[PDF] 【4】Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について
フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。
クラリス錠 200mg クラリスロマイシン 1 日 400mg
マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。
細菌に対して薬物が効くためには血液中の適切な濃度があり、細菌を抑えるための最小発育阻止濃度をMICと言います。薬剤の種類によりCmaxにより効果が高まるものと、MICを長く保つことで効果が高まる薬剤があります。ニューキノロン系はCmaxを高くすることで効果が強くなるため1日に使用する服用量を1回で服用、ペニシリン系やセフェム系はMICを超えた状態を保つことで効果が高まるため1日服用量を複数に分割して服用することが大切です。
クラリスロマイシン錠 200mg/錠 50mg 小児用「CH」
セフゾン(セフジニル)は幅広い菌に対応できる医薬品で、主に耳鼻科、皮膚科、呼吸器科領域で使用されることが多いです。
ニューキノロン系はアルミニウムやマグネシウムを含んだ制酸剤などや鉄剤と同時に服用すると、吸収が低下することがあります。またセフェム系のセフジニルは、鉄剤と同時服用で吸収が約10分の1まで低下します。服用時間をずらして服用することで対処します。クラリスロマイシンでは一部の薬剤とは使用できないものがあるので必ず併用薬は確認することが大事です。