クラリスロマイシン錠200mg膀胱炎に関する医師への質問13件


単純ヘルペス(HSV)1型もしくは2型の感染で性器に潰瘍、水疱性病変をきたし、しばしば痛みを伴います。HSVは感染後、仙髄神経質に潜伏感染し、再活性化されると神経を伝って下行、支配領域の神経先端皮膚に病変を形成します。診断にはウイルス分離、血清抗体測定、PCRによる検出などありますがいずれも迅速な診断とはいきません。既往歴や陰部の診察、症状などからHSVを疑ったら治療を開始するほうが良いかもしれません。治療としてはアシクロビルの内服になります。アシクロビルはHSV の持つチミジンキナーゼによりリン酸化され、DNA 鎖に取り込まれ、DNA 鎖の伸長反応を止めることでウイルス増殖を抑制します。つまり、ウイルス感染細胞にのみ働きますので非常に安全な薬です。しかしあくまでウイルスDNA複製を止めるだけで、潜伏しているウイルスまで拝上することは出来ず、状態によってはまた再発は起こることを十分に話しておくことが重要です。


尿所見異常が持続し腎機能障害が残ることもあり、注意が必要な疾患 ..

ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により感染部位に乳頭状腫瘍を形成、尖圭コンジローマとして泌尿器科でもよく見る疾患です。女性ではHPV16型、18型などによる子宮頚がんが有名で、最近ではHPVに対する予防接種が推奨されています。男性においても尖圭コンジローマのみならず陰茎がんを発症することも知られています。診断は臨床症状から容易であり、PCR法を用いてHPVの型も判別可能です。尖圭コンジローマの治療としてはイミキモドクリームや凍結療法、電気焼灼などがあります。イミキモドクリームはTLR7に対するリガンドです。TLRは自然免疫機構の受容体として存在するため、TLRの活性化が炎症性サイトカイン産生を誘導し、抗ウイルス活性を示します。そのため局所に発赤など副作用もありますが、使用法をきちんと守っていればさほど問題とならないので、処方する際にはしっかり話しておくことが重要です。

クラミジアは淋菌と同様、男性には尿道炎、精巣上体炎、女性には子宮頸管炎などをきたしますが、その症状は淋菌よりは軽度です。自覚症状に乏しい場合も多くあります。30%程度は淋菌と同時に感染しているのでその場合は強い症状が出てきます。パートナーが複数いる女性の1/4にクラミジアが存在すると言うデータもあります。症状が乏しいため、きちんと治療していない可能性が示唆されます。診断には尿からクラミジア核酸検出するSDA法やTMA法などの方法があります。淋菌も同時に検出出来る方法もあります。治療として、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリンの他、レボフロキサシン、シタフロキサシン、トスフロキサシンなどのキノロン系の薬剤も効果があります。しかし、淋菌が同時感染している場合、前項のように淋菌はキノロン耐性がほとんどですので注意が必要です。

[PDF] クラリスロマイシンの「使用上の注意」の改訂について

淋菌感染症で泌尿器科を受診する場合、尿道炎として受診される方が多いです。放置していた場合は精巣上体炎となって受診する方もいます。淋菌による尿道炎における排尿時痛は非常に強く、火であぶった火箸を尿道につっこんだような痛さらしいです。尿道から膿が常に排出されるような状態で、いつも精液を垂出しているgono:精液とrrhea=流出を併せてgonorrhoeaeと名付けられています。診断として、現在は核酸増幅法で尿から淋菌を検出することが出来ますが、以前は綿棒を尿道口に差し込んでスワブを採取していました。また、尿沈渣のグラム染色にてグラム陰性双球菌の検出は最も早く結果が出ます。無論、これだけで淋菌と確定は出来ませんが症状などと考え合わせれば診断の一助となります。治療は淋菌に有効な抗生剤を使うことですが、本邦では淋菌の抗生剤に対する耐性化が進んでおり、特にキノロンに対する耐性率は80%ほどになり、キノロンは全く使えません。現在、有効な薬剤はセフトリアキソン、セフォジジム、スペクチノマイシンの3剤のみです。

排尿するときや終わった後に痛む(排尿時痛)、排尿した後でもすぐにトイレに行きたくなる(残尿感、頻尿)といった症状があります。単純性膀胱炎の起炎菌は大腸菌が多く治療はセフェム内服、レボフロキサシン内服などを行います。

下腹部および陰嚢と肛門の間の不快感、鈍痛および排尿時の違和感などの症状あり排尿時痛、頻尿、残尿感などの排尿症状もある。 ..

泌尿器科に受診するような梅毒は第一期梅毒です。初期硬結として局所に硬結を作り、やがて潰瘍を形成します。通常痛みが無く、放置していても2~3週間で消失します。この段階で放置すると第二期梅毒となるまで症状が出てきません。第二期梅毒では血行性にトレポネーマが全身性に播種され、多彩な発疹が全身に出現します。梅毒感染の場合HIV感染も併発していることが多く注意が必要です。診断には梅毒血清反応としてカルジオリピンを抗原としたRPRに加えて、TPHA法、またはFTA-ABS法を行います。治療にはペニシリン製剤がよく効きます。ABPCやAMPCの経口剤、ミノサイクリンも使用することがあります。通常2~4週間の投与が必要とされます。TPHA等は陰性化しないことがほとんどですが、カルジオリピンを抗原とした検査による抗体価が治療効果を反映しますので8倍以下になるまで治療を継続します。

膀胱炎が再発を繰り返し、半年に数回もおこるようだと慢性化が疑われます。
原因疾患(膀胱癌、結石、子宮癌や直腸癌の膀胱浸潤など)を検査する必要があります。
治療としては抗生剤の内服が必要ですが、抗生剤が効きにくい(耐性菌)が発生している可能性あり専門医で診察を受けましょう。

の項に「脱毛、 頻尿」を追記し、以下のように改めました。 (該当部分のみ抜粋)

泌尿器科で扱うことの多い疾患の中に性感染症が含まれます。性感染症とは性行為によって伝播する感染症の事を言います。以前は梅毒や淋病など、性器に症状が出現する疾患のことを指していたために泌尿器科で扱う事が多くなっていましたのですが、広義の性感染症を起こす原因微生物は実に多彩です。性感染症をきたす主な病原微生物として、梅毒スピロヘータ、淋菌、クラミジア等の細菌類に加え、単純ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、サイトメガロウイルス、EBウイルス、HTLV-1のようなウイルス類、トリコモナス、アメーバ赤痢、ケジラミ、疥癬のような原虫・寄生虫まで含まれます。当然のことながら症状も多彩で、尿道炎、精巣上体炎、子宮頸管炎のほか、咽頭炎、結膜炎、直腸炎なども入ります。尿道炎の症状や性器に潰瘍やいぼを作ったりする感染症は自分でも見つけやすいと思われますが、HIV感染症や肝炎ウイルスの感染症などは他の病原体による感染症を合併していなければ性器に変化をきたすことはありません。泌尿器科でよく見る疾患は次の通りです。

性感染症の一つとして受診してくる場合がほとんどで、若い男性のクラミジアや淋菌による感染症が中心です。陰嚢部の腫脹、疼痛を訴え、尿道炎、膀胱炎の症状を伴うこともあります。また発熱を伴う場合もあります。触診で、精巣上体部の硬結や圧痛を認めます。これらの症状、所見に加え、膿尿や採血での白血球増多などの炎症所見を認めます。時に精巣腫瘍を心配して受診される方もいますが、泌尿器科専門医を受診して診察してもらうことをおすすめします。陰嚢の腫脹に関して言えば精巣上体炎、精巣腫瘍のほか、精索捻転、陰嚢水腫、鼠径ヘルニアなど重要な鑑別診断が存在し、注意が必要です。治療はクラミジアや淋菌を念頭に入れて治療するので①セフトリアキソン+アジスロマイシン、②キノロンなどの選択肢が考えられますが、現在、淋菌はキノロン耐性株が非常に多いので注意が必要です。


クラリスロマイシンは,1991年3月に承認されたマクロライド系抗生物質である。 ..

【11.1.1】ショック,アナフィラキシー〔呼吸困難,痙攣,発赤等が発現〕【11.1.2】QT延長,心室頻拍(torsade de pointesを含む),心室細動〔QT延長等の心疾患のある患者,低カリウム血症のある患者においては特に注意。[9.1.2参照]〕【11.1.3】劇症肝炎,肝機能障害,黄疸,肝不全〔劇症肝炎,AST,ALT,γ-GTP,LDH,ALPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸,肝不全が発現。[9.3参照]〕【11.1.4】血小板減少,汎血球減少,溶血性貧血,白血球減少,無顆粒球症〔[8.2参照]〕【11.1.5】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑〔投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与〕【11.1.6】PIE症候群・間質性肺炎〔発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等が発現。このような症状が現れた場合には投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与〕【11.1.7】偽膜性大腸炎,出血性大腸炎〔偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の重篤な大腸炎が発現。腹痛,頻回の下痢が現れた場合には投与中止〕【11.1.8】横紋筋融解症〔筋肉痛,脱力感,CK上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇が発現。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意〕【11.1.9】痙攣〔痙攣(強直間代性,ミオクロヌス,意識消失発作等)が発現〕【11.1.10】急性腎障害,尿細管間質性腎炎〔乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には投与中止〕【11.1.11】IgA血管炎【11.1.12】薬剤性過敏症症候群〔初期症状として発疹,発熱がみられ,さらに肝機能障害,リンパ節腫脹,白血球増加,好酸球増多,異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が発現。投与中止後も発疹,発熱,肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意〕

8) 西村昌宏: 尿中抗菌薬濃度自動シミュレーター付き, 尿路感染症 ..

ここで述べる前立腺炎とは急性細菌性前立腺炎です。NIHの分類ではI型前立腺炎とされています。症状は膀胱炎様症状つまり排尿時痛・頻尿などに加え前立腺の炎症による腫大から排尿障害が加わります。場合によっては尿閉となることもあります。また、会陰部不快感、会陰部痛なども前立腺炎の症状として訴える事があります。また、全身症状として発熱を伴う事が多いです。診断はこれらの自覚症状に加え、検尿所見での白血球増加、そして直腸診上前立腺の熱感のある腫脹、圧痛があります。直腸診による前立腺の触診は菌血症をきたす場合があるので注意が必要です。治療としては前立腺に移行性の良い抗生剤が有効で①キノロン、②ST合剤などがよく用いられます。尿閉の場合、尿道カテーテル留置よりは超音波ガイド下恥骨上穿刺膀胱瘻が理想的です。

1 錠中 日局 クラリスロマイシン 50mg(力価)を含有する。 ..

前項で述べた膀胱炎、腎盂腎炎以外の泌尿器感染症として男性における前立腺炎・精巣上体炎があります。前立腺・精巣上体は精液に関わっている臓器で、性器感染症に分類します。

(10) 急性腎障害、尿細管間質性腎炎:急性腎障害、尿細管間質性腎炎があらわれることがある

下腹部および陰嚢と肛門の間の不快感、鈍痛および排尿時の違和感などの症状あり排尿時痛、頻尿、残尿感などの排尿症状もある。
肛門から指を入れて前立腺マッサージ後、前立腺液を採取し細菌性、非細菌性、前立腺痛(プロスタディニア)3タイプに分類される。慢性細菌性前立腺炎、非細菌性前立腺炎では、まず2週間~1ヶ月程度抗生物質を内服します。前立腺痛のなかにはいろいろ基礎的な病態が含まれている可能性があります。骨盤腔内のうっ血が原因と考えられる症例の場合には消炎鎮痛剤、植物製剤、漢方薬の内服治療が有効です。精神的要因の関与の強い症例では、場合によっては心療内科の受診をお勧めすることもあります。

尿路性器感染症 (Genitourinary tract infections)

狭窄や排尿障害、残尿、異物の存在、カテーテルの留置、糖尿病などの基礎疾患を持つ場合の尿路感染症のことでしばしば難治です。治療前の尿培養を提出することが必要となりますが、最も早く結果の出るグラム染色の結果も重要です。グラム陽性球菌もしばしば分離され、その場合黄色ブドウ球菌や腸球菌を視野に入れた治療となります。グラム陰性桿菌中心の場合緑膿菌も考えられます。抗生剤による治療に加え、基礎疾患の治療も同時に行うこととなります。

クラリスロマイシンは、エリスロマイシンのラクトン環の 6 位水酸基を O ..

精巣の横の副睾丸(精巣上体)に尿の中の細菌が入り込み、そこで炎症を起こす病気が精巣上体炎です。前立腺肥大症、尿道狭窄、膀胱結石などの疾患があると、尿は汚れて細菌が増殖し、精巣上体炎を起こしやすくなります。高齢者に多く、大腸菌などの一般的な細菌が原因です。尿道炎の原因であるクラミジアや淋菌が精巣上体に至ることによって炎症を起こします。陰嚢痛み、38℃以上の発熱などの症状が認められます。ペニシリン系やセフェム系の注射、ニューキノロン系などの抗生剤の経口投与と、局所の安静、冷却を行います。

分かれて飛びちる(尿線分割)、おしっこをしている間に尿が ..

腎盂腎炎は、膀胱炎の症状に加え上部尿路の局所症状として側腹部痛や感染をきたしている側の肋骨・脊椎角部叩打痛などや、全身症状としての発熱が加わります。時に、悪心、嘔吐などの消化器症状も加わります。起因菌の種類は膀胱炎と同様グラム陰性菌が多くなっています。診断も上記症状に加え検尿所見で白血球の増多が確認できます。全身症状が加わるので採血でも白血球上昇、CRP高値、赤沈亢進などが確認できます。症状の程度によっては外来加療も可能な例もありますが、入院が必要となる場合も多くあります。入院加療の場合、抗生物質の点滴静脈投与による治療となります。治療には①セフェム系抗生物質、②点滴静注キノロン系抗生物質、③βラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系抗生物質などが考えられます。Empirical Therapyとして開始し、3日を目安に改善が無い場合、尿培養・感受性試験を確認し切り替えます。通常14日間の治療を要します。次に述べる複雑性尿路感染としての腎盂腎炎の場合、非常に重症化する例も見られ、集学的治療を要する場合もあり注意が必要です。

カンピロバクター クラリスロマイシン経口(CAM)3~5 日間 ..

外来で最もよく見る疾患です。若い女性に多く、起因菌の大多数は大腸菌です。その他、ブドウ球菌や、Proteus、Klebsiellaなども起因菌として分離される事があります。典型的な症状は、排尿時痛、頻尿・残尿感・血尿等です。これらの症状のいくつかと検尿所見での白血球増多を認めれば診断は容易です。膀胱炎のような下部尿路の感染症では発熱を伴うことはありません。治療には①キノロン系抗生剤、②ペニシリン・セフェム系抗生剤、③ST合剤、④ホスホマイシンのいずれかを用います。日本感染症学会・日本化学療法学会の感染症治療ガイドでは①、②が第一、第二選択薬とされ、米国のサンフォードガイドでは③が第一選択、①、④が第二選択薬です。重要なのは尿路分離菌のLocal Dataで、地域における各抗生物質に対する耐性率が20%以上であった場合その抗生剤は第一選択としては使いにくくなります。

(8) 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴と

クラミジア(Chlamydia trachomatis)による感染症
2002年をピークに減少傾向
淋菌同様性行為および性行為類似行為によって感染する。
潜伏期1~3週間で発症、淋菌と比較し症状は軽いまた女性は無症状のことが多い
精巣上体炎や前立腺炎として症状が発生することあり
治療はアジスロマイシン、クラリスロマイシン、ミノサイクリン、レボフロキサシンな どの内服を行います。

2) プロトンポンプインヒビターの強力な胃酸分泌抑制作用により

通常、膀胱に貯留する尿は無菌状態です。しかし、会陰部や膣などに存在していた大腸菌を中心とする腸内細菌などが上行性に尿路に侵入することによって感染が成立します。いったん膀胱内に菌が侵入したならば、そこで菌は増殖し、時には腎盂・腎実質へ上昇していきます。尿路感染が成立するための菌側の因子としては、大腸菌の血清型や線毛による上皮への付着能力等があり、それに対して宿主側としては尿路上皮への菌の付着に対する抵抗性・免疫機能、排尿に伴う物理的防御機構等があります。また、女性ホルモンによる膣内のLactobacillusの増加に伴う膣内pH低下も膣内での雑菌の増殖を抑制しています。これらの防御機構が破綻した場合、感染が成立しやすくなります。性交渉・避妊装置・婦人科手術・尿道カテーテル留置・前立腺肥大症による排尿障害などは尿路感染発症の危険因子となります。代表的な疾患における症状・治療法は次の通りです。