レトロゲームをプレイ:ジョジョの奇妙な冒険(コブラチーム)・その19 ..


調べるにあたって参考にしたのは、のVジャンプ1992年12月30日号と、スクウェアスタッフの繋がりを徹底的に調べておられるSubeakiさんのページ「」、そして昨年発売された書籍『』(ホーム社)。この書籍には中里氏と、トーセからバンダイに移った田中庸介氏、さらには橋本名人こと橋本真司氏へのインタビューが収録されており、バンダイのキャラゲー作りやコブラチームについて豊富な情報を伝えてくれる。これらを以下で参照する時は、それぞれ「Vジャンプ」「大事典」「ピクセル」と略す。


レトロゲームをプレイ:ジョジョの奇妙な冒険(コブラチーム)・その2

中里氏はSFCの「ドラゴンボール 超サイヤ伝説」を作った後、1991年に橋本真司氏(橋本名人)とともに株式会社コブラチームを立ち上げた(ピクセル)。橋本氏はバンダイで(開発部にもかかわらず)ファミコンゲームのプロモーションを担当していた人物で、雑誌などでの宣伝に加えファミコンジャンプのプロデュースを行っていた。バンダイの「ポケットザウルス 十王剣の謎」には橋本名人が主人公として登場している。

は、いわゆるコブラジョジョを作った中里尚義氏のインタビューを掲載しましたが、彼のその後の経歴は調べてみるとかなり面白いことが判明しました。キャラゲーが意外なゲームと結びついていることがわかったのです。今回はその中里氏を中心に、コブラチームがその後どうなったかについて調べてみました。

新着ゲーム “コブラチーム”|秋葉原レトロゲーム・中古ゲーム専門店 レトロげーむキャンプ.

コブラチームの代表作はなんと言ってもSFCの「ジョジョの奇妙な冒険」であるが(その制作の様子については前回のインタビューを参照)、本作のプログラムやサウンド、グラフィックはウィンキーソフトが請け負っており、コブラチームの担当は主にゲームデザインやプロデュースのようだ。他にはSFCの「サンダーバード 国際救助隊出撃せよ!」、「バスタード 暗黒の破壊神」およびACのドラゴンボール2作を発売しているが、1994年以後のソフトが存在しないので、トップの移籍に伴い解散したと思われる(大事典)。

中里氏も橋本氏もコブラチーム時代のことについては多くを語っていないが、橋本氏はコブラチームの社長、中里氏はコブラチームの開発責任者だったようである(Vジャンプ)。

【TAS】SFC ジョジョの奇妙な冒険 Part1【コブラチーム】

熱烈なファンが多い『ジョジョ』初の単独ゲーム化という事で期待して蓋を開けてみれば、散見する原作無視・作りの荒いゲームシステム・異常なボリューム不足という「キャラゲーはクソゲー」のお手本の様なゲームになってしまった。
しかしその「あまりにも原作とかけ離れた」かつ一般的なゲームとしてもツッコミ所の多い展開は、爆笑モノのバカゲーとしてファンから一定の評価を得ており、ある意味で唯一無二の価値がある作品とも言える。
本作のストーリーの随所にあるシュールな雰囲気は原作に似せたような部分もあり、(色々間違ってはいるが)作品に対してのリスペクトは感じられるのがその要因だろう。
実際『ジョジョ』ファンの間では、このゲーム及びコブラチームは未だにネタとして語り継がれる伝説となっている。
またクソゲーにありがちな目立ったバグはなくクリアまで普通に遊べるといった点は最低限評価できるポイント。
良くも悪くも、突き抜けた出来だと違った意味で伝説化されるという『』や『』と肩を並べる作品であろう(ファンに限るが)。

1994年に中里氏はスクウェアの坂口博信氏に声をかけられ、スクウェアに移籍することになる(ピクセル)。この出来事は実際はスクウェアによるコブラチームの買収だったようだ(下記参照)。中里氏はプランナーとしてスクウェア(正確にはソリッド)に入り、最初に関わった作品が1995年のフロントミッションである。橋本氏は書籍ではクロノトリガーのプロデュースを担当と書かれているが、スタッフロールにはスペシャルサンクスとしての記載しかない。フロントミッションではプロデューサーで記載されている(大事典)。

【TAS】SFC ジョジョの奇妙な冒険 Part2【コブラチーム】

追記:Subeaki氏の情報提供によると、コブラチームは1994年1月にスクウェアに買収され、100%子会社となったことが判明した。その際にコブラチームは「ソリッド」に名称を変更している。ソースは。この資料によると、ソリッドは「ゲームソフト開発の外注管理」を担当している。確かにガンハザードのスタッフロールには中里氏の名前の後に「SOLID」と記載されており、その他外注を行っているブシドーブレードや双界儀、サイバーオーグのスタッフロールにソリッドの名前があるので、外注管理とはこうした仕事を指していると思われる。同社はエニックスとの合併の際に非連結子会社となり、2008年にスクウェア・エニックス・ホールディングスに移行する際に姿を消している。コブラチームはある時期から突然姿を消すが、実際はスクウェアに買収されていたのである。

独特の台詞回しや奇抜な絵柄、練りこまれたバトルシーンと今もなお根強い人気を誇る漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。
本作は『ジョジョ』の中でも特に人気の高い第三部を題材にしたRPGである。
発売元の名称が「コブラチーム」であることから「コブラジョジョ」とも。