ある種の薬が亜鉛とくっついて,体外に出るために亜鉛欠乏が起こることがあります。 ② 食物


年齢 使用理由 (合併症) 経過及び処置 2 男 60代 上気道炎(なし) 400mg8日間 上半身間代性痙攣 投与約10ヵ月前 : 上気道炎にてA院で加療中(マクロライド系抗生物質を含む),間代性痙攣を来し,B院にてCT,MRIで頭部検査するも,異常を認めず。 点滴加療するも症状改善されず(精神・神経科)。原因不明であった。 そのまま放置し,2~5日後症状消失。 投与開始日 : C院(当院)にて上気道炎加療開始。 投与8日目(投与中止日) : 夜から,間代性痙攣(両肩を上下させる運動[回/0.2~0.3秒]が持続)が始まる。 約10ヵ月前と全く同じ症状のため,また苦痛もあまり強く訴えないため,投薬を中止。 投与10~13日目 : 症状消失。 企業報告 併用薬:葛根加朮附湯エキス,桔梗湯エキス,塩化リゾチーム,リン酸ジヒドロコデイン・dl-塩酸メチルエフェドリン・マレイン酸クロルフェニラミン配合剤 NO.


DIクイズ1:(A)クラリスによる発疹の既往のある患者への代替薬

普段から、ビタミンE、鉄(マツキヨラボ)DHA、大豆イソフラボン、ビタミンD(DHC)、ビタミンB(チョコラBBプラス)、ハイチオールCプラスを服用しています。
先日、副鼻腔炎でクラリスロマイシン(先発品)を処方されました。
サプリメントの併用は問題ないでしょうか?

年齢 使用理由 (合併症) 経過及び処置 3 女 10歳未満 マイコプラズマ感染疑い(急性気管支炎) 200mg3日間 アレルギー性紫斑病 投与7日前 : 咳嗽が出現した。 投与5日前 : 37.5℃の微熱があり,夜,咳嗽が増強した。 投与3日前 : 軽度の咽頭発赤を認め,テオフィリン,カルボシステイン,塩酸プロカテロール,セフロキサジンを処方し,昼から内服した。 投与1日前 : 38.4℃の高熱が出た。 投与開始日 : 胸部にラ音を認め,胸部X線検査でも異常を認め,急性気管支炎と診断した。病因として,肺炎マイコプラズマを疑い,またテオフィリンの吸入も考えて,本剤を処方した。 投与3日目(投与中止日) : 発熱なく,咳嗽も軽快したが,昼頃から下顎に発疹が発現し,腹痛を訴えるようになった。本剤は昼まで内服した。 中止2日後 : 腹痛が続き,下肢にも発疹が出現した。 中止4日後 : 当院小児科に来院し,アレルギー性紫斑病と診断した。輸液,トラネキサム酸,カルバゾクロムスルホン酸ナトリウムの注射を開始。 中止5日後 : 腹痛は訴えず。 中止10日後 : 発疹(出血斑)は消退した。 中止18日後 : その後は特に問題なく経過している。 企業報告 臨床検査値 中止4日後 中止12日後 中止18日後 血小板数(×104/mm3) 53.4 37.6 29.1 出血時間(分.秒) 2.30 ― ― 凝固開始時間(分.秒) 4.30 ― ― 凝固完了時間(分.秒) 9.30 ― ― 第XIII因子(%) 79 ― ― プロトロンビン時間(秒) 11.9 ― ― APTT(秒) 34.1 ― ― ルンペルレーデ反応 +(6個) 3+ ― 併用薬:セフロキサジン,カルボシステイン,塩酸プロカテロール,テオフィリン NO.

・一部のマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、テリスロマイシン、エリスロマイシン)

プロペシアに次ぎ、世界で2番目に登場した飲むAGA治療薬「ザガーロ」。日本でも、2016年の6月に販売開始となり、高い注目を浴びています。そんなザガーロですが、服用の際には気をつけなくてはならないことがいくつかあります。そのうちのひとつが、飲み合わせです。ザガーロに併用禁忌薬はありませんが、併用に注意しなければならない薬は存在します。
今回は、ザガーロの併用禁忌薬・併用注意薬についてご紹介します。

年齢 使用理由 (合併症) 経過及び処置 2 女 70代 食道静脈瘤(肝硬変,C型慢性肝炎,胃静脈瘤,骨粗鬆症) 〔オルダミン注射用(10%)として〕5.25mL1回 肺水腫 投与約4年前 : 肝硬変,食道静脈瘤を指摘。 投与11日前 : 食道静脈瘤の内視鏡的硬化療法目的で入院。食道に固有筋層を貫く貫通静脈あり。 投与7日前 : 食道静脈瘤結紮療法を実施。引き続き硬化療法を実施するも薬物が血管外へ漏れたため,中止。 投 与 日 : 内視鏡的硬化療法として,食道静脈瘤に対して5%液0.5mL(血管外),7.0mL(血管内)に注入。透視画像で血管内への流入を確認し,肝臓側への過度の流入がないことを確認。注入後間もなくして顔面紅潮,喘鳴,胸痛が出現。そのため,食道バルーンの空気量20mLを脱気後,治療継続。この際,酸素飽和度は98%であった。0.5mL(血管外)を注入後に,胸痛がありミダゾラム5mgを静注。酸素飽和度は85~87%へ低下,酸素3Lを経鼻投与。さらに,0.5mL(血管外),2mL(血管内)を注入,酸素飽和度の改善がないため,本剤注入直後にフルマゼニル10mgを静注。酸素飽和度は93~95%に改善し,バルーンで2回,針穴を圧迫止血。 投与30分後 : 内視鏡を抜去直後,呼吸苦を訴え,チアノーゼ,ピンク色泡沫様痰を認めた。 投与40分後 : 酸素飽和度は70%で改善せず,意識状態の低下を認め,直ちに気管内挿管し,純酸素にて換気。胸部X線で両側(左側優位)にびまん性浸潤影を認めた。心エコーに著変なく心原性肺水腫,肺塞栓は否定的で肺水腫と診断。 投与1時間後 : ICUへ。人工呼吸器に接続するも,酸素飽和度は85%で不良,PEEPを併用した補助換気を実施。血圧が低下しショックとなり,ステロイドパルス療法,ウリナスタチン,塩酸ドパミンの投与を実施。 投与2時間30分後 : 酸素分圧の上昇を確認。 投与2日後 : 抜管し一般病棟へ。 投与32日後 : 退院。 企業報告 併用薬:イオパミドール,リドカイン,乳酸リンゲル液,ペンタゾシン,塩酸ヒドロキシジン,臭化ブチルスコポラミン,ミダゾラム,フルマゼニル 【2】 クラリスロマイシン 販売名(会社名) クラリシッド錠50mg小児用,同錠200mg,同ドライシロップ小児用(アボットジャパン)クラリス錠50小児用,同錠200,同ドライシロップ小児用(大正製薬) 薬効分類等 主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの 効能効果 (クラリシッド錠50mg小児用,同ドライシロップ小児用,クラリス錠50小児用,同ドライシロップ小児用の場合) 一般感染症クラリスロマイシン感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属(腸球菌を除く),ブランハメラ・カタラリス,インフルエンザ菌,百日咳菌,カンピロバクター属,マイコプラズマ属,クラミジア属による下記感染症 毛嚢炎,丹毒,蜂巣炎,リンパ管(節)炎,ひょう疽,化膿性爪囲炎,皮下膿瘍,汗腺炎,集簇性ざ瘡,感染性粉瘤,慢性膿皮症,外傷・熱傷・手術創などの表在性二次感染 咽喉頭炎,急性気管支炎,扁桃炎,慢性気管支炎,肺炎,肺化膿症 カンピロバクター腸炎 猩紅熱 百日咳 中耳炎 副鼻腔炎 後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリア感染症 (クラリシッド錠200mg,クラリス錠200の場合) 一般感染症クラリスロマイシン感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属(腸球菌を除く),ペプトストレプトコッカス属,ブランハメラ・カタラリス,インフルエンザ菌,カンピロバクター属,マイコプラズマ属,クラミジア属による下記感染症 毛嚢炎,せつ,せつ腫症,よう,丹毒,蜂巣炎,リンパ管(節)炎,ひょう疽,化膿性爪囲炎,皮下膿瘍,汗腺炎,集簇性ざ瘡,感染性粉瘤,慢性膿皮症,肛門周囲膿瘍,外傷・熱傷・手術創などの表在性二次感染 咽喉頭炎,急性気管支炎,扁桃炎,慢性気管支炎,びまん性汎細気管支炎,気管支拡張症(感染時),慢性呼吸器疾患の二次感染,肺炎,肺化膿症 非淋菌性尿道炎 カンピロバクター腸炎 子宮頸管炎 中耳炎,副鼻腔炎 歯周組織炎,歯冠周囲炎,顎炎 後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリア感染症 胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染 《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 [禁 忌] ピモジド,エルゴタミン含有製剤,シサプリドを投与中の患者 [相互作用(併用禁忌)] (テルフェナジンを削除) エルゴタミン(酒石酸エルゴタミン,メシル酸ジヒドロエルゴタミン)含有製剤 [相互作用(併用注意)] カルシウム拮抗剤(ニフェジピン,塩酸ベラパミル等) [副作用(重大な副作用)] 劇症肝炎,肝機能障害,黄疸,肝不全:劇症肝炎,AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,LDH,Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸,肝不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。 血小板減少,汎血球減少,溶血性貧血,白血球減少,無顆粒球症:血小板減少,汎血球減少,溶血性貧血,白血球減少,無顆粒球症があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。 偽膜性大腸炎,出血性大腸炎:偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがあるので,腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。 痙 攣:痙攣(強直間代性,ミオクロヌス,意識消失発作等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。 アレルギー性紫斑病:アレルギー性紫斑病があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。 急性腎不全:急性腎不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。 〈参 考〉 企業報告 症例の概要 NO.

(一般名:レボフロキサシン) を例に挙げると, 金属カチオン含有製剤と同時に服用した時,

併用禁忌薬とは、飲み合わせの悪い薬のことをいいます。薬物間相互作用によって薬効の減弱や副作用の増強といった悪影響を招く可能性があることから、併用が禁止されています。

結論から言うと、ザガーロに併用禁忌薬はありません。しかし、飲み合わせに注意が必要な併用注意薬は存在します。

[PDF] 【金属含有薬剤と相互作用を起こすおそれのある薬剤】

年齢 使用理由 (合併症) 経過及び処置 1 女 70代 食道静脈瘤(肝硬変,糖尿病,高血圧) 〔オルダミン注射用(10%)として〕3.5mL1回 肺塞栓,成人呼吸窮迫症候群 既往歴 : 右肺区域切除 投 与 日 : 内視鏡的硬化療法として,食道静脈瘤に対して5%液7mLを静脈瘤内に注入。静脈瘤外への漏れはなし。口側バルーンで薬剤を5分間停滞させた。抜針時にトロンビンを散布。内視鏡を抜去直後,乾性咳嗽と呼吸困難が発現。術中も酸素吸入を行っていたが,引き続き酸素吸入を継続(3L/分)。SaO2は100%から80%へ低下し,ステロイド大量投与を行い,ICU管理に移行。 胸部X線検査で両肺にびまん性粒状影を認めた。 投与3日後 : 呼吸困難などの症状消失。 企業報告 併用薬:イオパミドール NO.

併用注意薬とは、併用禁忌までとはいかないものの、飲み合わせによって身体に何らかの悪影響が及ぶ可能性のある薬のことです。


アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛を含有する製剤 · 制酸剤

Epidemiol., 49:769-773(1996)4)相原道子,池澤善郎:本邦におけるToxic Epidermal Necrolysis(TEN)死亡例の臨床的検討-TEN生存例およびStevens-Johnson syndrome(SJS)死亡例との比較検討-,日皮会誌,109(11):1581-1590(1999)5)南光弘子:本邦におけるToxic Epidermal Necrolysis 126例の臨床的解析-輸血後GVHDとの鑑別は可能か否か-,45:571-578(1991)6)高橋隆一監修:臨床医が書いた薬の重大な副作用がわかる本-患者が気づく副作用症状-,エルゼビア・ジャパン(1998)7)伊崎誠一:「TEN(中毒性表皮壊死融解症)」,川越クリニカル・カンファレンス,KCCシリーズ,No.39(1998)8)池田重雄,他編集:標準皮膚科学 第5版,医学書院(1997)9)塩原哲夫:診断と治療,87(Suppl):37-41(1999)10)原田昭太郎,他:臨床医薬,17(9):1261-1273(2001)目次へ2.盗難防止装置等による電波の医用機器への影響 盗難防止装置等による植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器への影響については,医薬品等安全性情報No.155(平成11年6月号)並びに医薬品・医療用具等安全性情報No.173(平成14年1月号)及びNo.190(平成15年6月号)において注意喚起してきたところである。 総務省において,平成14年度より2年間にわたり「電波の医用機器等への影響に関する調査研究」が実施され,今般,盗難防止装置等から発射される電波の植込み型の医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)に及ぼす影響についての調査が電波産業会(以下,「産業会」という)によってまとめられた。この調査研究の調査結果によると,医薬品・医療用具等安全性情報No.173において紹介した指針は妥当であることが確認されたことから,当該報告の内容について紹介し,改めて医療関係者等に注意喚起を行うこととした。(1)経緯 盗難防止装置〔産業会の報告書では「EAS(Electronic Article Surveillance):電子商品監視機器」とされている〕から発射される電波が植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器に及ぼす影響については,本誌No.190において中間とりまとめを紹介してきたところである。 今般,この調査を委託された産業会に設置された「電波の医用機器等への影響に関する調査研究会」において,1)盗難防止装置,2)(据え置き型を除く)RFID機器(Radio Frequency IDentification device)及び3)無線LAN(Local Area Network)の調査報告書がまとまり,総務省より公表されたことから,医療機関,医療従事者,医療機器業者等に対し,当該報告内容について紹介することとした。<用語の説明>1)盗難防止装置とは,種々なタイプのタグ(荷札)を商品に貼り付け,商品が通過した場合に,タグを非接触通信で検出する装置であり,電波方式,磁気方式,磁気自鳴方式,音響磁気方式及び複合式といわれるものが知られている。形状としては,ゲート型の他に天井又はフロア埋め込み型がある。2)RFID機器とは,情報を電子回路に記憶し,非接触通信で交信が可能なものであり,ICチップとアンテナを内蔵したタグ(荷札)と検出器との電波の交信により情報のやりとりを行う機器で,物流や在庫管理,製品の精算等に使用される。検出器の形態によりゲート型,ハンディ型,据え置き型に大別される。3)無線LANとは,コンピュータやPC,周辺機器などを1Mbps~54Mbps程度の伝送速度を実現することのできる2.4GHz又は5.4GHzのマイクロ波の無線媒体を用い,一つのオフィスやフロア,建物群など地理的に限られた範囲内で直接的に通信を可能とするデータ通信システムである。(2)調査概要 今回実施された調査は,盗難防止装置,RFID機器及び無線LANを対象として,基本的に平成14年度に実施された盗難防止装置及びワイヤレスカードシステムから発射される電波による植込み型医用機器(心臓ペースメーカ及び除細動器)に及ぼす影響の評価に用いられた評価方法と同様の方法で検討が行われた。1)盗難防止装置が植込み型医用機器に及ぼす影響 現在,導入されている機種を網羅するよう平成7年以前の製品から平成11年以降に市場に流通している代表的な植込み型心臓ペースメーカ28台(48モード)及び植込み型除細動器7台(10モード)を試験対象医用機器とし,電波方式15台,磁気方式14台,磁気自鳴方式7台(フロア型2台,天井型2台を含む)及び音響磁気方式3台,複合式1台の合計40(フロア型2台,天井型2台を含む)機種を試験対象装置として,以下の4種類の試験を行い,盗難防止装置による植込み型医用機器への影響を調査した。<試験1>試験内容:植込み型医用機器装着者が盗難防止装置の中央を通過する状況を再現し,医用機器に影響がでるゲートの中心からの距離を計測する。<試験2>試験内容:植込み型医用機器装着者がゲート内で振り返る状況を再現するため,ゲート内で身体を回転させながら電波を送信しているゲートに20cmまで近づき,ゲートからの距離とゲートに対する回転角度の違いによる医用機器への影響の発現状況を計測する。<試験3>試験内容:植込み型医用機器装着者がゲート内で身体を回転させられない近距離(20cm以内)でゲート自体(送受信板)に密着するまで接近する状況を再現し,医用機器に影響がでるゲートからの距離を計測する。<試験4>試験内容:<試験1>で影響を受けた植込み型医用機器を対象に,植込み型医用機器装着者がゲート外でゲートの周囲(送受信板)に接近する状況を再現し,医用機器に影響がでるゲートからの距離をゲートの真横,ゲートから45度,90度の各角度で計測する。2)RFID機器が植込み型医用機器に及ぼす影響 植込み型医用機器については1)と同じ製品を試験対象医用機器とし,ゲート型RFID機器10台,ハンディ型RFID機器21台のRFID機器(合計31台)を試験対象装置として,医用機器への影響の調査を行った。 RFID機器の構造特性に鑑み,ゲート型のRFID機器については,1)の盗難防止装置と同様の方法で影響を調査した。また,ハンディ型のRFID機器については以下の2種類の試験方法により植込み型医用機器への影響を調査した。<試験A>試験内容:ハンディ型のRFID機器を人体に近づけた状況を再現し,ハンディ型のRFID機器を密着させた状態から次第に離していき,影響が出なくなるまでの距離を計測する。<試験B>試験内容:影響がなくなる植込み型医用機器の感度を調査するため,<試験A>で影響が観測された場合に,植込み型医用機器の感度を順次落としていき,影響が観測されなくなるまで<試験A>と同様の試験を行う。3)無線LANが植込み型医用機器に及ぼす影響 植込み型医用機器については1)と同じ製品を試験対象医用機器とし,全方式の無線LANのアクセスポイント8台,無線LAN移動機8台(合計16台)を試験対象装置として,医用機器への影響の調査を行った。 試験方法は2)のハンディ型RFIDの試験方法と同じ方法を用いた。(3)調査結果の概要1)盗難防止装置による植込み型医用機器への影響について(1)植込み型心臓ペースメーカ ゲート型盗難防止装置については,次の表に示すように試験1において177試験モード(10.2%),試験2において671試験モード(38.8%),試験3において797試験モード(46.1%)の組み合わせにおいて何らかの影響が観測された。観測されたほとんどの影響は一時的なものであり,ゲートから遠ざかることにより正常に復した。 また,フロア型盗難防止装置については3試験モード(3.1%)で何らかの影響が観測された。天井型盗難防止装置については影響は観測されなかった。 試験1試験2試験3試験4干渉率10.2%38.8%46.1%―最大干渉距離275cm――280cm注1:干渉率は影響を受けた植込み型心臓ペースメーカモードの割合を意味する。注2:最大干渉距離は,植込み型心臓ペースメーカが影響を受けた最大距離を意味する。 なお,試験2又は試験3において,プログラムリセットされたケース(最大干渉距離25cm)があった。(2)植込み型除細動器 ゲート型盗難防止装置については,次の表に示すように試験1において5試験モード(1.4%),試験2において34試験モード(9.4%),試験3において59試験モード(16.4%)の組み合わせにおいてペースメーカ機能に何らかの影響が観測された。観測されたほとんどの影響は一時的なものであり,ゲートから遠ざかることにより正常に復した。 また,試験2において13試験モード(3.6%),試験3において29試験モード(8.1%)の組み合わせにおいて除細動機能に何らかの影響が観測された。観測されたほとんどの影響は一時的なものであり,ゲートから遠ざかることにより正常に復した。 なお,フロア型及び天井型盗難防止装置についてはペースメーカ機能及び除細動機能のいずれにも影響は観測されなかった。 <ペースメーカ機能> 試験1試験2試験3干渉率1.4%9.4%16.4%最大干渉距離65cm―― <除細動機能> 試験1試験2試験3干渉率0%3.6%8.1%最大干渉距離―――注1:干渉率は影響を受けた植込み型除細動器モードの割合を意味する。注2:最大干渉距離は,植込み型除細動器が影響を受けた最大距離を意味する。 なお,試験2または試験3において,5機種29モード試験モード(8.1%)で不要除細動ショックを起こす影響が確認された。この際の最大干渉距離は42.5cmであり,ゲートとの角度が90度(ゲートに正対状態)であった。2)RFID機器が植込み型医用機器に及ぼす影響(1)植込み型心臓ペースメーカ ゲート型RFID機器については,次の表に示すように試験1において5試験モード(1.0%),試験2において22試験モード(4.6%),試験3において89試験モード(18.5%)の組み合わせにおいて何らかの影響が観測された。観測されたほとんどの影響は一時的なものであり,ゲートから遠ざかることにより正常に復した。 なお,ハンディ型RFID機器については,最大干渉距離は15cmであり,50試験モード(5.0%)で何らかの影響が観測されたが,プログラムがリセットされたケースはなかった。 試験1試験2試験3干渉率1.0%4.6%18.5%最大干渉距離50cm――注1:干渉率は影響を受けた植込み型心臓ペースメーカモードの割合を意味する。注2:最大干渉距離は,植込み型心臓ペースメーカが影響を受けた最大距離を意味する。(2)植込み型除細動器 ゲート型RFID機器については,次の表に示すように試験3において4試験モード(4.0%)において何らかの影響が観測された。観測されたほとんどの影響は一時的なものであり,ゲートから遠ざかることにより正常に復した。ペースメーカ機能及び除細動機能ともに密着した状態で影響が観測され,除細動機能においては不要除細動ショックが発生する影響が観測された。 なお,ハンディ型RFID機器については,ペースメーカ機能において最大干渉距離は2cmであり,7試験モード(3.3%)に何らかの影響が観測され,除細動機能においては,最大干渉距離は1cmであり,5試験モード(2.4%)で不要除細動ショックが発生する影響が観測された。観測されたほとんどの影響は一時的なものであり,ゲートから遠ざかることにより正常に復した。 <ペースメーカ機能> 試験1試験2試験3干渉率0%0%4.0%最大干渉距離――0cm <除細動機能> 試験1試験2試験3干渉率0%0%4.0%最大干渉距離――0cm注1:干渉率は影響を受けた植込み型除細動器が影響を受けた最大距離を意味する。注2:最大干渉距離は,植込み型除細動器が影響を受けた最大距離を意味する。3)無線LANが植込み型医用機器に及ぼす影響(1)植込み型心臓ペースメーカ 無線LANのアクセスポイントについては,最大干渉距離は6cmであり,4試験モード(1.0%)に何らかの影響が観測され,移動機側については,最大干渉距離は1cm以下であり,4試験モード(1.0%)に何らかの影響が観測された。(2)植込み型除細動器 無線LANのアクセスポイント側及び移動機側いずれについても影響は観測されなかった。(4)植込み型医用機器を使用している患者に対する注意事項1)盗難防止装置について 当該研究においては,どのような方式の装置が特に植込み型医用機器に影響を与えるのかは明らかにされていないが,ゲート中央の通過で10%程度,ゲート内で身体を回転させてゲートに近づいた場合は40%程度,ゲート(送受信板)へ密着するまでの接近では50%近くの盗難防止装置と植込み型心臓ペースメーカの組み合わせで影響が観測されていることから,ゲート内から可能な限り速やかに退去することが重要であるといえる。 また,ゲート内においては,ゲート間において体を捩るなど,ゲート(送受信板)に胸と背中を向けることにより,より影響を受けやすくなる傾向が見られており,ゲートを横切る際は,真っ直ぐに正面を向いて横切ることが推奨される。これは,植込み型除細動器においてゲートとの角度90度,42.5cmの距離で不要除細動ショックが観測されていることからも,特に重要なことといえる(正面を向いた状態では,ゲートの設置幅の1/4以内にゲートに近づかなければ,ショックは出ないことが確認されている)。 ゲート外であってもゲート内と同様の距離で影響を受けることが示唆されているので,ゲート外であっても可能な限り盗難防止装置に近づかないように注意する必要がある。2)RFID機器について 平成15年度の当該研究においては,ゲート型及びハンディ型のRFID機器について検討されている。 ゲート型については,ゲート中央の通過で1%程度,ゲート中央において向きを変える場合に5%程度,ゲート(送受信板)への接近では20%近くのRFID機器と植込み型心臓ペースメーカの組み合わせで影響が観測されていること,また,密着状態であるものの植込み型除細動器において不要除細動ショックが観測されていること,更に外見上盗難防止装置と判別不能であることから,1)の盗難防止装置と同様の注意が必要であると考えられる。 ハンディ型については,植込み型除細動器で1cmで,不要除細動ショックが観測されていること,また,ハンディ型であるため容易に身体に接近させることができることから,不用意に植込み型医用機器の22cm以内にRFID機器を接近させないように注意することが必要である。3)無線LANについて 現在流通している無線LANにおいて影響が観測されたものについては,すべて同一の植込み型心臓ぺースメーカであり,既に当該機種を利用している患者については該当企業から注意喚起の連絡がなされているところである。他の植込み型医用機器については,影響は観測されていないものの,不必要に電磁波を発生しているものに植込み型医用機器を接近させないという一般的な注意を引き続き払うことが適当である。(5)医療機関へのお願い 今回は,盗難防止装置,RFID機器(据え置き型を除く)及び無線LANについての検討結果を紹介したが,特に影響率が高かった盗難防止装置については当該研究においては,どのような方式の装置が特に植込み型医用機器に影響を与えるのかは明らかにされていないが,植込み型医用機器装着者の健康被害防止の観点から,以下の事項を遵守するよう患者への指導の徹底を引き続きお願いするとともに,患者が小児の場合には,保護者への指導の徹底も併せてお願いしたい。盗難防止装置のゲート内に立ち止まる,もたれかかる等不用意に近寄ることのないように留意する。盗難防止装置等をやむを得ず通過する場合には,中央を真っ直ぐ正面を向いて速やかに通過する。ゲート型RFID機器については,盗難防止装置と見かけ上判別しにくいため,盗難防止装置と同様の注意を払うこと。ハンディ型RFID機器については,不用意に植込み型医用機器の22cm以内にRFID機器を接近させないように注意すること。目次へ3.重要な副作用等に関する情報前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.202)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。【1】 オレイン酸モノエタノールアミン 販売名(会社名) オルダミン注射用(富士化学工業) 薬効分類等 止血剤 効能効果 食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮 《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 [重要な基本的注意] 標的とする部位以外への流出により急性呼吸窮迫症候群,肺水腫があらわれることがあるので,対処部位での血流動態を観察して,食道静脈瘤以外への流出に注意すること。 [副作用(重大な副作用)] 急性呼吸窮迫症候群,肺水腫:急性呼吸窮迫症候群,肺水腫があらわれることがあるので,観察を十分に行い,急速に進行する呼吸困難,低酸素血症,胸部X線による両側性びまん性肺浸潤陰影が認められた場合には,呼吸管理,循環管理等の適切な処置を行うこと。 〈参 考〉 企業報告 症例の概要 NO.

報告年度・四半期, 2023・第一, 種類, 自発報告, 報告職種, 医師;薬剤師, 報告分類, 企業報告, 状況, 調査完了

また、その他AGA治療薬の併用禁忌薬については、以下をご覧ください。
ミノキシジルについては
プロペシアについては