、クラリスロマイシン、エタンブトール、リファンピシンの 3 剤併
2016年~2017年:クラリスロマイシン耐性菌が発覚、多剤併用療法を開始
専門病院であるD病院に転院後、喀痰検査を実施した結果、クラリスロマイシン耐性アビウム菌と判明し、クラリスロマイシンを中止することになりました。減感作療法を実施するために入院し、抗アレルギー薬を服用しながらでしたがリファンピシン、エタンブトールを基礎とした多剤併用療法を開始することができました。それから2年間、同様の服薬内容で体調良好な日々を過ごすこととなりました。
その後:耐性菌陰性化と2度の菌交代と現在
専門病院での多剤併用療法は3年続き、難しいと思っていたクラリスロマイシン耐性MAC菌の陰性化に成功しました。 ただ、同じ非結核性抗酸菌のアブセッサス菌(マシリエンセ亜種)に感染し新たな治療を行ってそれを陰性化してもまたアビウム菌に感染するなど、最初の診断から17年目に入ってもまだ治療は終わっていません。 現在のアビウム菌はクラリスロマイシンに感受性があることがわかっており、クラリスロマイシン・リファンピシン・エタンブトールの3剤治療を続けています。 どうして自分はこうして菌交代しながら感染を繰り返すのだろう、と悲しくなります。お風呂掃除はその日のうちにサッとやる程度にして念入りにやるのは夫に任せ、庭の園芸仕事もやめ、水回りのリフォームもしたにも関わらず、です。「ああどうしてこうなるんだろう」と繰り返し思います。けれどこうなった以上、新しい菌に対処していくしかないです。
床用量における有効性については、NTM の菌種間に差はない」とする ..
肺アブセッサス症は、肺MAC症と比較して治療が効きにくいといわれています。このため、初めに点滴のお薬を含む複数の薬で治療を行います。まずは入院して点滴の薬を2種類(アミカシン、イミぺネム/シラスタチン)、内服薬を2種類(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クロファジミン、シタフロキサシン、リネゾリドの中から患者さんに合わせて選択します)を使った治療を1か月程度行います。退院後も外来で週3回の点滴と内服薬2~3種類を続けます。
[PDF] 成人肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解 ― 2023年改訂 ―
患者として感じる困難は、ガイドラインがあってもこれで治るとか、どの程度時間がかかるという明確な指標がないために常に不安の中にいるというところです。薬を飲んだ方がいいのか飲まない方がいいのか、副作用はどうなのか、服薬を継続できたとして効くのか効かないのか、それらはすべてやってみなければわからないということが多かったです。それに加えて、医師の中でも治療に消極的な方がいらっしゃったりなど、多くの不安材料や、わからないことが多く、患者としては治療に取り組むことを躊躇してしまうように感じました。 またNTMの治療の特徴としても、運良く薬が飲めて、陰性化してもその後1年間程度は服薬を継続しなければなりません。その間にまたどれかの菌が陽性化してしまう不安があります。これはまるで「あがりのない双六」をぐるぐる回っているような感覚を覚えました。 何年も大量の薬を飲むというのは体への負担や精神的なしんどさに加えて、金銭的な負担も大きいです。そのため、投薬を終了すると言われたら普通は喜ぶところです。しかしNTM患者にとってはそれが夢のような言葉であり、同時に、再度陽性化し振り出しに戻ってしまうかもしれない、それを言われたらどうしようという恐怖の言葉ともなり得ます。医療者の皆様には、こうした不安や両価的で複雑な患者の気持ちを理解して欲しいです。ずっと付き合っていかないといけない病気と思っていますが、治せる薬が出てくるまで頑張ろう、ということも患者同士で励まし合って日々を過ごしています。私たちの病気を知っていただき、応援していただけたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
の投与量は2017-BTSガイドライン,2020-国際ガイドラ
アリケイス®は、通常点滴で使用するアミカシンをリポソームと呼ばれる油性の小さな粒子の中に入れたお薬です。2021年に発売された新薬で他の治療を半年以上行っても痰から菌が検出される場合に、従来の治療に加えて使用するものです。臨床試験では、ガイドラインに基づく多剤併用療法に加えてアリケイス®を毎日追加した場合、アリケイス®を使用しない場合に比べて、投与6か月目までに約30%の方で喀痰の抗酸菌培養検査で菌が陰性になりました。専用の吸入器を用いて吸入することにより、肺の末梢にある肺胞まで効率的に薬剤が分布するため薬の全身への影響が少なくなり、副作用を軽減しながら治療の効果を期待できます。吸入治療ならではの副作用として発声障害が比較的多く報告されていますが、声帯の一時的な炎症によるもので基本的には心配ありません。吸入手技やメンテナンス方法の習得が必要になるため、慶應義塾大学病院では新規導入の際に2泊3日程度の入院をしていただいています。入院前の準備から退院後のフォローに至るまで、関係する医師(呼吸器内科、感染症科、耳鼻咽喉科)・看護師・薬剤師がチームとなって連携をとり、遠方に在住の方でもスムーズに治療を継続できるような取り組みを行っています。
肺Mycobacterium avium complex症治療薬の 薬物相互作用と適正使用
<基本の治療法>
・肺マック症
クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールの3剤の内服薬に加えて、病状の程度や症状の強い方にはアミカシン(アミノグリコシド)の点滴を行っています。
・肺アブセッサス症
有効な内服薬が少ないため、数種類の内服薬に加えて、アミカシン、イミペネム/シラスタチンなどの点滴治療を行います。
最近、遺伝子解析などにより、より細かくⅰ)アブセッサス・マシリエンゼ、ⅱ)アブセッサス・アブセッサス、ⅲ)アブセッサス・ボレッティの3種類に分類できるようになってきています。ⅰ)アブセッサス・マシリエンゼでは通常クラリスロマイシンが有効であるのに対して、ⅱ)アブセッサス・アブセッサス、ⅲ)アブセッサス・ボレッティではクラリスロマイシンが効きにくいことが多いため、退院後も点滴抗菌薬を継続することがあります。
が,2008 年にクラリスロマイシン(clarithromycin: CAM)とリファブチン,2011 ..
<治療薬の副作用・注意点>
非結核性抗酸菌症や気管支拡張症の治療で使用されることの多い内服薬・点滴薬
て記載されている。 一方、国内外のガイドラインにおいて、非結核性抗酸菌症治療での使用が推奨される 3 剤
内服薬(一般名:商品名®)
☑ クラリスロマイシン:クラリスロマイシン®
☑ アジスロマイシン:アジスロマイシン®
ともに肺非結核性性抗酸菌症の治療において非常に重要なマクロライド系の抗菌薬です。
吐き気、軟便、腹部膨満感、味覚異常(苦味、金属の味がするなど)、発疹、肝機能障害、腎機能障害などの副作用があります。
稀に不整脈、耳がきこえにくくなるなどの症状が出ることがあります。
●特に心臓の病気があるかたは定期的な心電図などの検査が必要です。
☑ エタンブトール:エサンブトール®
発熱、発疹、肝機能障害、視力障害(視力低下、視野異常など)や手足のしびれなどの副作用が出ることがあります。
●視力障害は早期に発見すれば回復しやすい症状です。かかりつけの眼科で定期的な検査を受けることをおすすめします。視力障害やしびれなどの症状を自覚された場合はすぐに主治医(眼科医)に相談してください。
クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン+エタンブトール+リファンピシン
副作用かどうかを判断するためには、定期的な受診とが必要です。日頃から読んでいる新聞や本・雑誌の見え方に変化がないかどうか、階段などでふらつくことが増えていないかどうか、耳の聞こえ方に変化がないかどうか、などに注意して少しでも変わったことがあったら遠慮なく相談してください。
非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria:
☑ リファンピシン:リファンピシン®
胃のむかつき、かゆみ、発疹、顔が赤くなるなどの症状のほか、肝機能障害や血球異常、
発熱、悪寒などのインフルエンザ様症状などの副作用を起こすことがあります。
●尿、便、体液などがオレンジ色になることがあります。
ソフトコンタクトレンズに色がつくこともあり、洗浄液でもとれないので注意が必要です。
DIクイズ3:(A) 抗結核薬を服用する結核以外の疾患:日経DI
☑ シタフロキサシン:シタフロキサシン®
ニューキノロン系の抗菌薬です。
下痢、軟便、発疹、めまい、頭痛、腹部膨満感、便秘、消化不良、吐き気、口内炎などの副作用があります。
●海外で大動脈瘤・大動脈解離との関連性が示唆されました。患者さんご本人またはご家族が、大動脈瘤・大動脈解離を患ったことがある場合は主治医または薬剤師にご相談下さい。
肺MAC症には、線維空洞(FC)型と結節・気管支拡張(NB)型がある。 ..
代表的な治療薬はクラリスロマイシン(またはアジスロマイシン)とエタンブトールで、この2種類の薬にリファンピシンを加えて3種類の薬で治療します。このうちクラリスロマイシン(またはアジスロマイシン)は治療に重要な薬です。飲み薬だけでは治療の効果が不十分な場合などにはストレプトマイシンの注射剤(筋肉注射)、アミカシンの点滴注射や後述する吸入薬(アリケイス®)を使用する場合があります。リファンピシンのかわりにリファブチンを用いることもあります。